海外の子どもたちに大人気のアプリCapCut。その理由をα世代の息子に聞いてみた。
動画制作なのに、ソーシャルメディア?
少し前になりますが、こんなブログ記事がありました。
「CapCutはα世代のソーシャルメディアになりそうな理由」
アメリカ在住のマーケティングコンサルタントの男性が書いた短い記事でしたが、最近息子がCapCutにハマっていることもあり、ちょっと気になる内容です。
息子の通うインターでも大人気のCapCut。子供達は動画をどんどん作って自分のYouTubeチャンネルにアップしたり、授業のプレゼン資料に盛り込んだりと、それはそれは自在に使いこなしています。息子も流行りの猫ミーム動画などを作って見せてくれたりしていましたが、私自身は「動画制作を簡単にできるアプリ」という雑な認識止まり。
けれどもデジタルネイティブ最強版と言われるα世代(2010年〜2024年あたりに生まれた世代)から支持されるアプリ。きっと理由があるに違いありません。
α世代(息子)にインタビュー
CapCutが誕生したのは2020年。提供しているのはByteDanceで、つまりTikTokを提供している中国企業です。ローンチからわずか3年あまりという期間での成長ぶりは凄まじく 2023年8月時点で、世界中のユーザーは4億9000万人に上るとか。2024年からは条件付きで商用にも使用することが可能になり、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いです。
そこで実際にユーザーである息子になぜCapCutが人気なのかをインタビューしてみました。
ーーCapCutってみんな使ってるんでしょ?
うん。みんな使ってるね。
ーー動画をつくるのが簡単だから?
うーん。簡単っちゃ簡単なんだけど、そういうことだけでもないんだよなあ。
ーーどういうこと?
動画をつくるだけなら他のアプリでもできるわけ。でもCapCutの場合、こうやって一般の人がつくったテンプレートが公開されてて、なんでも自由に使っていんだよ。自分で作ったやつをみんなに使ってもらうこともできるし。
ーー自分で作ったテンプレートをみんなに使ってもらうのってなにがいいの?
なんか楽しいじゃん。あと、ここを見て。YouTubeとかインスタとかTikTokとかのボタンが並んでるでしょ。作った動画はこのボタンを押せば自分のチャンネルにすぐに流せるわけ。ぼくはやってないけど、友達とかはこれでじゃんじゃんYouTube動画を作って投稿してるよ。
つまり、息子の意見では、動画を簡単に作れるだけでなく、人の作品をつかってコラージュ動画を作ったり、それを友人同士でシェアできるまでをアプリ内で完結できるのがいい、ということらしいのです。
そう考えると、たしかにソーシャルメディアですね。制作ツールとしてだけでなく、UGC(ユーザージェネレイテッドコンテンツ)の増加も促進し、コミュニケーションツールにもなる。恐るべしByteDance。
動画スキルは必要だよね
ただ、このCapCut。TikTok同様、個人情報漏洩や著作権問題などの懸念から使用を危ぶむ声もあります。また、実は12歳以上の使用を推奨されており、小さい子ども向けのアプリではありません。これも無尽蔵に広がるコンテンツのなかには子どもには不適切なものもあるので、たしかに子どもの使用には危険性もありそう。
とはいえ、動画制作のスキルは今や表現手段の一つとして、大きな存在感を放っています。どうせ動画を見てしまうなら、作る側になったほうがまだ良さそう。
そんなわけで、小さいときから動画制作に慣れ親しんでおくことは悪いこととは思えず、その入門編として親が管理しつつうまく使いこなせればアリなのではないかと個人的には思っています。