6/20 競争力CA-外国人観光客に対する観光地料金の値上げについて

今回は「外国人観光客に対する観光地料金の値上げについて」立論者は反対の立場、ゼミ生は賛成の立場で議論を行いました。

【記事】

毎日新聞「姫路城、外国人観光客の入城料値上げ検討 市民との価格差25ドルか」

兵庫県姫路市の清元秀泰市長は17日、姫路市内で記者会見し、世界遺産・姫路城(姫路市)の入城料について、外国人観光客を対象にした値上げを検討していると表明した。外国人観光客に限って4倍程度の値上げを検討していることを明らかにした。清元市長は会議で、「(姫路城は)7ドルで入れる。もっと値上げしようかなと思っている。外国の人は30ドル払ってもらい、市民は5ドルくらいにしたい」と述べた。またその他にも富士山において、今夏から、吉田ルートで登山者数を規制し、通行料を徴収する。富士山の清掃活動に長年取り組んでいる登山家の野口健は「海外の山では自国民と外国人で値段が違うところもあるので、私は日本人1万円、外国人3万円くらいが良いと考える」と述べている。
 そこで今回は「外国人観光客に対する観光地料金の値上げ」というテーマでCAを行いたい。立論者は「値上げすべきでない」という反対の立場から立論を行うので皆様は「値上げすべきである」という賛成の立場でお願いします。

前提条件

日本人の値段はそのままで外国人観光客の料金を値上げする(日本人を優遇するというよりは外国人観光客の値上げのみを行うイメージで)

前提確認

Q.在日外国人はどうするか?
A.観光客でないので関係ない、パスポートなどで判断する

【意見・論点】

1.二重価格が違憲になる可能性
→日本国憲法の「法の下の平等」は外国人にも適用される。外国人観光客のみ、強制的に徴収される入場料を値上げするというのは国籍を理由とする不合理な差別は憲法違反だということになる。
※詳しくは下記URLを参考にしてください

QAなし

2.外国人観光客に対する差別
→外国人観光客と判断する際、人種、肌の色、髪の毛の色などで確認するのは差別的に感じる人もいる。また外国人観光客とは日本に来ている「お客様」である。昨今インバウンド需要で増えて、来ていただいたお客様に対して、「高い金額」を払わせるのは差別につながりかねない。その他にも外国人観光客自身も、「私たちのみ高い金額」というのは不快感を覚えるだろう。

Q.エジプトのピラミッドとかでは料金が分けられている。分けたところで大した印象はない
A.最初から分けているならいいが、名目がないのにただ値上げするのは差別になる
Q.値上げして差別になるとはどういうことか
A.値上げ自体には差別はないとしても判断する際に差別が起きる。見た目で判断することが差別
Q.パスポートを携帯しないといけない法律がある
A.パスポートを出したことで値上げされるとギャップがあるそれが差別

3.円高になったときの可能性
→2023年時点で在日外国人旅行消費額は5兆2923億円と過去最高の金額である。その要因となっているのは水際政策が緩和されたこともあるが、円安も起因する。しかし、日本が円高になると、「安くて楽しめる」がなくなる。一度値上げしたものを下げることは難しいと考える。

Q.本当に価値があれば値上げしても外国人は来るのではないか?
A.外国人のみに高い金額を払わせるのはおかしい、維持費がたりないなら一律で上げればいい
Q.それぞれの言語表示パンフレットなどで対応すればいいのではないか?
A.最初から導入できているなら良いが、導入して何かが変わるのか?
QWi-Fiの問題、外国語のパンフレットが現地に無い場合はインターネットで調べる
A.必要なところもあるが、不要なところで値上げを真似して日本人ブランドが下がってしまう可能性がある。
Q.コロナ以降日本人の海外渡航が増えた、円安でも海外に行くので問題はないのでは
A.コロナ時期にいけなかったから今増えてるだけでは?問題なのは日本ブランドが下がること、長期的なダメージがある
Q.日本ブランドが下がることが観光客が減少することは大した問題でない。一人当たりの値段が上がるなら減っても問題ない。また、減ることで観光公害を軽減させられる。
A.いつまで円安で外国人が来やすいかが問題になる。何十年後の日本ブランドを維持することが重要なのではないか。
Q.日本人の1000円と、外国人の1000円は為替の関係で価値が違う、逆に少し値上げして同じ価値にするべき
A.どの為替レートで合わせるかが難しい

その他QA
Q.外国人は免税があるから、別のとこで料金をとっても問題ないだろう
A.免税だから値上げするは理論にかなっていない


【反論・再反論】

1.海外では「二重価格」は一般的ある(例 タイのワット・ポーの入場料はタイ人が無料に対し、外国人は300バーツ(約1250円)かかるなど)
→最初から二重価格を導入しているのならば、観光客は差別に感じないだろう。しかし円安によって、外国人観光客増えたから値上げするのは、意見論点2で述べたように、差別や不快感を観光客自身が覚え、再訪がなくなる可能性がある。また東京オリンピックの時に見せた「おもてなし」の心に相反するものである。

Q.おもてなしの定義、お金にクリーン、先進国なのになめられているから強気に行くべき
A.将来もずっと強気で行けるのか?今強気に行くことで日本人が傲慢になる可能性がある

2.値段を一律に上げて、日本人を値下げればいい(海外の人ではなく、マイナンバー等で日本人確認を行う)
→デジタルの確認となり、今の日本のデジタル環境でできると到底思えない。(日本のデジタルにおける個人情報漏洩の多さやデジタル庁の不甲斐なさ)またこの制度を導入するとして、それぞれの市がわざわざ機械などを購入することとなり、初期コストがかかり、オペレーションの多さが増加し、職員の負担増加にもつながる。

Q.どうやって日本人に告知するのか
A.値下げしますよ看板を置いとけばいい
Q.免許証などを出すだけなら大した手間ではない
A.免許証を持っていない人、小さな子供などは本人確認が難しい
Q.券売機で選択言語で外国語を選択したら料金が表示されるで良いじゃないか
A.日本語が分かる外国人ならどうか?

【先生からのコメント】

前から言っているように、取れるものは取る。観光客からとっても、観光客は来る問題なのはどうやって判断するかであり、ダブル(ハーフ)など人類の多様化などが根深い問題となる。また、インフレスパイラル(正の経済サイクル)=日本国民を含めた経済成長策が弱いことが問題。

【参考文献】

毎日新聞「姫路城、外国人観光客の入城料値上げ検討 市民との価格差25ドルか」2024年6月17日

https://mainichi.jp/articles/20240617/k00/00m/040/247000c

読売新聞オンライン「姫路城の入場料、外国人観光客のみ「4倍に」検討…現在は18歳以上1000円」2024年6月17日

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240617-OYT1T50025/

読売新聞オンライン「野口健さん「富士山の通行料は日本人1万円、外国人3万円がいい」…登山者規制を評価」2024年5月23日

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240523-OYT1T50019/

Yahooニュース「インバウンドで「二重価格」待望論、外国人観光客に高額料金は差別か?」2024円6月15日

https://news.yahoo.co.jp/articles/a5250ce0b132e6c2a6c0eef01ad25c799825f7a0

TBSNEWSデジタル「海鮮丼が1万円超…“インバウンド価格”に日本人が困惑 「二重価格」の導入は必要?」 2024年2月14日

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/999473?page=3



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