FF7リメイクはセクシズムを取り除けるか?

http://www.themarysue.com/remake-final-fantasy-vii-without-the-sexism/

英語圏のギーク女子向けの情報サイトに投稿された文章…で、いいのかな?

FF7のリメイクに寄せて、無印でのセクシズム描写を問題視しそれを是正してほしいと願う文章のようだ。日本では見掛けない視点で面白い。

特に『Yuffie’s culture should be celebrated and more prominent』の部分は面白い。日本ではあまり見ない視点。えーと多分発売当時のユフィは単なるコギャル扱いだったと思うんですが…。どうやらこの人は故郷の再興を願うユフィの行動をグローバル化に対抗する少数民族の誇りの問題として捉えているようだ。多分制作者はそこまで考えていないよ!と思うけれど。そういう見方もあるのかー、と思って面白い。確かに神羅という巨大企業が支配するFF7の世界観は、グローバル化と新自由主義により貧富の差が強化された現代社会に即しているとも言えるのかもしれない。

ただ、シエラとシドに関する部分ではあまり賛成できないかもしれない。私は無印でのシエラの従順な態度は過去のロケット発射失敗においてシドの夢を奪ってしまったという負い目からだと思うし、最終的にシドはシエラこそが正しかったと知り反省しているのだから。シエラは優秀で自立した女性であり、出て行こうと思えばいつでもできた訳であり、決して一方的にシドに虐げられていたのではないと思う。まあ、シドにはシエラにしっかり謝ってほしいという気持ちも分からないではない。

つくづく最終決戦前夜のあの描写は手抜きだよなーと思う。クラウドとティファのどうでもいいような(そして作品全体の流れから浮きまくりの)会話ではなく、仲間達それぞれと大切な人との最後の夜の様子をつぶさに描けばよかったのに。その中でシエラを素直に愛するシドも描けばよかったのに。

シエラと言えば、シエラに対するエアリスの態度もかなり好き。同性だからといって無条件に庇いたてる訳でもないというのが面白い。エアリスの、こういうクールというかドライというか、そういうところも好きだなー。つくづく何から何まで魅力的なキャラクターだと思う。

この文章の中ではエアリスについては「このゲームの中でセクシャルに描かれていない数少ない女性キャラクター、暴力的ではない力を持ち文化への尊敬を持つ」というふうに描かれている。そのエアリスの扱いが改善される事がリメイクに対する希望だと。

日本のネット上では創作物についてフェミニズム視点から語る女性も大分増えて来たが、FF7がその俎上に上げられるのを見ないのは何故だろう。どうも世間では「単なるヒロイン論争」として遠巻きに見られたり、こと女性からは「主人公クラウドの女装やラスボスセフィロスとの怪しい関係」ばかりで、エアリスというフェミニズム的に面白みのあるキャラクターの存在は無視されているように感じる。単に世代がズレているからのような気もするが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?