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日本株:この夏、秋の展開について

さて、日経平均も先週5日、月曜日の大幅な下げから順調な回復を見せて、現在36,600円台まで上昇してきています。
日経平均については、僕は元々、この夏から秋にかけて35,000円から37,000円台をウロウロする展開を予想していました。
その先の冬や来年に関しては今のところ予想が難しいと思っていますが、さらに長期で見ると日本株は、しばらく米国株をアウトパフォームすると考えています。

それぞれ見通しに対する根拠としては、そもそも日本株は米国株の影響を大きく受ける市場です。
そのため、この夏から秋にかけては、大統領選挙を控えて不安定になるだろうと考えていたこと、また米国の経済事情が冷え込み始めているので、今までのような高PERでも株を買い進める気配が後退するだろうと考えていました。
米国株は今週に入って上昇の兆しが見えています。
これは先週発表された新規失業保険申請件数が予想より少なかったことが好感されたこと、また今週発表された消費者物価指数が低下したことでインフレ懸念が低下し、9月の利下げ観測が高まっていることにより、売られすぎていた株が買い戻され始めたためです。

しかしアメリカの家計における債務延滞率が上昇しつつあることは注意が必要です。
コロナ後に配られた現金を使い果たし、一般家計では消費に回すお金が限界を迎えつつあることを表しています。

債務延滞率:7月の統計では13.3%まで上昇しています

また、長短金利差については、近く逆イールドが解消しそうになった状態が続いているため、リセッションの懸念が完全に払拭されたとは言いづらい状況でしょう。

これら米国の懸念が解消するまで、日本株の本格的な上昇は無いと考えています。

ただし、これから数年先を見た長期展望では、日本株は米国株より収益率が高くなると予想しています。
そもそもアメリカ株はすでに割高であること、日本はそれに比べて割安で放置されてきました。
また今回の一時的なショックは日本の金利が低かったことで、活発だったキャリートレードが、わずかな金利上昇に対して過剰に反応した結果、一気に巻き戻ったことによる暴落でしたが、最終的には想定範囲内の調整価格まで戻ってきています。
これからも円安傾向は続くと考えられること、また今のところ日本の金利もこれから急上昇するとは考えにくく、東証は1株当たりの純資産率であるPBRの改善を企業に促すなど、投資家にとって歓迎する市場を形成しつつあります。

直近では日本株、米国株どちらも大幅に下落してからの回復が期待されるチャートとなっているため、短期での利益も見込めますし、長期投資であれば仕込み時ともいえる状況です。
しかし、本格的な米国のリセッション入りの懸念が無くなったわけではないことを頭の片隅に入れたポジション取りを行いましょう!

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