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IT BITES を聴く Vol.1

Once Around the World

ポップなスタイルの1stアルバムから、よりプログレ路線、というかジェネシス路線に舵を切った2ndアルバム。

" Yellow Christian " のような超ド級のシンフォニック路線もあれば、" Rose Marie " のような切れ味鋭いハードロック路線もあるが、全体的にはファンタジックな雰囲気満載。80年代半ばまでは、あまり存在していなかったとても個性的なサウンドだ。

目玉はラストのタイトル曲、" Once Around the World " 、正にジェネシス路線のシンフォニックな大作である。
ピーター・ガブリエルのような摩訶不思議なファンタジー唱法とアラン・ホールズワースばりのテクニカルなギターソロ、そしてビシバシ登場する変拍子等々、プログレファンには鳥肌ものの楽曲。
そしてオルゴールのような切ないアルペジオから始まり、ドラマチックに展開していくエンディングは、正に涙腺崩壊である。

Release : 1988
Total Time : 44:49
Category : Neo Progressive
Country : UK

Eat Me in St Louis

サードアルバムは、さらに一皮むけたハードロック路線と来た。

私一押しの " Underneath  Your Pillow " は、ローテンポでヘヴィなギターリフ、そしてヒステリックなヴォーカル、非常にダイナミックな質感だ。
特に終始なり続けるシーケンスフレーズや合いの手のように入る数々のオブリガードなど、様々な音色とメロディをパズルのように組み合わせる、ジョン・ベックのアレンジセンスが見事である。

そして Leaving Without You ” 。
こちらもローテンポだが、中間部から劇的な展開を見せる楽曲で、フルートのような音色によるキーボードソロからの転調はお見事。
クライマックスはフランシス・ダナリーの超絶技巧なアルペジオで幕を閉じる。

他強烈なギターリフが印象的な " Sister Sarah " や " Let Us All Go " などのドライブ感溢れる楽曲、絶叫気味のヴォーカルが冴え渡る " Murder of the Planet Earth " 等、バラエティ色豊かなアルバムである。

単純に70年代のハードロックやプログレッシブロックの影響を受けているだけではなく、そこに80年代以降のデジタルなサウンドを塗せた新世代のプログレッシブロックといっても過言ではない。(35年も前の話だが、、、)

兎に角、フランシス・ダナリーのテクニカルなギタープレイ、ジョン・ベックの色鮮やかなアレンジセンス、この二人のコンビネーションがこのバンドの全てと断言してもいいだろう。

Release : 1989
Total Time : 55:26
Category : Neo Progressive
Country : UK

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