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麻雀74:セミファイナル終盤3日間の雑感【2023-24Mリーグ#18】

4月29日・1試合目

アベマズ✖︎コナミ✖︎風林火山✖︎サクラナイツ

出場選手を見て、鳥肌が立った。
劣勢に立たされている、アベマズは多井、コナミは伊達と、トップ条件成就に向けてチームの信頼厚い選手を起用してきた。一方、迎え撃つサクラナイツはセミファイナルに入って調子を上げている渋川。対して、ポイントに余裕のある風林火山は勝又を送り出し、条件戦になることを見越し、その間隙をぬってポイントを上積みしようという算段か。

東場は勝又を中心に進行する。
是が非でもトップが欲しい多井から技ありの12000を出アガリ。多井がラス目に沈むが、放銃先がライバルのサクラナイツでないことがせめてもの救い。
同じくトップ縛りの伊達は、渋川とのめくりあいに競り勝って、勝又を追いかける。

南場に入っても、下位チームに逆風。
多井、伊達は苦しい手材料ながら、行かざるを得ない状況により、南3局には二人に手が入るも流局して、万事休す。
両チームにとって、サクラナイツがトップというサイクの状況は避けられたものの、状況が苦しくなったことに違いない。

勝又のクレバーさが光った対局となった。
とくに、オーラス。勝又がアグレッシブに仕掛けて、トップ目渋川からアシスト気味の出アガリをもぎ取っての逆転トップ。渋川の立場からすれば、「下位チームより着順が上であれば良し」と考えるだろうことも見越しての戦略的仕掛けだろう。しっかりと結果を出した勝又は頼もしいことはもちろんだが、条件戦こそより力を発揮する選手と信頼し、この大事な場面で起用した監督も殊勲であろう。

4月29日・2試合目

アベマズ✖︎コナミ✖︎風林火山✖︎サクラナイツ

いよいよ後がなくなった、アベマズとコナミは、松本、高宮でトップを狙う。対するサクラナイツは堀。風林火山は瑠美。

終わってみると、松本、高宮がトップ狙いの無茶な攻めで、その隙をついて瑠美と堀がワンツー。有利な立場の方が選択肢も多く、さらに有利な展開になる。麻雀の厳しさがそのまま出た半荘となった。

デイリーダブルとなった風林火山が暫定首位。ファイナルでも有利な立場で戦えそう。
ここまでポイント差がつくと、上位4チームはラスだけにならないように気をつけつつギリギリまでトップを目指した、レギュラーと同じ戦略で打つだろう。また、上位チームにトップを取られるくらいなら下位チームに取らせるような選択も出てくるだろう。アベマズ、コナミにとっては、トップが取りやすい局面でもあり、その隙に乗じられるかどうかがカギになる。

4月30日・1試合目

アベマズと風林火山にとっては最終日。
ボーダーのドリブンズはラス回避率の高い太を起用。結果次第では、2試合目をのびのびと上を見ながら打てる展開も期待できる。

結果はアベマズ日向がトップ。ドリブンズが2着だったため、そこまで詰めることができなかったが、最低限の役割を果たした格好。
インタビューの涙は、極限状態のプレッシャーを物語っているように感じた。
責任感とチーム愛に溢れる日向が勝ち取ったトップ。次戦の最終戦を任された白鳥には、がむしゃらに条件を追って、奇跡を起こして欲しい。

4月30日・2試合目

奇跡の実現に向けて発進した白鳥に立ちはだかったのは、風林火山・亜樹。
少ない選択肢の中で最善手を模索しつつ打つ白鳥。チームの追い風を背にまっすぐ強気に進める亜樹の手組みに絡め取られる展開。
条件戦ではよくみる展開であるが、麻雀の厳しさの表れとつくづく感じる。事実上、アベマズの敗退が決まった。

「ツイテなかったとは言いたくない。実力不足です。一年契約なので、来季も出場できれば借りを返したい」と語った白鳥。初めてファイナル進出を逃し、チーム内で最も苦しんだこともあって、来季の去就にも触れた発言も飛び出した。

一方、暫定トップでファイナル進出を果たした風林火山。セミファイナル成績トップとなった亜樹。
「普段、勝ちますとかいうタイプではないんですけど、セミは勝ちますと公言していて、その通りの結果になってホッとしてます。」
その発言を受けて、インタビュアーマツカヨからのファイナルに向けての意気込みを問われると、
微笑みながら「勝ちます」との宣言。
余裕のある表情の奥に強い闘志を感じた。


5月2日・セミファイナル最終日

コナミのファイナル進出に向けた戦いは、厳しい結果となった。
伊達、寿人と登板したものの、両者ともトップが取れず。セミファイナルで敗退となった。
個人賞を3年間で総ナメにしている伊達、鳳凰位に返り咲くなど麻雀界のトップオブトップと言って過言でない魔王・寿人を擁して、いまだ優勝経験がないコナミ。来季は雪辱に燃えたシーズンとなることだろう。

ファイナル進出チームは
パイレーツ、風林火山、サクラナイツ、ドリブンズとなった。どのチームが優勝しても2回目の優勝となり、Mリーグの歴史が新たなステージに進むことになる。
上下2チームずつに分かれたポイント状況でスタートする中にあって、とりわけ初日が重要だと思っている。
つまり、上位2チームのいずれかがポイントを伸ばした場合は、そのチームの独壇場となりうる。また、下位チームが巻き返した場合には、どこが優勝してもおかしくない混沌に陥る可能性すらある。
いずれにしても見逃せないファイナル初日は、GW最終日の5月6日に行われる。

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