友達の母ちゃん
友達の母ちゃんが死んだ。
乳がんで死んだ。
見つかった時にはもうステージ4で長くは無いと言われてた。
それでも1,2年死ななかった
でも昨日死んだ。
昨日、塾で自分が居眠りしてる時に死んだ。
でも友達の母ちゃんが死んでも、
恐ろしいくらいに世界は何も変わらなかった。
寝たら朝は来るし、腹は減るし、塾の先生は怒ってるし、
ほんと、何も変わらなかった。
その友達ってのは異性で、別にめちゃくちゃ仲いいわけやない。
でもうちのママはそのお母さんと仲が良く、お世話になってたらしい。
凄い悲しがってた。
ママはずっと起きてた。
お通夜にいってた。
お葬式には自分は行かなかった。
友達に合わせる顔がない、と思った。
来てくれた方が嬉しいのかなとか色々考えたけど、その友達は離婚してて、そんでママも死んだんやからもうピンチよほんとピンチ。
今は姉さんの家に祖母達と住んでるらしい。
こっちは母も父も居て、皆健康や。
あー、これからどうやって生きていくんやろう。
絶望なんやろか、。
あのあっかるい性格はお母さんを心配させないようにか、とか考えてたら
もう夜になってた。
最近の夜は光にカメムシが寄ってくる。
気持ち悪いったらありゃしない。
カメムシの寿命はどんぐらいなんやろか。
調べてみようと思ったけどだるいからやめた。
友達の母ちゃんが死んでも、テレビ千鳥は見るし、忘れてたサブスクもちゃんと解約できたし、コナンの映画もみた。
テスト4日前だから勉強もした。
でもなんとなく塾には行けんかった。
てかこんな日は行かんくてええやろ!
そう思ってたら
塾の高校生LINEに先生のブチ切れメッセージが来てた。
「高校受験の子より、大学受験の人達が一日でも多く来んでどうすんねん!
舐めてるんか?人生。 受かりませんよ。そんなんじゃ。高校生部屋も消します。ちょっとやり方変えます。今日は1人しか高3生来てませんでしたよ。
大丈夫ですか?ほんとに」
分かる。それな。たしかに。もう自分って高3なんや、勉強せな、やばいよな、大学とか受からんよな。高学歴がいっーちゅうのにそんなん生半可な気持ちじゃ受からんよな。
でも塾に絶対に来れる前提なのええな。
友達は両親どっちも居らんなってんぞ!
でもそんなもんや。
所詮、人の死なんてそんなもんなんや。
コナン見ててもそう思うもん。
人生において辛い時期ってこれからもあると思う。
でも今までの人生辛すぎる。辛いことが多すぎる。
自分の未来とか分かるわけないけど、多分17が1番辛いで。なんかでも書いてたもん。15が辛かったとか、なんか、しらんけど、
でも、そうやって慰めてくれんとこっちメンタル死ぬんよ!
本当は今日は1年会ってない大学生の兄貴に会う予定やったんに。
何死んでんねん!
なに、悲しませてんねん、
なに、子供置いてってんねん!!!
どうすんねん!これから!!!
自分死ぬの怖くないとか、死にたいとか全然思いよったけど、人死んだらこんな気持ちなるんや、
今も死ぬのは怖くないけど、自殺だけはせんようにしよう、
そう思った。
自分が死んだとこで、世界は何一つ変わらへん。
びっくりするほど、変わらへん。
だって周りの人間はそれを知らないもん。
死ぬとか、そんな稀な大イベント、無いもん。
そりゃそうや。
誰が人が死んだ設定で生きてんねん!
ほんとそうや。
周りの人間は人が死んだことを知らない。
そして私も言わないから、
塾の先生からしたら
ただ塾をGWにサボった高3生にすぎない。
友達の母ちゃんが死んだ日、
資料請求で貰った図書カードを使いたくて本屋に行った。
自分の好きな作家さんとか色々みて回った。
住野よるさんとか湊かなえさんとか、
でもほとんど読んだことのある本だった。
ちなみに自分のお気に入りは「また同じ夢を見ていた」
衝撃的な作品だった。
初めてこの本を見たのが中2で、もうだから、4年前? って2020? まじか、 はっや、時が経つのはっや、
こうやってあっという間に時って過ぎていく。
友達の母ちゃんの死も忘れられるかな、
いや、忘れたらあかん!
あの人の生きた証なんやから!
数少ないあの人の記憶を忘れたらあかん!
たとえそれが死んだ日の記憶でも、なんか、あかん気がする。
私は友達の母ちゃんが死んだ日でも、
またお気に入りの夢が見れますようにと
願いながら眠っていった。
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