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親の言うことを聞かない子供

子どもが言うことを聞かず大人を困らせるのは、どこの家庭でも見られる光景です。しかし、子どもが親の言うことを聞かないのには理由があるということを理解している人は、少ないかもしれません。

「どうして言うことを聞いてくれないの!」と叱る前に、“子どもが言うことを聞かなくなる理由”“注意したい親の声かけや態度”について、いま一度、考えてみませんか?

必要な過程のひとつ

子どもは成長過程のひとつとして、1歳半~3歳ごろに第一次反抗期を迎えます。いわゆる「イヤイヤ期」というもので、これ自体はご存じの方が多いことでしょう。
では、なぜ子どもにはイヤイヤ期があるのでしょうか?

それは、生きていくうえで一番大切な「自己評価」や「自己肯定感」を養うためと、スクールカウンセラーで医師の明橋大二氏はいいます。
子どもは3歳ごろまでに、「私は存在価値があるんだ」「生きていていいんだ」という心の土台を築きます。そのためには当然ながら、親が子どもの反抗を受け止める過程が欠かせません。

この気持ちが土台になって、次は「生活習慣」や「しつけ」が身につけられると明橋氏はいいます。
これがだいたい、4~6歳ごろです。

そして、自己肯定感やしつけを土台にすることで、初めて「勉強」が可能になるとのこと。
これが7歳ごろにあたるため、小学校の勉強が6~7歳から始まっているのは理にかなっています。

自己評価という土台がしっかり築ければ、その後のしつけや勉強も自然と身につくとのこと。
そのため、子どものイヤイヤは一時的な現象として考えるものではなく、のちの成長への重要なステップとしてとらえることが大切です。

1~2歳、2~3歳、3~5歳で子どものイヤイヤにも違う傾向がみられます。解説をもとにして、成長段階別に、子どもが親の言うことを聞かない理由を説明しましょう。

■1~2歳の子ども

1~2歳の子どもが言うことを聞かないのは、「自分の人格を認めてほしい」ためです。
このぐらいの年齢になると、子どもは親の言葉や指示をだいぶ理解できるようになります。
そんな時期に「イヤ」と何度も言うことで、「自分もひとりの人間なんだ」と主張しているのです。この自己主張を認めることで、子どもの自己評価は育まれていきます。

■2~3歳の子ども

2~3歳の子どもが言うことを聞かないのは、自立心が高まり、自分の意志をよりうまく伝えられるようになるためです。
この時期は、親にしてみれば困った行動を多くする時期。
自立とは「親にとって、とても手がかかる状態になること」ですが、それを親の都合で叱ったり止めたりしていては、自発性そのものが失われてしまうのだそう。

きょうだいや友だちに対しても自己主張を始めるようになり、その過程で、対人関係のルールや、言っていいこと・悪いことの区別を学べるようになるのも、この時期の特徴です。時には傷つくこともあるので、そんなときは親が支えてあげましょう。

■3~5歳の子ども

3~5歳になると、簡単なルールは守れるようになります。それでも言うことを聞いてくれないように感じられるのは、子どもがそのときの気分によってはぐずったり、わざとルールを破って反抗したりすることがあるためです。

いつもは友だちと仲良くおもちゃの貸し借りをしているのに、急に「貸さない」と言ってぐずりだす……。こうしたことに思いあたりがあるお父さん・お母さんは多いのではないでしょうか?

一方でこのころは、他人の気持ちに対する理解度が高まり、正しく公平な行動がしたいという気持ちが芽生える時期でもあります。そのため、何が間違いなのか教えたり、考えさせたりする機会を作ることで、言うことを聞かない回数も減っていく可能性があるのだそう。

そんな時期だからこそ、頭ごなしに言うことを聞かせるのではなく、子どもが反抗したときには、何が正しいことなのかをきちんと教える必要があることも忘れてはいけません。

OK・NG集

子どもが言うことを聞かないと親はイライラさせられるもの。ですが、そのときの親の言動によっては、子どもを深く傷つけたり、余計に聞き分けが悪くなったりする可能性があります。そこで、子どもが言うことを聞かないときに注意したい、声かけや態度のNG例を説明しましょう。OK例も一緒に紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

【NG1】何がいけないのか理由を言わず、感情的に叱る

子どもが言うことを聞かないとき、カッとなって怒鳴りつけても、肝心な「叱られた理由」が伝わらないことがあります。大切なのは、何がいけないかを子ども自身で考えさせたり、どうしたら良いかを伝えることです。

理由を伝え、子どもに相手の立場になって考えさせるようにすると、よりいっそう、他人の気持ちが理解できるようになりますよ。

【NG2】「もう勝手にしなさい!」と突き放したり、人格を否定したりする

子どもがひとりで何かをしたがって聞かないときなど、大人はつい、突き放す言葉を言ってしまいがちです。しかし、こうした言葉は子どもの心に深い傷を負わせるおそれがある
子どもが「ひとりで歯磨きする」と言って聞かない場合、親の対応としては次のようなOK例・NG例があげられます。

◎OK:
「よし、じゃあ頑張ってみよう(と言って見守る)」
×NG:
「もう勝手にしなさい」「好きにしなさい」

ひとりでやろうとして失敗することもたくさんあるでしょう。
そんなとき、「やっぱりひとりじゃできないじゃない」と否定的な言葉をかけるのもNGです。
子どもは全人格を否定されたと感じてしまいます。ひとりでできたときはもちろん、たくさんほめてあげましょう。

【NG3】「あとでね」「また今度ね」と適当なことを言ってはぐらかす

忙しいときに聞き分けのないことを言われると、その場しのぎの言葉ではぐらかしたくなりますよね。しかし、適当なこと言うのはうそをつくのと同じ

もしも子どもが「公園に行きたい」と言って聞かない場合……

◎OK:
「明日一緒に行こうね」「ごはんを食べたら行こうね」
×NG:
「あとでね」「また今度ね」

OK例にあるようにはっきり約束をして、その約束は守りましょう。そして、もしも約束を守れなかったときは、理由を伝えて謝るといった誠実さがある態度を取り続けることが大切です。

【NG4】「○○しないと、おやつ抜き」と、罰を与える

罰を与える叱り方は、何が悪いのかが子どもに伝わらず、問題の解決にはならないからNGです。「嫌なことを避けたいから言うことを聞こう」と、子どもに思わせてしまうのです。

もしも、子どもをいくら誘ってもお風呂に入ってくれないなら……

◎OK:
「○○(テレビ番組)がもうすぐ始まるね。それまでにお風呂に入ろうね」
×NG:
「早くお風呂に入らないと、テレビ見せてあげないよ」

ご褒美と同じく、罰も内容がエスカレートする可能性があるとのこと。また、罰に委縮したり抵抗したりする結果、殻にこもる、泣き叫ぶといった副作用を誘発するおそれもあるので避けましょう。

まとめ

子どもが言うことを聞かないのは、のちの成長に欠かせない過程です。
親はイライラすることも多いかと思いますが、その場しのぎの対応をせず、しっかり理由を伝えたり、子ども自身に考えさせたりするなどして、ステップアップのきっかけにしましょう。

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