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【主日礼拝ノート】「義の太陽が昇る」

  これは2023.12.17の主日礼拝で、H.Y牧師がお話されたものを書き留めて、話の流れに沿ってまとめたものです。
  本文では、『聖書協会 新共同訳』を引用しています。

【 聖書箇所 】
(旧約)マラキ書 3章19-24節
(新約)ヨハネによる福音書 1章19-28節

【 説教まとめ 】

  クリスマスとは、キリスト礼拝という意味です。このクリスマスに備えるために、聖書が備えられていますが、旧約聖書と新約聖書では、その記されている内容が異なります。

  旧約聖書には、やがてイエスによってもたらされる救いの出来事が記されており、新約聖書には、イエスのもたらした救いの出来事が記されています。

  旧約聖書の最後の書物である『マラキ書3章19節』以下で主の到来の預言がされ、新約聖書の『マタイによる福音書』でイエスが誕生するお話が続きます。

  本としては続いていますが、長い年月をかけて、神はクリスマスの備えをされたことがわかります。

  バビロンから帰還したユダヤ人たちには、絶望しかありませんでした。それは、かつては栄華を極めたエルサレムが廃墟となっていたからです。

  町を復興するためには、まず神殿を再建しなければなりません。しかし、それには信仰が必要でした。

  ユダヤ人たちは、バビロンでの生活で神殿での礼拝の習慣がなく、神殿の必要性を感じることは難しかったのです。また、律法からも離れた異国での生活で、世も乱れていました。

  裕福な者たちが栄え、社会的弱者を見放した社会となり、お金のために離婚して金持ちの異邦人と結婚する者もありました。

  バビロン捕囚から帰還したユダヤ人たちには、信仰の無関心と堕落が広がっていました。

  その時に遣わされたのが預言者マラキです。この名は、” 私の使者 ” という意味です。これが本名か、それとも使命のことなのかはわかりません。

  見よ、その日が来る / 炉のように燃える日が。高慢な者、悪を行う者は / すべてわらのようになる。到来するその日は、と万軍の主は言われる。彼らを燃え上がらせ、根も枝も残さない。

マラキ書 3章19節

  マラキは、「その日」と言っていますが、これは神が来られる時のことです。その日は、『義の太陽』が昇る日であり、「神に逆らう者を再生しないように、根も枝も残さない」と言われます。

  しかし、わが名を畏れ敬うあなたたちには / 義の太陽が昇る。その翼にはいやす力がある。あなたたちは牛舎の子牛のように / 躍り出て跳び回る。

マラキ書 3章20節

  しかし、この太陽は、神に従う者には祝福を与えられます。『福音書』の中でも、イエスは人々から見捨てられた人々を治し、いやしました。太陽が、その冷えた体と暗闇を暖かく、明るく照らし、人々は子牛のように跳び回り喜んだのです。

  イエスさまが来られる終わりの日には、焼き尽くされる者の恐怖と照らし温められる喜びが備えられています。私たちは、この恐怖を避け、喜びを得るためには、どのようにしたらよいのでしょうか。

  わが僕モーセの教えを思い起こせ。わたしは彼に、全イスラエルのため / ホレブで掟と定めを命じておいた。

マラキ書 3章22節

  この「モーセの教え」とは、共同訳では「わが僕モーセの律法を思い起こせ」とされており、その教えとは、『律法』のことを指しています。

  旧約聖書を代表する預言者は、モーセとエリヤです。モーセは律法、エリヤは預言を代表しています。

  イエスが弟子を連れて山に登られ真っ白に輝いたとき(ルカ9:28-36)、モーセとエリヤと話をされていました。旧約聖書の頃から、新約聖書に至るまで、義の太陽はイエスであると証ししています。

  エリヤは、らくだの毛衣を着て、いなごと野蜜を食べて暮らしていました。そしてアハブ王の罪を明らかにし、イゼベルに命を狙われながら、死ぬことなく、火の車に乗って天に上げられました。

  ヨハネは、「まもなく神が来られるから、その準備をしなさい」と荒れ野で叫び、多くの人に洗礼を授けました。ファリサイ派には、「マムシ(毒蛇)の子ら」と言いました。そして、ヘロデ王の罪を明らかにして死を迎えます。

  ヨハネは、滅びから救いの備えをするため来たエリヤでした。

  ヨハネは、「自分はメシアでも、エリヤでも、あの預言者でもない」と言います。そして『イザヤ書 40章3節』を引用して、「『荒れ野で叫ぶ声』である」と言いました。

  ヨハネは、「私はメシアの道備えをする声であり、イエスさまの靴紐を解く資格もない」と言います。

  何とも自分を卑下した言葉のように感じますが、そうではありません。ヨハネは、神が与えてくださった自分の役割を明確に表しているのです。

  あなたの天を、あなたの指の業を / わたしは仰ぎます。月も、星も、あなたが配置なさったもの。 そのあなたが御心に留めてくださるとは / 人間は何ものなのでしょう。人の子は何ものなのでしょう。あなたが顧みてくださるとは。

詩編 8章4-5節

  自分とは何者でしょうか。

  私たちの家族とは。自分の使命とは。神さまが与えられたものとは。いったい何でしょうか。

  神さまの役割を与えられた喜びによって、死を恐れずに、尽くすことができます。明確な使命は、人を生き生きとさせます。

  イエスさまに人々は従い栄えていき、ヨハネは廃れていきました。しかしそれは、ヨハネの望んだことです。

  暗く寒い夜が終わり、明るく温かい太陽が昇ります。

  クリスマスは、この太陽が昇る喜びをお祝いする時です。

  お祈りをしましょう。


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