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ちょっとだけ節税上手になろう
はじめに
今回のテーマは「ちょっとだけ節税上手になろう」です。
世の中ほとんどの方が節税したいと一度は思ったことがあると思います。しかし、万人に共通する節税策は存在せず、人それぞれが持つその背景にマッチした節税策を選択しなければ失敗してしまいます。
失敗してしまう人がはまりがちな落とし穴はどこにあるのでしょうか?
落とし穴の場所さえ知っていればそこを避けて通ることができます。
今回の記事では節税上手になるために避けて通って欲しい2つの落とし穴をご紹介します。
そもそも節税ってなに?
まずは節税の定義をはっきりさせておきましょう。
私が考える節税の定義は「税の仕組みを活用して、お金を増やすこと」です。
そんなこと当たり前だと思いませんか?お金が減っても良い、とにかく納税額を減らせれば満足という方はなかなかいないと思います。
しかし、現実には気づかないうちにお金が減る節税策を実行している方が数多くいます。それはなぜでしょうか?
落とし穴①視点が近すぎる
例えばスクリーンから1メートルの距離で映画を見るとどうなりますか?
映画全体を見ることは困難でしょう。そのため自分の興味がある部分のみを追いかけながら見ることになります。結果としてクライマックスへの布石となるような重要な部分を見落としてしまいます。
節税も同じです。視点が近すぎると納税額しか見えなくなります。納税額しか見えないため、納税額が減れば良い節税策だと錯覚してしまいます。結果的にお金が減っていることに気づくことができずに。
意識的に引きで見なければお金全体の流れが見えません。「税金」ではなく「お金」という大きな括りで節税策を眺めてみましょう。つまり必要なのは「俯瞰」です。
節税策のスタートとゴールを比べていくら銀行残高が増えるか。そしてそこに至るまでのストーリーが大切です。
落とし穴②人間は損が大嫌い
2002年カーネマン氏らがノーベル経済学賞を受賞したプロスペクト理論というものがあります。その中で利得と比べて損失は約2倍心が揺さぶられるという人間の心理的傾向が明らかにされています。
10万円得をする喜びと10万円損をする痛みでは、どちらが心揺さぶられますか?
0円からの距離はどちらも同じはずです。しかし多くの人は損をする痛みに2倍の反応を示します。
節税にもこの心理が影響しています。稼いだお金を奪われたくない(納税したくない)という気持ちによって納税額が本来の価値以上に過大評価されてしまうのです。
その結果、合理的に考えれば実行しないような節税策へ投資してしまいます。
人間にはこんな思考癖があるということを意識しておくだけで、お金を減らす不合理な節税策を回避できる可能性が高まります。
納税したとしても結果的により多くのお金が残ればOKです。納税への嫌悪感に駆られてお金を浪費することは避けねばなりません。
まとめ
節税とは「税の仕組みを活用して、お金を増やすこと」です。
あくまでも税の仕組みは手段で、お金を増やすことが目的という関係です。
ここで挙げた2つの落とし穴「近視眼」と「損失回避性」にはまると目的を見失います。目的を見失った節税民は格好のカモにされてしまいます。
損失回避の心理的傾向があることを織り込んだ上で、意識的に離れたところから節税策全体を眺めてください。
きっと節税に対する選球眼が少し良くなると思います。
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