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Web3.Storageとは:Filecoinストレージへのシンプルなインターフェース

Protocol LabsはWeb3.Storage(https://web3.storage/)を発表しました!これはFilecoinの分散型ストレージネットワークからデータを保存・取得するための開発者向けのシンプルなインターフェースです。 Web3.Storageは永久無料で提供され、これを使って開発者が冗長性のある分散型ストレージや、安全なコンテンツ指向データを備えたアプリケーションを簡単に構築することができます。Web3.Storageは分散型ストレージと直接やりとりする際の複雑さを処理してくれるので、Web3の初心者からIPFSのベテランまで、すべての開発者にとってFilecoinストレージを導入するための最良の方法の一つとなっています。 Web3.Storageを試す(https://web3.storage/)

Web3.Storageには主に2つのコンポーネントがある:

- 複数のFilecoinマイナーとパブリックIPFSネットワークをまたがってデータを冗長的に保管し、データの保管場所に関する情報を提供し、CIDでデータを検索するサービス
- サービスとのインタラクションのためのHTTPエンドポイント、Javascriptクライアントライブラリ、そしてWeb UI。

各コンポーネントの概要については下記になります。

仕組みは?

バックエンドでは、Web3.Storageに送られたコンテンツは、Filecoin上のストレージプロバイダーのネットワークに持続的に保存され、またIPFS上に冗長的に固定されていきます。それと同時に、FilecoinとIPFSから該当のコンテンツ、データ、アプリケーションに対して、アドレス指向可能性持続性を与えます。コンテンツのアドレス指向可能性は、コンテンツ自身(CID)に基づいた不変のリンクを生成し、改ざんの記録を残さないままの情報変更・編集・破壊を防ぎます。 持続性はFilecoinサービスを通じて保存されるデータが無傷のままに利用可能であることを保証し、 ----これはFilecoinのロバストなエコノミックモデルと保管データの完全性を証明する機構によって支えられています。

具体的には、データがWeb3.Storageに送られた途端、Protocol Labsの下にある地理的に分散した3つのノードからなるIPFS Clusterに固定されます。ここからはFilecoinのネットワーク上に保存していくためのキューに入れられます。 キューに入っているあいだ、Filecoin側の処理として他のデータと一緒にパッケージ化され、地理的に分散した少なくとも5つのマイナーに保存されていきます。 また、冗長性と実用性を高めるため、データはPinataのような他のIPFSピンニングサービスにも固定されます!

サービスとのインターアクション

では実際にどうやってWeb3.Storageを使うかと聞く人がいるでしょう。 簡単さ!Web3.Storageは、HTTPエンドポイントを公開し、これによってWeb UIやJavascriptのクライアントライブラリを通してデータを保存することができます。

Web UIでは、アカウントやAPIトークンの作成、ファイルのアップロード、保存したファイルの一覧や保存場所の確認などができます。

クライアントライブラリは、fetchFileのようなおなじみのWEB APIに似た構文を使用しています。クライアントを構築し、_put()_メソッドを使用するだけで、わずか数行のコードでFilecoinにデータを保存することができます。

データがWeb3.Storageに送信されると、クエリAPIを使ってその状態を確認することができます。CIDを渡すことで、このデータの保存先の情報を得ることもできます。

どのようにして保存してあるデータを取り出すことができるでしょう?IPFSとFilecoinネットワーク上で特定のデータが保存されている以上、そのデータにいくつかの方法でアクセスすることができます。たとえば、IPFSゲートウェイ、あなた自身のIPFSノード、Web3.Storage自体、またはFilecoin検索などの方法があります。複数の選択肢があることで、アプリケーションに柔軟性を持たせることができます。また、検索手段に関わらず、ユニークなCIDが分かれば、誰でも特定のデータを要求することができます。検索方法の違いについては、Web3.Storage docsをご覧ください。

仕組みの設計による無料ストレージ

このようなサービスが無料なわけがないだろうと思われるでしょう。Web3.Storageにはインフラの整備が必要ですが、Protocol Labsはユーザーに無料でサービスを提供することができます。これは、ユーザーデータを保存するために、FilecoinのストレージプロバイダーがWeb3.Storageに費用を請求しないからです。これは、Filecoin Plusの経済メカニズムによるもので、すなわち、Filecoinのストレージプロバイダーがユーザーデータを保存すると、かれらが高額の報酬を得られますからです。

この経済メカニズムについて簡単にみてみよう...

Filecoinのストレージプロバイダーは、ハードドライブの容量をFilecoinネットワークにコミットし、これによって重要なブロック報酬を得ることができます。これは、ストレージプロバイダーにとって現実的な利益となり、Filecoinネットワークにハードディスクスペースを追加することにコミットさせる動機になります。

また、ストレージプロバイダーがFilecoinユーザーのデータを保管する場合、ブロック報酬を獲得する可能性は大きく上昇します----なんと10倍も!これは、Filecoinのストレージプロバイダーにとって、ユーザーデータを保存する強力なインセンティブとなるため、かれらは倍のブロック報酬を得るために、無料のストレージと検索サービスを提供する方向に向かっていきます。

その結果、ほとんどのストレージプロバイダーは現在、Filecoinでの保存・検索を無料で提供しており、ブロック報酬が強力なインセンティブであり続ける限り、今後も提供し続けるでしょう。これは非常に長い期間において成立するはずです。たとえば、今日ビットコインのマイナーにとってブロック報酬が強力なインセンティブになっているのも同じようなことです。

Web3.Storageの次の展開は?

Web3.Storageを立ち上げ、またFilecoinやIPFSインターフェースを使いやすくするために、皆さんと一緒に積み重ねて貢献できることを大変うれしく思っています。ロードマップで予定されている機能には、(ファイルだけでなく)DAGのサポート、完全にドキュメント化されたHTTP API、IPFS pinning services APIのサポート、スコープ付きの認証トークン、ウェブウォレットに基づいた認証などがあります。もし、Web3.Storageに欲しい機能があれば、私たちのGitHub repoにイシューを提出してください!

もう待ってはいられないでしょう!今すぐWeb3.Storageを始めて、IPFS DiscordあるいはFilecoin Slack]の#web3-storageチャンネルに入ってコミュニティに参加しましょう!