パニック障がいになりやすい人の特徴とは?

「芸能人がパニック症で休業するニュースをよく見かけるけど、どんな病気なの?」

そう思った経験がある方も多いのではないでしょうか。

パニック発作は、突然に息苦しさや動悸、めまいが起こって、その場から動けなくなり、「死ぬかもしれない」というほどの大きな恐怖を感じる発作です。そんな発作が繰り返し生じることで、生活に支障が出てしまうのです。

パニック発作はパニック症だけで起こるものではなく、うつ病や不安症などでも起こることがありますが、パニック症の中心となる重大な症状です。ここでは、パニック症の原因や症状、発症しやすい方の特徴、発作が起きたときの対処法などを詳しくお伝えします。

パニック症の原因

パニック症の原因はまだ明確ではありませんが、過労や睡眠不足、ストレスなどの環境因子や、遺伝因子など様々な影響が示唆されています。恐怖の感情にかかわる扁桃体(へんとうたい)をふくめた脳の回路の異常があり、そこにセロトニンやノルアドレナリン、GABAなどの神経伝達物質(※)やストレスホルモンも関わっているとされています。

※セロトニンの機能不全は不安やうつ症状につながり、ノルアドレナリンの機能不全は血圧や心拍数の変化などに影響します。

これらの神経伝達物質は本来、状況に応じてバランスを保ちながら働いていますが、そのバランスが崩れることが病気に対して影響を及ぼしている可能性が指摘されています。

パニック症の症状

パニック症は、予期できない突然のパニック発作が繰り返し生じ、生活に支障が出ている状態をいいます。発作を繰り返すうちに、パニック発作→予期不安→広場恐怖の併発と症状が悪化していくことも多いです。

予期不安

予期不安とは、「また発作がおきるのではないか」「次はもっと苦しいのではないか」「次こそ本当に死んでしまうのではないか」と不安や恐怖を感じることをいいます。パニック発作を繰り返すほどに不安や恐怖は強くなり、やがて不安のあまり外出を避けるような行動の変化や、広場恐怖症につながることもあります。

広場恐怖症

予期不安が強まると、パニック発作が起きた場合に「逃げられない」「助けを呼べない」「人前で発作を起こすと恥ずかしい」、そのような状況や場所に恐怖を感じるようになります。これを広場恐怖症といい、その恐怖を避けるために、パニック発作が起こりうる状況や場所を避けるようになります(回避行動)。

具体的には、飛行機や電車などの公共交通機関、エレベーターや映画館などの閉鎖された空間、人ごみのなかなど、恐怖を感じる対象は人それぞれです。広場恐怖症を発症すると日常の行動範囲は徐々に狭まります。悪化すれば外出そのものが困難となり引きこもってしまうケースもあるため、早急な治療が必要です。

パニック発作が起きたときの対処法

パニック発作を起こしたときは、まずは呼吸がしやすい楽な姿勢を取り、できるだけゆっくりと呼吸をして発作が落ち着くのを待ちます。3〜5秒かけて息をはき、3秒かけて息を吸う呼吸法を5分間ほど続けてみましょう。特に、息をゆっくり吐くことを意識してください。(以前はペーバーバッグ法という、ふくらんだ紙袋を口にあてて吐いた息をまた吸うという方法がありましたが、近年は効果や安全性の問題等からあまり推められていません。)

また、発作の症状から意識をそらすことも有効です。例えば、動悸(どうき)がしているとき、どうしてもその症状に意識が向いてしまいます。意識すればするほど、その症状がひどくなる感覚を覚えます。そこで、「数を数える」「歌を口ずさむ」「何かを食べる」などして、症状から意識をそらします。ご自身に合った意識のそらし方を探してみましょう。

また、もし精神科や心療内科で発作が起きたときの薬をもらっている場合は、それを服用して安静にするというのも効果的です。

パニック症になりやすい人の特徴

もともとの性格(病前性格)として、まじめで几帳面、責任感が強い、心配性、良心的でやさしい、依存的で従順、ストレスをため込みやすいといった傾向があると、パニック症を発症しやすいといわれています。

年齢層では、10代から発症する人が出はじめ、働き盛りの20代~30代に多く、なかでも女性のほうが2〜3倍も発症しやすいという報告があります。

パニック症を抱える方が就労する際に心がけたいこと

パニック症を抱えて働くことに対して、「人に迷惑をかけるのではないか」「きちんと働けるのか」といった不安を抱える方もいるかもしれません。パニック症の症状を少しでも和らげるために、以下のことを心がけてみましょう。

十分な睡眠をとる

過労や睡眠不足などの身体的ストレスは、パニック発作のきっかけになったり、症状を悪化させたりする可能性があります。規則正しい生活をして、十分な睡眠時間を確保しましょう。

通勤方法を工夫する

パニック症を発症すると、電車やバスに乗ることを怖いと感じる場合が少なくありません。「乗降口の近くに立つ」「快速ではなく各駅停車の乗る」など、症状がでたときにすぐにその場から離れられるようにしておくと、不安を和らげることができます。

無理せず休む

パニック症のある方は、まじめで責任感が強い性格の方が多いといわれています。そのような性格の方は、ストレスや疲労をためこんでしまう傾向にあります。心身の不調はパニック症の症状を悪化させてしまうため、不調を感じたときは無理をせず休みをとりましょう。

職場の理解を得る

パニック症であることを公表して職場の理解や協力を得ることも、障がいと付き合う上で大変有効な手段となる場合があります。配慮により職場環境が整えば、パニック症とうまく付き合いながら働くことができるでしょう。公表するかどうか悩む場合は、信頼できる上司や仲間などに相談してみましょう。

転職する

職場や業務そのものが大きなストレスとなっている場合、また公表したものの職場の理解が得られず職場に居づらくなる、周囲とギクシャクしてしまうような場合、転職という選択肢もあります。障がいに理解のある会社や、無理のないペースでできる仕事など、いまのご自身が「どんな職場で働きたいのか」「どんな仕事なら働き続けられるのか」を一度立ち止まって考えてみることも大切です。


より豊かに、当たり前に人生を楽しめるように。
利用者様の一人ひとりの成長をサポートします。
川越市の就労移行支援、川越市就労継続支援A型、計画相談支援。

一般社団法人ciel グリーンピースファクトリー
〒350-1123 埼玉県川越市脇田本町14-29杉田ビル2F
049-293-2528


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?