住んでる賃貸が事故物件(物理)だった話②

日曜を挟み月曜日、朝から鬼電が来ていた。管理会社からだ。
基本的に仕事中は電話が出来ないので昼休みに折り返した。

管理会社「下の人から如月さんのところの水漏れが酷いとクレームが来ています。修理をしたいです」
如月「うちではないと、この前の業者さんが言ってましたが…」
管理会社「とにかく早急に工事したいです。今日はいますか」
如月「いないです」
管理会社「今日か明後日は?」
如月「いないです。明日なら居ます。今日の夜はいます」
管理会社「夜は営業時間外なので、明後日、合鍵で入って工事しますね」
如月「え、それはちょっと」
管理会社「クレーム入ってるんで。それに、私たちと下の人と如月さんの都合、全部考えられないです。工事の時に床無くなる可能性ありますのでよろしくお願いします」
如月「え…それで床がなくなって直るんですか」
管理会社「分かりませんがとにかく工事します」

営業時間外って言ってる時点で八割くらい管理会社の都合を優先してる気しかしない。
まぁ、みんな予定がある。言ってることはわからなく無いけど、また誰かが家に来るのか…しかも床が無くなるってなんだ…ひたすらに気が滅入った。

仕事終わりに携帯を開くと再度鬼電。5時過ぎに折り返す。
管理会社「クレームが来ています。水漏れが止まらないようです。今家にいますか」
如月「いないです」(このやり取りお昼にもしたな)
管理会社「帰ったら水道の元栓閉めて貰えますか」
如月「えーと、それは外の共有部分にあるやつで合ってますか」
管理会社「はい。うちは5時までの営業なので、如月さんが自分でやってください」
如月「えぇ…でもそれ元栓閉めたらうちは水道使えないですよね」
管理会社「はい、トイレとお風呂は下の人に借りるか、下の人の許可を得てからしてください。それでは失礼します」

昨日の敵は今日の友なんて言うほど世界は甘くねぇ。
昨日言い合ったおばさんの家にお風呂を借りに行きたくないし、ましてや「トイレしたので流したいです」なんて逐一言いに行くなんて羞恥プレイすぎる。そんな性癖は守備範囲外だ。おばさんもおばさんで、水を流したら更に家が水浸しになるのわかってて「トイレ流していいわよ」なんて言ってくれる訳が無い。
色々考えることや思うことはあったが、トイレは会社できっちり済ませてから帰ることにした。

帰宅後、共有部の、あの、なんだ、水道の元栓が入ってる扉?をあけ、他の階の人の分をとめないように気をつけながらバルブを締める。
これくらい時間外だろうがなんだろうが管理会社がやって欲しい。合鍵も立ち入りも必要のない範囲なんだから。

さて、本格的に断水生活の幕開けだ。

シャワー付きネットカフェという便利な場所もあるようだが、どうやら近辺にはなかった。というか治安の悪い所や田舎でよく見る気がする。
余談だが、ここら辺は100円の回転寿司とか安めのファミレスもあまりない。前住んでた治安やばいところはネカフェも回転寿司もファミレスも沢山あった。上品ぶってる土地は何かあった時に困りやすいかもしれない。
銭湯は、タイミングが悪いことに女の子の日も被ってるのでNG
目をつけたのはコインシャワー 3分100円。
それからコインランドリーも近い。よし。
ご飯は外食かテイクアウトで済まそう。
土曜にし損ねた洗い物の残りはいつか水道が使える日まで放置だ。黴びるなよ。

とりあえず明日は在宅勤務、多少脂ギッシュでも誰にも会わないのでボディ用の拭き取りシートとメイク落としだけでいいや、と思ったところでメイク落としシートがないことに気がついた。
女子の者、拭き取りタイプのメイク落としは常に持っておくべし。
人生、いつ何があってクレンジング出来なくなるか分からないからね。

そして、メイク落としを切らしていたことに続いて、新たな壁が深夜0時にあたしの前に立ちはだかった。
トイレをどこで借りるか。
都内はそもそもトイレを貸し出してくれるコンビニが少ない。駅前はほとんどトイレ不可だ。しかし、住宅街ならばトイレ可のところも所々ある。今回の断水に向けて、あたしは家の近所でトイレがあったであろうコンビニに目星をつけていた。
これが間違いだった。「確かトイレがあったよな」ではなく「確実にトイレができる」ことを確かめておくべきだったのだ。

口説いようだが繰り返す。

深夜に壁があたしの前に立ちはだかっていた。

「感染予防のためにトイレ貸し出し不可」と
貼り紙された白い壁だ。

あぁ、人権をください。
健康で文化的な最低限度の生活から、今の生活は程遠いです……

次回は続く断水生活から工事の様子まで書きたいなぁ。
ちなみにトイレはさらに先のコンビニでお借りしたよ✩

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