神制度!中小企業こそ社宅で節税と資産形成
はじめに
社宅制度と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
大企業の福利厚生、単身赴任、節税etc、人それぞれ様々なイメージをお持ちかと思います。
本記事では社宅の「節税効果」についてご紹介します。
社宅制度は大企業だけが導入できる制度ではなく、中小企業でも十分に活用できる制度です。社宅制度を導入できる土壌があるのに導入していない会社は、はっきり言ってもったいな過ぎます。
経営者としてのポリシーに反するなどの理由がなければ、是非とも一度ご検討ください。
社宅制度とは
社宅制度とは端的に言うと「役員や従業員の住居を会社が用意する制度」です。
会社が住居を用意し、役員や従業員は会社へ家賃を支払います。
住居は会社所有でも賃貸でも社宅制度を使えますが、中小企業のほとんどは賃貸を利用していますので、この先は賃貸を前提とします。
必要な手続きは次の2点です。
・不動産オーナーとの賃貸借契約を会社が結ぶ
・適正な家賃相当額(通常は時価よりかなり低額となる)を個人から会社へ支払う
小さな手間で大きなキャッシュを残せる制度が社宅です。
社宅の節税効果
社宅の節税効果はざっくり言えば次の算式となります。
(物件オーナーへの支払家賃-個人の家賃負担額)×税率
要するに自宅家賃の一部が会社の経費となるため、その分の税負担が減るというわけです。
家賃月額20万円
家賃負担額5万円
税率30%
と仮定すると年間54万円の節税になります。これが毎年続くのが社宅制度の節税効果です。
社宅で効率良く資産形成
会社経営にあたって重要かつ難しい課題は、会社で稼いだキャッシュをいかに税負担少なく個人へ渡していくかです。
この課題を解決するひとつの手段となり得るのが社宅制度です。
人が生きていく上で住居は必須であり住居費は主要な生活費です。この住居費を会社で支払うのか、個人のポケットマネーで支払うのか。
どちらが個人にキャッシュを残せるのかは明白です。当然ながら会社で支払う方です。
住居費を会社で支払ってもポケットマネーで支払っても個人の納税額は変わりません。しかし、家賃支払い後の手取り額という観点から見ると次のような違いがあります。
・納税後の手取りから家賃20万円を物件オーナーへ支払う生活
・納税後の手取りから家賃5万円を会社へ支払う生活
両者の違いは年間180万円。社宅制度を活用すれば税負担を増やすことなく毎年180万円のキャッシュを個人の通帳に貯められます。
キャッシュを稼いでも会社の預金通帳にある限りは会社のお金です。社宅制度を活用して稼いだキャッシュを個人の通帳へ効率良く受け渡していきましょう。
導入にあたっての注意点
社宅制度の導入にあたっては2点注意が必要です。
・社宅の床面積
・社宅の設備
社宅の床面積が広すぎる場合は、個人が会社へ支払う適正家賃が高額に算定されるため、社宅制度の効果が減少します。
プール付き社宅など豪華な設備がある社宅も同様に適正家賃が高額となるため効果がありません。
詳細は国税庁ホームページに記載されているので、そちらをご確認ください。
おわりに
日本の税制は非常にうまく構成されており、キャッシュが増えるところには必ずと言って良いほど課税が存在します。
社宅制度は数少ない例外です。社宅制度は小さな手間で大きな効果を得ることができますので、導入できる環境が整っている方は是非検討なさってください。