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フィルム・コミッション直送便(41)【593館】

愛媛県松山市の大街道商店街内で1989年から営業を続けていた「シネマサンシャイン大街道」が閉館するというニュースがありました。(同グループのグランドシネマサンシャインでは「テネット」のIMAX上映のオープニング売上が世界一位を記録/IMAX発表。それにより、クリストファー・ノーラン監督から感謝の手紙が届く。)
そこで「映画上映活動年鑑(発行:一般社団法人コミュニティシネマセンター)」の2019年版を参照すると、映画館について興味深い事実がわかりました。

全国の映画館数は593館、スクリーン数は3,627です。映画館が最も多いのは東京都(84館)、最も少ないのは島根県(2館)です。年間観客数(概算)でみると、最も多くの観客が映画館を訪れているのは東京都で33,234,000人、最も少ないのは鳥取県(映画館数は3館)で435,000人です。1スクリーン当たりの観客数は全国平均が53,891人、最も多いのは神奈川県の83,970人(映画館数は31館)、最も少ないのは長野県の24,208人(映画館数は16館)です。そして一人当たりの年鑑鑑賞回数の全国平均は1.5回、最も多いのは東京都の2.4回/人、最も少ないのは岩手県(映画館数は3館)と徳島県(映画館数は7館)の0.7回/人です。映画館数と結果の因果関係が推測できます。

そんな映画館の一つが閉館するわけですが、2020年9月7日にネットフリックス社は日本の加入者数が500万人を超えたと発表しました。2019年9月の会見では300万人と発表していたので1年間で約200万人増えた計算になります。コロナ禍ということもあり、映画館に行きたくても行けない人にとって映画の有料配信は自宅で好きな時に鑑賞できる便利な手段です。我が家も有償配信サービスに入っています。

映画館に行く理由は【大画面・音響・時間の占有による没入感】と言われてきましたが、はたして、この先もこれだけで差別化は維持できるのだろうか?と思い始めました。一人一人に合わせたサービスが加速したら「一人一人の映画館」という発想と環境が生まれるかもしれません。コロナウィルスはパラダイムシフトを確実に起こしました。

ジャパン・フィルムコミッション
https://www.japanfc.org/

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