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Filecoin、2021年を振り返って: 指数的な成長を遂げた

2021年は、Filecoinネットワークとコミュニティの非常に重要な年でした。

Filecoinネットワークは、世界中3,600以上のストレージプロバイダーの協力により、合計14EiB以上のストレージ容量を突破しました。また、7,000人のFilecoin開発者のコミュニティによって400以上の新しいAPPが開発されました。これらのアチーブメントは、メインネットの立ち上げからわずか1年余りのあいだで実現されました。

しかし、数字だけでは十分に説明できません。今年の驚異的な成長は、Filecoinエコシステム全体に対しても重要な展開をもたらしました。ここからはいくつか大きなマイルストーンを挙げてみましょう。

リサーチとエンジニアリング

この1年間、Filecoinプロトコルとネットワークは、精密なネットワークのアップグレードを5つも実行し、12回のFilecoin Improvement Proposals(FIPs)を提出し、そしてLotusに接続するために2つの追加のFilecoinプロトコル実装をメインネットにのせた(VenusとForest)など大きな飛躍を実現しました。このハイライトは、時空証明のオフチェーン検証、証明集約のためのSnarkPack、実世界のデータを含めるためにコミットされた容量セクターを簡単にアップグレードできる仕組み(2月にメインネットで開始予定!)の設計などがふくまれています。

メインネットの立ち上げ以来、Filecoinはストレージプロバイダーのロバスト性と使いやすさ、チェーン容量、帯域幅を大幅にアップグレードしました。このスピードは、容量オンボーディング率が毎日倍増するに相当します。

Filecoinの実装

Lotus

Lotusは、Filecoinプロトコルのリファレンス実装とメインマーケット実装の1つとして、メインネット立ち上げ以来、26のバージョンをリリースし、11のネットワークアップグレードと18のFIPをサポートしてきました。2021年の新機能として、マーケットランタイムアーキテクチャ(split minerとmarket nodes)とv1 API、シーリングスケジューラの改善、シーリングパイプラインの最適化、ユーザー設定可能なリソースコントロールによる保管・検索ディールの改善/高速化などが挙げられます。これらの改善のおかげで、LotusはストレージプロバイダーがFilecoinネットワークにストレージを持続的にコミットできるように、また、クライアントがロバストなストレージサービスを使えるように、より強力で使いやすい基盤を提供できるようになりました。

詳細はlotusリリースをご覧ください。

証明の改善とzk-SNARKs

非対話的ゼロ知識証明(zk-SNARK)は、情報そのものを明かすことなく、証明したい者がその情報を知っていることを、検証する者に知ってもらうことができる暗号技術である。

zk-SNARKs、Filecoinで始動プロジェクトは、メインネット立ち上げ以前から約2年間継続してきましたが、この1年間でより多くの情報がみれる専用サイト世界のzk-SNARKsを立ち上げるなど、大きな進展が見られました。

最近のアップデートには、ストレージプロバイダーが中断後にシーリングを再開できるようにしたこと、分散化Window PoStの展開機能、マルチコア-SDR(最適化/高速シーリング)、新しいBls12-381実装の統合、全体的な性能向上が含まれています。GPUツリーをゼロから書き直した結果、50%くらいのスピードアップなど、大幅な性能向上が実現しました。

コードベースの再構築により、モジュール化が進み、可読性が向上し、ARM64やApple Mなどのアーキテクチャのサポートが追加され、証明集約のためのAPIも追加されています。

Hyperdriveアップグレード

2021年6月、Filecoin v13「HyperDrive」ネットワークのアップグレードにより、ストレージのオンボーディング容量が10~25倍になり、Filecoinはメインネットの立ち上げからわずか8カ月で、チェーンの帯域を大幅に増やした最初のL1チェーンとなりました。その後、1日のストレージ容量オンボーディング量は60PiB/日以上と倍増し、2021年末には約20EiBに達成しようという勢いです。

このアップグレードは、Filecoin証明システムの革新によって可能となりました。メインネット立ち上げのかなり前から、ストレージプロバイダーの膨大な需要によりFilecoinネットワークは最大限で稼働しており、Filecoinは最大のSNARKシステムとして、毎日500万以上のSNARKを生成し検証しています。

2020年12月から2021年4月にかけて、CryptoNetLabとCyptoComputeLabは、統合、拡張性の解放、そしてネットワーク混雑の緩和によってSNARK証明を拡張したSnarkPackの設計と実装を行いました。SnarkPackはFIP13で提案され、Filecoinネットワークにチェーン全体のキャパシティを10~25倍向上させた。

検索市場

検索市場は、Filecoinの上に構築されている最も驚異的なプラットフォームの1つです。これによって完全に分散化された方法でCDNと似たような体験が提供されて、ここでエンドユーザーに帯域幅と地理的位置を提供できるようになっています。

この年は、検索市場の可能性と機会を探るための集中リサーチワークショップで幕を開けました。20人以上の研究者がVRワールドに集まり、新しいデータ配信の計測、グラフフォーミング、機会の展開、そして検索市場の暗号経済学について議論し設計しました。

4月には、第1回検索検索市場ビルダーズサミットを開催しました。Lotus、PegaSys、Myel、Digital Mob、Textile、Chainsafe、Protocol Labs、IPFS、FilSwan、ResNetLab、そしてEstuaryが参加しました。現在、いくつかのチームが検索市場ソリューションの実装を構築しており、隔週で開催している検索市場のデモディでその進捗を確認することができます。

NFT.Storage

NFT.Storage2021年4月に立ち上げ、無料でシンプルなサービスとして、NFTメタデータとアセットを保存するオフチェンのストレージを提供してくれます。ストレージのHTTPエンドポイントはFilecoinに保存され、パブリックなIPFSネットワークで利用できるようになります。このサービスは無料で利用でき、最終的にはNFTデータを公共財として分散して永続化させるというビジョンを持っています。

また、このサービスでは、スマートコントラクトでメタデータを参照するために、適切な書式のIPFS URIをユーザーに提供できます。これは、NFTが正しいデータを永続的に参照していることを確認するための重要なステップになります。「http://」のようなURLではなく、「ipfs://」を使用することで、httpのような、サーバがなくなったり、DNSがダウンしたり、データの場所が変わったりするとデータが壊れてしまうことを回避できるようになりました。

このサービスを立ち上げて以来急速に成長し、現在では16,000人以上のユーザーが2,100万件以上のアップロードをFilecoinに保存しています。これらのNFTには、OpenSea、OneOf、NFTPort、Makersplace、Jigstack、Curioなど、NFT分野で最大のマーケットプレイスやミンティングサービスによってミントされたものが含まれています。

IPFSに保存されたNFTデータにアクセスするための高速なHTTPエンドポイントから、1万件のNFTドロップに対応する大規模ディレクトリアップローダーアプリ、エンドユーザーがNFT.Storageに直接アップロードするためのマーケットプレイスとSDKの委任認証まで、エキサイティングな新機能作業が目白押しです。今年後半には、スマートコントラクトやDAOといった分散型技術のブレークスルーを活用し、NFTデータを分散的に保存する製品のビジョンの進化を目指しています。また、チームはniftysaveにも取り組んでいます。これは、すべてのNFTにインデックスを付け、そのメタデータとアセットをFilecoinに保存し、NFTデータが失われることがないようにする取り組みです。

Filecoinグリーン

2021年、Filecoinグリーンというプロジェクトもありました。ここでFilecoinを世界で最も検証可能で、また持続性のあるブロックチェーンにするために大きな前進を遂げました!

ネットワークのためのエネルギー使用をよりよく理解するために、ストレージプロバイダーと協力して、開発チームはオープンソースのエネルギー使用モデルを開発し、filecoin.energyダッシュボードを開始しました。こうしたツールにより、世界中の誰もがネットワーク全体と特定のSPの両方のエネルギー使用量を簡単に推定できるようになりました。

また、SPのエネルギー使用と風力や太陽光などの自然エネルギーをマッチングさせる機能も開発した。Filecoinグリーンは、Filrepチームと協力して、エネルギーの購入を評価システムに統合し、Energy Web foundationと提携して、彼らのブロックチェーンに再生可能エネルギーの購入を記録しています。これにより、ストレージのクライアントは、選んだSPが使用したエネルギー量を確認できるだけでなく、ファイルを保存するために購入された再生可能エネルギーを、個々の太陽光発電所や風力発電所のレベルまで検証することが可能になります!

これらの取り組みの強化につれて、Filecoinグリーンは暗号システムの持続可能性におけるリーダーとしてコミュニティから受け入れられています。Coindeskは、これらの戦略がFilecoinやその他のブロックチェーンを環境に優しいものにする可能性があると述べました。EWFの代表はツイートで、Filecoinは持続可能な暗号として「先頭を走っている」と述べています。

SPや開発者コミュニティの設立とともに、このネットワークはサステナビリティ戦略検証作業を、#fil-green channelで共有しました!

FVM

Filecoinバーチャルマシン(FVM)は、Filecoinネットワークにスマートコントラクトをもたらしました。この大きな技術的進歩により、信頼性が高くプログラミング可能なストレージのユースケースをFilecoin上でネイティブに展開することが可能になりました。FVMは、WASMベースのポリグロットバーチャルマシンとして、EVMのforeignランタイムのサポートにより、ネイティブのランタイムに加え、既存のEVMスマートコントラクトをほぼそのままホストすることができます。

FVMは、ネットワークに大きな可能性をもたらします。このなかで最も驚異的なものとして、データDAO、分散型計算、代替ストレージ市場、永久ストレージ、クラウドファンディング、L2ソリューション、クロスチェーンブリッジ、担保融資プログラム、などがあげられます。もし、あなたがこれらのチャレンジに魅力を感じているなら、気軽に声をかけてください!

FVMは段階的に導入されてきました。Protocol LabsのFVMチームは現在、FVM上でビルトインアクターを動作させ、メインネット上でcanary Lotusノードを立ち上げることを目指し、現在、内部テストと実験を完了し、マイルストーン0をクリアしたところです。

次のマイルストーン1では、メインネットの実行レイヤーをFVMに正式に移行することが予定されています。完了時間として2022年第1四半期末を予定しており、またこれはビルトインアクター限定のものになります。マイルストーン2は、ユーザー定義のコントラクトを導入し、ネイティブアクターとEVMスマートコントラクトの両方をサポートする予定になります。これは2022年第2四半期末に達成することが見込まれています。

その後のマイルストーンは、Filecoinの機能をシステムスペースからユーザースペースへと徐々に移行させ、より多くのカスタマイズ、イノベーション、より容易なプログラマビリティを可能にすることに焦点を当てていきます。 スケジュールは様々な要素に左右される可能性があります。

VDF

Protocol Labs、Ethereum Foundation、Filecoin Foundation、Electric Coin Company(ECC)、そしてSupranationalによるコラボレーションが開始されました。このコラボレーションは、効率的でコストパフォーマンスが高い計算機VDF(Verifiable Delay Function)を作成することを目指しています。そのためには、逐次計算のような高速評価と、並列計算のような証明という両方の開発が必要になります。

その意図として、最適化されたCPU(評価)、GPU(証明)、そして最終的にはASIC(評価と証明)の実装を開発することにあります。現在、ECCが公開している「Halo2」と、マイクロソフトリサーチが公開している「Nova」という2つの証明システムが検討されています。

一般化された証明ASICとGPUの最適化により、VDF証明に限らず一般的な証明のエコノミックコストは、いずれのシステムでも5~10倍程度の改善が予想されています。

また、Protocol LabsとCryptosatは、スペースVDFの可能性を探るために共同研究を行っています。このなか、ハイレベルなアイデアの1つとして、Protocol Labsが光速を通信遅延の「ハード的な速度制限」として利用することで、計算速度に基づくアルゴリズムやハードウェアの最適化によって、理論よりも優れたAmax(攻撃者の最大優位性)を達成できる可能性があるというものもあります。

このモデルでは、遅延は、検証可能な位置にある衛星間の最小通信時間に基づいています。

Drand

Filecoinのリーダー選挙で使用される分散型ランダムネスビーコンのDrandは、今年は1周年を祝いました。Drandは今年、中断なく100万ラウンド以上のサービスを達成しました!

独立パートナーのネットワークであるLeague of Entropy (LoE)によって運営されているDrandは、昨年10月Filecoinの立ち上げ以来、拡大し続けて、またコンソーシアムに新たに2つのメンバーも追加しました。

LoEは現在も拡大中で、ミッションに参加する新メンバーを募集しています。もしあなたが、Drandを検証可能なランダム性のための基礎的なインターネットプロトコルに作り上げるというミッションに貢献する準備ができているならば、LoEに連絡してください

また、Drandはより幅広い用途に対応するため、新機能を追加しています。ドランドは、部分署名に「unchained」ランダムネスの生成方式を導入しようとしています。これにより、開発者はTime Lock Encryptionと呼ばれる技術を使って将来的にメッセージを暗号化できるクライアントを構築できるようになり、MEV(Ethereum)やフロントランニング攻撃に関する脅威を緩和するために活用することができるようになります。

また、近いうちにDrandは、現在の30秒ビーコンと並行して、より高い頻度のランダムネスビーコンもサポートすることを予定しています。このアップデートにより、Drandはより幅広いWeb2およびWeb3のユースケースで活用されるようになるでしょう。

Web3.Storage

Web3.Storage2021年8月にローンチしました。Web3.Storageは、開発者がIPFSとFilecoinをプロジェクトに簡単に統合できるように設計されています。開発者はインフラを動かす必要がなく、JSクライアントライブラリやHTTP APIなどシンプルなインターフェイスを利用するだけで開発できます。

ローンチ以来、Web3.Storageのユーザー数5,000人以上に上り、アップロード数も900万件に伸び、急成長を果たしました。その結果、Web3を初めて利用する開発者は、コンテンツアドレスとトラストレスストレージによって、バックエンドインフラの軽量化、分散化、ロックインの低減などを直接体験し、経験豊富なWeb3開発者は、IPFSとFilecoinをDapps製品に迅速に組み込むことができるようになりました。

Web3.Storageは、直感的なユーザー体験を提供し続けながら、アプリケーション、ユーザー、データの相互作用における新しいパラダイムとパターンを解き放つという大きな野望を持っています。これからもご期待ください!

Estuary

Estuaryは2021年3月にキックオフされ、今日になってFilecoinネットワークに参加する際に高い信頼性と拡張性をもつソリューションに成長しました。Estuaryノードには、IPFSとFilecoinのフル機能を備えた独自のlibp2pスタックがあり、すべての人にFilecoinストレージ取引を行う様々な方法を提供しています。

Estuaryは、86,750件以上のストレージ取引を成功させ、5億以上のオブジェクトを登録し、784.22TiB以上のファイルを保存し、Filecoinエコシステム内の多くの企業やグループと協力し、世界中143以上のストレージプロバイダーがもつデータを保存しています。

興味のある方は、クラウド上で自分のEstuaryノードを動かせます。ウェブ開発者はウェブクライアントをクローンしたりフォークしたりして、自分のユーザーに同様の体験を提供することができます。それ以外にも、ホストされたAPIを使って、彼らが持つあらゆるパブリックデータに対してストレージ取引を行うこともできます。

Textile

Textileという企業は、開発者がIPFSやFilecoin上で分散型アプリをより早く簡単に構築できるツールを展開しています。現在、Ethereum、PolygonNEAR上でパーミッションなしのFilecoin storage bridgesを提供しはじめました。Filecoin Deal Auctions pilotは、クライアントが巨大なデータセットを効率的にネットワークにオンボードするために展開され、現在1日あたり2TiB、1週間あたり~25%の増加をみせています。2021年10月1日現在、このパイロットは205TBのアクティブなFilecoinディールに到達しています。

ハッカソン

2021年、FilecoinとIPFSのハッカソンプログラムでは、世界中で11,000人以上の開発者と起業家が集まりました。過去12ヶ月の間FilecoinとIPFSのハッカソンでプロジェクトを構築しているの開発者は5,000人以上に上りました。

Filecoinエコシステムは、年明け早々、HackFSScaling Ethereumなど30以上のイベントに参加し、ETHGlobalChainlink主催のイベントも開発者と起業家たちを_buidl_にコミットさせました。また、ハッカソンプログラムは、Filecoin Asia Hackathon Seasonの複数のイベントも行い、Polygon BUIDL ITにも参加しました。それと同時に、学生が運営するいくつかの取り組みも行ってきました。これらのイベントのなか、何百ものサインアップとプロジェクトの提出が記録されたものも多くありました。

FilecoinとIPFSの目標は、こうした成長に有益な助成金やアクセラレータプログラムに進めることで、有望なプロジェクトを結びつけ、構築し、成長の触媒とすることを引き続き支援することです。最も素晴らしいプロジェクトの中には、助成金やシード資金という形で数百万ドルを確保したものもあります。そのなかのいくつかをご紹介します。

1.  Arlequinは、Paint-to-Earnシステムを備えた完全なコミュニティ主導のメタバースです。ユーザーは、Flowブロックチェーンを利用したNFTであるArleeと呼ばれるかわいい3D動物を集めることができ、IPFS(web3.storage経由)を使用してビジュアルの部分を保存できます。

2.  Geo Web は、デジタルコンテンツを物理的な土地に紐づけするためのオープンなプロトコルと所有権のセットになります。Geo Webは、デジタルメディア、ゲーム、データ、コマース、NFTを、サイロ化したアプリケーションではなく、共有された体験として現実世界にもたらしていきます。

3.  img8は、分散型ストレージネットワーク向けに構築された分散型画像処理・最適化プロトコルです。ここでWeb3の構築者やデザイナーが、セキュリティを強化し、高速化し、高解像度の画像を簡単に取得することができます。

ハッカソンの全受賞プロジェクトは、近日中に発表される予定です。ご期待ください!

私たちのチームは毎月5回以上のハッカソンを開催し、Web3に参加できるように新しい開発者を教育することを目的とする数週間のイベントに重点を置き、またFilecoinエコシステム全体の協力者と頻繁に連携しています。

2022年の予定については、hackathons.filecoin.ioをチェックしてください。メーリングリストへの登録もおすすめします。

Web3コラボレーション

FilecoinはWeb3の実質的なストレージレイヤーとして成長し、導入され続けており、開発者はこのプロトコルのあらゆる可能性を追求し、拡張し続けています。

ここ数ヶ月は、Web3コミュニティとの刺激的なコラボレーションが続いています。このコラボレーションは多面的で、開発者向けの共同助成プログラム、Filecoinストレージブリッジ、共同ハッカソン、投資などが含まれます。

スマートコントラクトシステムにより、Filecoinは現在、Ethereum、PolygonNEARHedera HashgraphFlowと統合し、さらに多くのプロジェクトが推進されています。これらのエコシステムの開発者は、Filecoinをデータストレージに使用することの容易さを発見しているでしょう。

ブロックチェーンのオラクルサービスであるChainlinkは主要な協力者であり、5月にFilecoinと統合しました。Chiainlinkは最近、データバウンティやマイナー保険など新しいアプリケーションの開発に注力しており、大規模な共同助成プログラムを開始しています。

それ以外にも、ビデオソリューション領域のコラボレーターもあります。LivepeerのコマイニングイニシアチブとVideocoinのビデオNFTが挙げられます。

こうした継続的なコラボレーションの結果として、Filecoinは、Web3スタックの基本的かつ重要なドライバーとして、2021年9月にData Economy Index(RenFILを利用)に追加されました。

Filecoinエコシステムにおける新しいスタートアップ

エンドツーエンドのビルダーファネルは急速に拡大しています。Filecoinエコシステムは、ハッカソンからScaleまでシームレスな体験を提供するために、世界中のビルダーと協力しています。

包括的なハッカソンや助成金プログラムに、Techstars、Tachyon、DeFi Alliance、Outlier Venturesなど、急速に拡大するアクセラレータープログラムを組み合わせることで、スタートアップは超強力な力を発揮することができるでしょう。

過去1年間に約60のスタートアップがパートナーのアクセラレータプログラムから卒業し、そのうち、多くの創業者がFilecoinハッカソンを通じて成長したり、ビルダーファネルを通じて専用の助成金を受け取ったりしています。エコシステムには驚くほど多くの素晴らしい創業者がいます。彼らがスケールアップする際に資金とリソースで支援できて、Filecoinチームは非常にわくわくしています。

2021年2月、Filecoin Launchpadはデモデイを開催し、IPFS、Filecoin、Ethereumコミュニティの架け橋となる12週間の没入型アクセラレータのなか、世界11カ国からの13チームが頭角を現しました。第1コーホート第2コーホートに参加した13カ国20チームのプレゼンテーションは、オンラインで見ることができます。Tachyon 6 冬コーホートは、現在募集しています。

FilecoinはLongHash Venturesと提携し、Filecoin Frontierアクセラレータを立ち上げました。プログラムの詳細はこちらをご覧ください。また、4月に行われた最初のデモデイの11の素晴らしいチームのプレゼンテーションは、こちらで見ることができます。

Filecoinは、Outlier Venturesと提携し、Web3を推進する次世代アプリケーションを構築する新しいエコシステムのプロジェクトの成長を促進するために、Filecoin Base Campアクセラレータを立ち上げました。

FilecoinはTechstars FilecoinアクセラレータDeFi Alliance、さらにTachyonとの強力な連携で2022年の幕を開きました。いずれもまだ最終申請を受付中です。もしあなたがビルダーなら、Web3の未来を構築するために今すぐ応募しませんか。あるいは気軽にfunding@protocol.aiにメールして、あなたのビジョンを教えてください。

ストレージプロバイダー

ローンチ直後から、Filecoinネットワークは当初の予想をはるかに上回る速さでストレージがコミットされ、4月になってあっという間に最大ベースラインのミンティングレベルに到達しました。それ以降も、ネットワークがますます強力になる一方です。

2021年7月、Filecoinコミュニティは新たなFIPを承認し、やや限定的で狭義な用語であった「マイナー」をリブランドして、「ストレージプロバイダー」というよりふさわしい用語を採用しました。より多くのFilecoinストレージユーザーを取り込むための旅において、このリブランディングは、企業のクライアントに対するネットワークの有用性と価値を強調するのに役立ったでしょう。

設立以来、世界中で新しいストレージプロバイダーが続々と誕生しています。現在、3,500以上のFilecoinシステムが稼動しており、毎日5~10個の新しいシステムが導入されています。

毎日30~60PiBの新しい容量がオンラインして、これは有用なデータを保存できるほど膨大な容量です。Filecoinにデータを保存するコストは、現在利用可能な容量ではほぼ無料になっています。

6月には、ストレージプロバイダーのコミュニティが立ち上がり、新たに北米・アジアにおけるストレージプロバイダーのワーキンググループを立ち上げました。このワーキンググループの最初の実装の1つは、より良いドキュメントとツールを作成するためのコミュニティの努力を支援することでした。それ以来、私たちはヨーロッパ、北アメリカ、アジア、韓国、そして日本にもワーキンググループを作ってきました!

8月には、その取り組みをサポートするために、新たにFilecoin バウンティボードが設立されました。それ以来、外部の専門家が参加して新しいベストプラクティスを提供してきました。新しいアイデアや要望はいつでもボードで歓迎します。

新しいストレージ・プロバイダーを育成するエコシステムをサポートするため、年間50名のストレージ・プロバイダーを育成する新しいアクセラレーター・プログラムを構築しました。今すぐhttps://www.web3espa.ioで応募してみてください!

ARG

アプリケーションリサーチグループ(ARG)では、2月からFilecoin、IPFS、libp2p、IPLDを使ったプロトタイプの実験を開始しました。現在、IPFSに対応したWebサイトをすぐに構築できるオープンソースフレームワーク、Textileなどの有名なエコシステムパートナーとの開発者事例集、オフラインのFilecoin+Ledger Walletなど忠実度の高いプロトタイプが作成されています。

3月にARGは、Filecoinストレージ取引に関する体験を改善するために、Estuaryを作成しました。近い将来、世界中の多くのネットワーク事業者がEstuaryノードを稼働させ、できるだけ多くの有意義なパブリックデータに対してFilecoinストレージ取引を行うようになるかもしれません。

アジア進出

アジアは、FilecoinとIPFSのエコシステムの拡大にとって重要な地域であり、ローンチ後1年間、Filecoinはいくつかの主要国でペースよく成長が続きました。これらの地域に焦点を当てたいくつかの重要なイニシアチブが今年開始されました。

Asia Hackathon Seasonは、アジアのスタートアップや開発者によって行われている革新的なFilecoinとIPFSの開発作業を見つけ出し、加速し、ハイライトさせることを目的とした数ヶ月のハッカソンシリーズです。Filecoinは、Wanxiang、Polygon、Dapper Labs、およびその他の主要な地域の協力者と提携して、最初の2021年シーズンをまとめました。プログラムはまだ進行中ですが、すでに地域全体のコントリビューターから多くのエキサイティングな投稿が寄せられています。

韓国と日本のコミュニティにおけるFilecoinの存在感を拡大するために、韓国と日本での現地語アウトリーチとコミュニティ構築が8月に展開され、また、Filecoin Orbitの一環として、いくつかのミートアップとイベントがコミュニティによって開催されました。

また、中国国内から他の国へのストレージプロバイダーの地理的分散を推進し、NFTStarなど、アジア全域で重要な戦略的関係を構築していることも特筆すべき取り組みです。

今後の活動

Filecoinネットワークは、2020年10月に正式に稼働を開始しました。ローンチから1年余り、コミュニティはすでにアプリケーション、ツール、ユースケース、インテグレーションなどの活気あるエコシステムを提供しています。そして何より素晴らしいのは、これはまだ始まりに過ぎないということです。さらに多くのビルダー、起業家、創設者、デザイナー、思想家、クリエイター、開発者などが参加する余地は十分すぎるほどあります。私たちと一緒に、現実世界の新しいパラダイムを構築していきませんか。Filecoin Communityに参加して、世界中の人々と一緒に分散型テクノロジーの未来を築いていきましょう。