10号室の41番!

これが私の留置所ネームである。

初めての取調べが終わり、留置所(留置場?)には窓の外が暗くなってから入った。
留置所は警察署の地下(半地下?)にあった。
また違う場所に護送されるのかと思ったら違った。

入る前だったかに身体検査を受けた。
小さな部屋に女性の刑務官(と言うのか?)が2人。朝、我が家に来た女性のマトリ達と違って刑務官の1人は明るめの茶髪だった。

持ち物(財布・上着・下着2~3枚・スウェット上2枚・紐がないスウェット下2枚・靴下3~4足・フェイスタオル1~2枚・眼鏡・ピアス・下着やスウェットetcを入れてきた紙袋)を渡し、財布の中身をチェック。
給料日前で私の財布には確か2~3000円しか入っていなかった。
そして念入りにスウェットに紐がないかチェック。本当は紐があったのだが警察署に護送される前に女性マトリ達に「紐は駄目だから取るね!」と言われウエストの紐を取られた。ダボダボのスウェットなのでユルユルだ。
あと下着も「ブラジャーは駄目なの。パンツもレースは難しいかな?」と言われ生理の時にしか履かない綿100%のデカパン1枚とサニタリーショーツ2枚ぐらいしか持って来れなかった。だがサニタリーショーツに付いていた小さなリボンとウエストを縁取る小さなレース付きのゴムが駄目だったらしく、私の下着は綿100%のデカパン1枚だけになってしまった。
上着やピアスや紙袋はこの場でプラスチックのケースに財布と共に仕舞われ「これ預かってますよ(正式名称は忘れた)」と言う内容の書類にサインと拇印をした。

そして全裸になりボディーチェック!
だいぶ前に読んだ漫画「RAINBOW 二舎六房の七人」のようにガラスの棒を私の大切に守ってきた可愛いアナルに入れられるのかとビクビクしたが、そんな事はなかった。アナルの平和は守られた。
刺青や何かしらの傷痕がないかチェックして終わり、警察署に来るまでにつけていたブラジャーとパンツ(レースのパンツ)を渡し、何故か私が持って来た物ではないきっと先住民達が履き古したであろうウエストも足の部分もゴムがユルユルで股に謎のシミがついた白いデカパンを渡され渋々履いた。
そして持って来たスウェットも「あぁ~、紐が通ってた穴を縫ってないから駄目だわ。」と言われ、上下とも先住民達が着古したスウェットを渡された。スウェットぐらいなら別に気にしないが、パンツはさすがに心が折れた。何だか急に股が猛烈に痒くなった気がした。
靴下だけ自分のでOKだったので「少しでも気分が和むように!」と願いを込めて持って来た某サンリオの某猫の靴下を履いた。

そしてついに檻の中へ・・・。
入るにもかなり厳重なシステムがあり、ボディーチェックが終わり部屋を出るとマッチョAが待っていた。
「ここ寒いでしょ?大丈夫?」
あぁ、あなたはどこまでも優しい!!
もしや神か?・・・いや、マトリだ!!

そしてマッチョAが分厚そうな鉄のドアの前に立ちノック(だったか?何かしらのサイン)をすると、ドアの小さな覗き穴から恐らく男性が目だけを覗かせマッチョAに何かしらのサイン。
それからマッチョAに「壁向いて。はい、こっち向いて。」みたいに目視のボディーチェックをされ手錠を外され(確かここで外したはず!)、いざ留置所!
ここからは佐藤二朗似の男性刑務官(以外ジロー)にバトンタッチ。

カーテンに仕切られた檻(と言う言い方が正しいかは分からないが)がありジローが「今あなたの他に男性入ってるから、お互い目にしないように毎回こうやってカーテンで目隠しするんだよ。」と教えてくれた。
そして私の檻はたまたまなのか女性で入ってる人が誰もいなかったようで1人部屋ならぬ1人檻であった。

「あなたは今日から10号室の41番です。名前では呼びません。41番と呼ばれたら速やかに返事をしなさい!分かりましたね?」ジローは急に偉そうになった。
とりあえず「はい!」とデカ目に返事をすると、カーテンで仕切られた檻(以下カーテン檻)から「お~い!!」と男性の声がしてビビっていると、カーテン檻の近くにいたマッチョ刑務官がカーテン檻に向かって「静かに!!」と注意していた。
ジローは小さく舌打ちをしていた。
実際には私の檻とカーテン檻は、壁と言うか角を曲がらないと通れない構造になっていた為、何かの拍子にカーテン檻の住人を見る事は一度もなかった。

檻に入って「あ~ぁ、これからどうなっちゃうんだろう?仕事はクビだろうし、そうしたらマンションも住んでられないだろうし。それよりも相方にも親にも連絡してないけど、事故とか家出とか勘違いして心配してないかな?あ、リビングの電気消したっけ?ガスの元栓は?」etc色々考えていると、檻についたドアの下の窓から見るからに粗末な弁当と箸とプラスチックのコップに入った水を差し出された。
「ちょっと遅くなったけど、夕飯だよ。」
弁当を持って来たのは白髪頭の優しい目元が印象的な刑務官(以外オジ)だった。
メニューは確か白米・ショッキングピンクの漬物・コロッケ・レタス・ポテトサラダだったと思う。
朝から何も食べていなかったが修羅場続きで食欲なんてわかなかった。
それに檻の中が何か臭い。マジで臭い。公衆便所の匂いがする。こんな場所で飯は食えない。
しばらく弁当を見つめてボーッとしていると、オジがソースと醤油を持って現れた。
「かけるかい?好きなだけかけて良いよ。」と笑顔で言ってくれたが、自業自得なのにやさぐれていた私は「食欲なんてありませんよ!」とプチ反抗期になって言い返すと「食べないと後で辛いよ?食べなさい?ね?」と心配そうに見つめてくるので「・・・じゃあソースで。」と言いソースをかけてオジにソースを返すと「今日はゆっくり食べて良いよ。」と言って去っていった。
檻は臭いし弁当は不味いし冷めていたけど、涙と鼻水で顔面をグチャグチャにしながら残さず食べた。
ショッキングピンクの漬物とか普段絶対捨てるけど食べた。食べなきゃいけない気がした。
何でこんなに泣けたのか分からないが、泣いたら少し落ち着いてスッキリした。

夕飯を食べ終わってしばらくして、檻を探検した。(と言っても四畳半ぐらいだが)きっと動物園の熊みたいにウロウロしていたと思う。
檻の中は畳敷きで、ドア側と反対側が柵になっていた(だから檻と呼んでいる)
柵には細かいフェンスと言うか網が付いていて、プリズンブレイクとか海外ドラマや映画みたいに檻から腕を伸ばしたりは出来ない。
そしてずっと気になっていた悪臭の根源、便所。和式タイプだ。
一応壁はあるが排泄中に頭が見える位置からは曇りガラスになっており、ドアはない。中華式か?
そして公衆便所みたいな小さな手洗い場が付いている。
トイレットペーパーホルダーはなく、使いかけのトイレットペーパーがタイルの床に直置きされていた。
トイレットペーパーの横に小さな箱を見つけ、見てみると生理用ナプキンとオリモノシートがあったので光の速さでオリモノシートを付けた。股の痒さがマシになった気がした。
そして檻の隅に手作りのダンボール箱のゴミ箱があり、「燃える」「燃えない」と書いてあった。
檻の中はこれぐらいだ。他に何もない。

何もする事がなくなり畳にゴロンと横になっていると「41番、洗顔行くよ!」とオジが呼びに来た。
言われるままに着いて行くと林間学校とかの洗面所みたいな横長の洗面所に連れて行かれ、新品の歯ブラシと使いかけの歯磨き粉(ガードハロー)と石鹸ケースに入った使いかけの固形石鹸とプラスチックのコップと持参したフェイスタオルを渡された。とりあえず歯磨きと洗顔をした。
終わると「布団を出すよ!」と言われ、薄っぺらいシミだらけの小汚い布団セットに子供用かと思うぐらい小さな枕を渡され檻に戻された。
布団の敷き方を教わり(と言っても布団を敷く向きや枕の位置があるくらいだったが)「もうすぐ就寝だから眼鏡預かるね!」と言われ眼鏡を渡した。
私は警察署に来る時に女性マトリ達に「あなたそれコンタクト?裸眼?」と聞かれ「コンタクトです。」と答えると「眼鏡ある?コンタクトは駄目なの。」と言われコンタクトを外し眼鏡をかけた。
「ケースはある?」と聞かれたがいつも決まった場所に直置きしていて眼鏡ケースの場所が分からず、10分くらい探したが見付からず焦っているとマッチョBが「もう諦めなさい、行くよ。」と少しイラついた感じで声をかけて来たので諦めて警察署に向かった。
なので留置所にいる間は刑務官達が私の眼鏡をティッシュに包んで仕舞ったり渡したりしていた。

電気を消され、いざ布団に入ると「夕飯の時に泣いたから落ち着いた!」何て全然嘘で「もうきっと相方にも親にも友達にも見捨てられる・・・。それなら死ぬしかない・・・。」と、有り得ないぐらい精神的に不安定になり布団に頭を隠して号泣した。
しばらくすると見廻りの刑務官(眼鏡がないし暗いし誰か分からない)が来て「布団に潜らないで~。顔だして寝て~。」と言って来たので天井を見つめながら静かに泣いた。
「泣き疲れたら寝れるかも?」と思ったが、気付いたら外(はっきり檻からは見えないが近くに窓らしき物があった)が明るくなって、結局一睡も出来ずに朝を迎えた。

とりあえず初日はこうして幕を閉じた。
次回からは留置所の詳しい一日の時間割(?)や留置所での生活、セクハラ刑務官と癒し系刑務官について書いていきたいと思う。

※犯罪を助長するつもりはないので、今後入手方法や経路etcを詳しく書くつもりはありませんし、仮に入手方法や経路を見つけたとしても絶対お勧めしません。

使用感etcの正直な感想も載せる予定でいますが、一個人の感想ですし、日本は違法国!

やりたい方は合法国に行きましょう!

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