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フィルム・コミッション直送便(20)【6フィート】

5月12日現在、コロナウィルスで最も死者数が多い米国。フロリダ州の映画やテレビなどの制作会社で構成される業界団体「オフィスフロリダ」は、5月4日の州知事による緊急事態宣言解除に伴い「撮影時の衛生面に配慮すべき勧告」として6ページ、161の推奨事項を発表しました。約2兆円規模の損出とも言われるハリウッドの映画業界において、撮影再開は望まれていましたが、この事態にどうしたら撮影できるか?を考えた末の遵守すべき撮影ガイドラインです。  

ガイドラインには6フィート(約1.8m)という数字が多く登場します。これは「ソーシャルディスタンス」とよばれる他者との距離(間隔)で、「座席は6フィート間隔」「並ぶ必要があれば6フィート以上の距離を保つ」「床に6フィートの印をつける」など。

その他、「送迎時に乗せる人数は2人」「一度の確認に5人以上参加させない」「共有しないよう一人ずつに文具」「食事は一人ずつの個包装で提供」「1カ所に集まらない」など。 そして「必要人数を絞り込むこと」「ビュッフェ形式のケータリングは不可」「手洗い場所の設置」「送迎ドライバーは人が降りる度に消毒」「消毒しやすいプラスチック製推奨のためディレクターズチェアは排除」「大人数のオーディションの中止」など、これまでの常識が覆されています。

そのため「新しい制作手順による非効率性を予測すること」とも添えられています。日本でも映画や映像作品の撮影再開が望まれていますが、米国のようにガイドラインが必要となるでしょう。

 ジャパン・フィルムコミッション
  https://www.japanfc.org/ 

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