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琉球諸語をユネスコが6言語から11言語に変更!#32

琉球諸島には複数の言語が存在しますが、そもそも「琉球諸島」とはどこからどこまでを指すかその範囲を明確にしておきます。

琉球諸島とは奄美大島から与那国島までを指します。

1266年に奄美、1390年に宮古と八重山が琉球に入貢し、奄美大島から八重山諸島までの範囲は琉球王国に組み込まれ、1879年の沖縄県強制設置まで琉球王国は存在しましたが、この琉球王国の領土だった範囲が「琉球諸島」なのです。

そして琉球国内で使われた共通語はすなわち、うちなーぐち(おきなわ語)で、その中心となる言葉が「首里語」でした。

その他の琉球諸島地域、つまり奄美や宮古などではその島々の言葉を使っていました。

しかし、支配者である首里人と、奄美や宮古などの人とは言葉が通じなかったので、支配者の言葉である首里語を、奄美や宮古など琉球諸島のそれぞれの島の代表を首里に呼び寄せ、首里語を教え、それが1879年までは琉球諸島の共通語になっていたのです。

はい、つまり「首里語」が琉球諸島の共通語でしたが、沖縄県が強制設置された1879年以降は、首里語以外に奄美大島の言葉を「奄美語」、宮古島の言葉を「宮古語」などと沖縄学の父と言われる伊波普猷など、言語研究者が定義し始めたので、琉球諸島内にいくつもの言語があると認識されはじめました。

琉球諸島内にいくつの言語があるかという定義は、研究者によって意見が違い、私の悩みの種の一つでもあります。

悩んでいるさいに、ちょうど2009年にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が、琉球諸島には6つの言語があると発表しましたので、私はそれを参考にし以下の琉球諸島の言語地図を作成しました。

琉球諸島には

奄美語
国頭語
おきなわ語
宮古語
八重山語
与那国語

の6言語があり、この言語の総称を「琉球諸語」と言います。

私は2009年以降、上の言語地図をもとに大学などで講義し、さらに学術書などにも上記地図を掲載しました。

けれどもユネスコは上記6言語のみではなく、さらに増やし11言語あると近年発表しました。

それは

1 北奄美語(Northern Amami-Oshima)
2 南奄美語(Southern Amami-Oshima)
3 喜界語(Kikai)
4 徳之島語(Toku-No-Shima)
5 沖永良部語(Oki-No-Erabu)
6 与論語(Yoron)
7 国頭語(Kunigami)
8 おきなわ語(Central Okinawan)
9 宮古語(Miyako)
10 八重山語(Yaeyama)
11 与那国語(Yonaguni)

となっており、奄美語が南北に分けられています。

琉球諸島の言語を11言語と定義するユネスコのサイトには2023年9月14日現在アクセスしました。

しかしながら、またいつ変更されるか分かりません。

琉球諸島にいくつの言語が存在するかという定義は今後も各研究者によって変わり、さらにユネスコも現在の11言語という定義を変更するかもしれません。

私はユネスコが2009年に発表した6言語を基本的に教えて行くつもりですが、それは今後変更するかもしれません。

いずれにせよ、私の専門である、うちなーぐち(おきなわ語)は変わらず言語として世界的な機関であるユネスコも認めていますので、方言ではないということをご理解頂きたいです。

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