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6、予期せぬできごと【公認心理師試験の受験体験記】

受験予定だった、第3回公認心理師試験の延期が発表され、まだ新日程が発表されていない頃の2020年5月、前年の4月から胃がんで闘病していた父が亡くなりました。感染症流行のため、亡くなる間際になっても、面会は同居家族にしか許可が出ず、最後ギリギリの時の主治医との話し合いも、リモートで参加しました。最後となった入院時に受けたPCR検査がマイナスだったため、お葬式などは感染対策を取りながらほぼ通常通りにできたのがせめてもの救いでした。

最後の最後まで泣き言は言わず、気丈にふるまってそのまま亡くなった父。1年前にステージ4の胃がんと分かった時から、父の前では私もいつも通りにふるまっていましたが、その分の反動で父のいないところでは強烈に込み上げてきて泣くのを抑えられませんでした。SNSなども父が意外と見ていると分かっていたので、本音は書きませんでした。

父が亡くなって1ヶ月ほど経った後、それまでももちろん悲しかったのですが、さらに大きな悲しみの波みたいなものが押し寄せてきて、涙が止まらない現象が始まりました。仕事の時に気合を入れると何とか泣かずにいられましたが、行き帰りの移動中などちょっと気を抜くとすぐに泣けてきてしまいました。公認心理師試験の勉強をしようとしても、テキストの中の「がん」とか「患者」とかいうキーワードに反応し、悲しい気持ちが込み上げ、どうにもなりませんでした。そこで、心を休めるため、公認心理師試験の勉強を中断しました。勉強を休んで大丈夫だろうかという不安もありましたが、何より未来の公認心理師志望者として、自分の心が大変な時に対処しないのはどうなんだろうかと考え、思い切って止めました。

そうは言っても、休んでもその後ちゃんと元気になれるのかな?という不安が消えることはなかったですが、お墓が近いこともあって何度もお墓参りをしたり、家族の企画に参加し、追悼の俳句や詩を書いたりして、父が亡くなって3ヶ月が過ぎた頃にふと、少し元気になった感覚に気づきました。

その頃、延期された試験が12月に実施されることが決まり、ホッとした反面、感染症の流行りやすい冬、しかも年末で大丈夫なんだろうかとも思いました。
そして勉強を再開した頃、家族が交通事故になり、搬送され手術、入院となりました。働きながら受験をするにあたって、いろいろな予期せぬことが起こる、それも含めて受験だ、なんてよく聞きましたが、本当にそうだし、いろいろ起こりすぎでしょ!とも思いました。



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