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【騙されないで!】IPOって何?

 最近はよくネット広告が流れてきますが、『初心者でも絶対に損をしない投資法をお教えします!ぜひLINE登録を!』などと投資に詳しくない人や初心者を対象にしていると思われる怪しいものが多いですね。有名人を無断で使っていたり、流れる日本語がカタコトだったりとなんだか混沌ですね…

 以前も少し触れましたが、まともな証券ならば『絶対儲かる』などの文句は使いません。投資に絶対などあり得ませんまし、本当に誰でも儲かるならば人には教えないでしょうね。

 そんな怪しい広告の中には『負けないIPO投資!』という宣伝を見かけました。

 今回はIPOについてご説明します!

IPOとは?

IPOとは『新規株式公開』のことです。

 新しい会社を立ち上げるときは出資者の比率で株式を発行します。仲間同士で立ち上げるパターンで見てみると仲間が互いにお金を出し合い、金額に応じて会社の株を保有します。最近ではクラウドファンディングなどで多くの人に出資を募る例もありますが。

 会社が成長して大きな設備が必要になってくると、会社は株を増やして新たな出資者を募ります。これを増資といいます。

 さらに事業が拡大すると会社は証券取引所に株式を上場して株券を大量に発行し、誰でも購入できるようにします。これが、新規株式公開(IPO)です。

 要するにこれから市場で買えるようになる新しい会社の株です。

超重要⁈幹事の役割!

 このIPOで重要な役割を果たすのが幹事となる証券会社です。新規に上場する株式は、売り捌くため複数の証券会社に割り当てられますが、その中でも中心となって面倒をみる証券会社を主幹事証券と呼び、幹事となるのです。

 主幹事証券の重要な仕事は、上場する株を公開前に投資家にいくらで買ってもらうかを決めることです。この価格を公募価格といいます。まだ上場する前の株ですから、もちろん値段がありません。ですから主幹事証券は「この会社が上場したらいくらで買いたいか」と投資家のニーズを調査して、価格を決めるのです。

 このように株価を決めるやり方を『ブックビルディング』といいます。

どうしても欲しい!理由

 さて、株価が決まり販売が始まるわけですが、主幹事証券からすれば自分達が担当した会社の新規上場株は、株を公開した瞬間に値段が上がってくれた方が自分達だけでなく投資家もハッピーですよね。

 そこで、公募価格が上がりやすいように最初の価格設定を低めに設定することが多いのです。

 もちろんあまりにも安売りしてしまうとそれだけ企業は資金が集まりませんから、あまりにも現実的ではない値段では出しませんが…

 しかしそんなわけでIPO株は公開されたと同時につく最初の値段(初値)が公募価格よりも上がる場合がほとんどなのです!

 タイミングよく公募を見つけてそこに名乗りを上げて株を手に入れられれば、儲かる可能性がそれなりにあると言えます。

 例えば、2023年に新規公開したジーデップアドバンス(5885)は公募価格が4,510円だったのに対して初値は10,680円でした!倍以上ですね!

 同じく2023年に新規公開したグリッド(5582)は、公募価格が2,140円だったのに対し、初値は6,400円とおよそ3倍になりました!

 あくまでこれは一例であり全ての企業のIPOがこのようになるわけではありませんが、それでもこれだけ値段が上がる銘柄はなかなか見つかりませんから、投資家は「どうしても欲しい!」のです。

公募価格で手に入れるには?

 ではどうすれば公募価格で手に入れることができるのでしょうか?

 最近はほとんどがブックビルディングに参加した投資家へ割り当てられています。

 まず主幹事証券が仮条件の価格帯を提示します。そして、その価格帯で購入すると手を挙げていた投資家に株が割り当てられるのです。
 ただし、IPOの性格上、毎回多くの投資家が手を挙げるため、抽選になる場合が多くなっています。経験や実力ではなく、運が重要なのです。

詐欺に気をつけて!

 いかがでしょうか?IPO株は非常に魅力的な投資商品ということがわかっていただけましたでしょうか?

 これで『初心者でも絶対儲かるIPO投資!』という広告には引っ掛かりませんね!そもそも抽選に参加して当たらない限り手に入らないのですから。

 ちゃんとした主幹事証券であっても先に投資家からお金は集めません!投資家がお金を払うのはIPOの抽選に申し込んで当たった後です!

 注意したいのは、先にお金を払ったからと言って当たりやすくなったり必ず当たる訳ではありませんから、詐欺師に騙されないように気をつけてくださいね!

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