【第二十三話】朝陽と盲目

何故か私は、どうにかしたい感情をなんとか形にした翌日に、それら全てを破壊したい気持ちになってしまう癖、というかそういう性質があるらしい。
破壊とまではいかなくても。
恥ずかしくなってくるとか、そういうわけでもなくて。
知らない、いらない、興味ない。
どうでもいい。
急に興味がなくなる。
全てはそうしてフィクションになっていく。
誰かに自分の願いをとか、僅かでも影響を残せるものを作りたいとか思っていながら。
私自身でさえ、自分の思想に興味が無くなる。
しかもそれが何故なのか全く理解していない。


今気づいたが。
だから、人のことが理解できないのだ。そして、「思いやりがない」と言われてしまうのだ。
つまり自分のことを理解できない奴が人のことを理解しようなんて到底無理な話なのだ。私はいつまで経っても人の内面に鋭くなれない。
心象、思想、世界観。
自分のそれを隠すのは下手で、なのに人のを見抜くことはできないでいる。
勿論それは、人と一緒に過ごす上でそんなサスペンスのような技術は必要ないと思って生きてきたからであって、だからその能力が退化している、というのは間違いない。
木の上で暮らすナマケモノが走れないのと同じである。
それが理由の一つにあったとしても、やはり自分に真面に向き合えない人間が他人に向き合って何がわかるんだろう。
もうそろそろ進化しなくてはならない。
いつまでも野暮な自分ではいられない。
きっともう許されない。私が許さない。

少しずつ向き合っていかないといけない、それから人と話さなくてはならない、
自分以外の存在から教えてもらわなくてはならない、と思った。
自分と世界の関係性から目を逸らしてはいけない。
何が大切で、何を見なくてはならないのか。
この問いをきっと忘れてはいけない。

久しぶりの投稿になりましたが読んでくれた人がいたらありがとう。
身の回りに体調を崩す人が続出しております。どうかご無理なさらず、快適で美しい初夏をお過ごしください🍃

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