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理不尽

どうしようもない理不尽が生きることに付きまとう。
人はいつか死ぬ、わけもなく明日も生きなければならない、自分は自分以外にはなれない、欲しかった才能が自分にはどうしようもなく無い、そのせいで夢を諦める、永遠は無い 等

理不尽に打ちのめされ、ボコボコになっている人が居て
その人に対して、私は

…あのね。人はいつか死んでしまうものなんだよ。死んでしまった人は現世で生きてる私たちの手の届かない場所に行ってしまったから、もうどうしようもないんだよ。君は手の届かない世界に行ってしまったその人とずっと一緒に居たかったんだろう、でも、それは出来ないことで、君が叶えられなかったことでもある
その人はもう居ないんだよ。でもしょうがないことで、どうしようもない、生に付きまとう理不尽なんだよ。…

という言葉を飲み込んだ。

その理不尽を目の前に押し付けて自分はマウントをとりたがった。最悪だ 何をしたかったんだろう一体
「私はこの人にマウントを取りたいわけじゃなく、幸せになって欲しいって思っている」ということをギリギリのところで思い出したので言わずに済んだ。前の私だったら手柄を立てようと奮い立って言っていただろう。

彼は「だいぶ吹っ切れた方ではあるんだけどね」と言っていた。彼はきっと、長すぎるくらいに長い時間をかけて、ゆっくりとその理不尽と向き合っていく。「いつまでこれが続くんだろう」と何度思うことだろうか。でもそうする他ない。
手の届かない場所への羨望はまるで/まさしくタナトスだ。

ずっと叶えたかった夢があなたを縛っていないだろうか?
それを諦めていいと言える勇気が少しでもあったら

チノカテ (ヨルシカ) より引用

手の届かないものへの羨望、誘惑を諦めて、想いを忘れないように自らに楔を打つように宿し続けること
口にするのは簡単だけどそれを行うのがどれだけ長く苦しい道なのか、それを私も体験する日が来たらその時初めてその大変さが分かるだろう。

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