【現役IR担当役員コラム ： IR/SRの現場から】適時開示時刻について考える
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本記事は、過去のメルマガに掲載されたSさんのコラムを転載したものです。
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コラム：適時開示時刻について考える
こんにちは！Figurout外部アドバイザー（東証プライム企業IR管掌役員）のSです。
前回に引き続き、「IR/SRの現場から」と題して寄稿させていただきます。
11月5日から午後立会の終了時刻が15:30となりました。
「たかが30分？」とも思われましたが、ニューヨーク証券取引所では取引時間を24時間とするなどの検討も進んでおり、自国市場に投資家を引き付ける競争は熾烈な様相で、今回の延長もその一環のようです。
NISAの普及など、個人投資家による投資の活性化を目指すスタンスも影響しているようですね。
そこで発行体として課題となったのが、「決算発表を何時にするか？」問題。
東証からは発行体向けに9月5日、「より速やかな開示に向けたお願い」と題する文書が発信されました。
主旨は、従来立会終了後の午後3時以降に適時開示を行う企業が8割と集中している中、今回の30分後ろ倒しにより、更に開示時間が遅くなる懸念がある。
ついては、重要事項の公表タイミングは、社内手続きなどを完了し、速やかに行ってほしいとの内容でした。
また、10月25日付の日本経済新聞に、「ホンダなど50社超、取引時間中に決算発表」といった記事が掲載され、発行体担当者として悩まれた方も多かったと思います。
私の周囲でも、「大企業はIRのリソースが大きいので速やかに開示できるが、ウチは少ない人数でIRを対応しているので、早めることなんてできない。」といった意見や、「取引時間中に開示することは、ずっと株式画面に張り付いていることができない個人投資家などにとっては不利になるのでは？」といった意見が多かったです。
9月末決算（四半期決算）の開示が先週集中しました。
TDネットをみていると、多くの発行体が立会終了時刻である15:30に開示を出しているケースが多い一方で、前場終了後の11:30とする発行体。
そして、14:00や15:00に開示するといった発行体も散見されるなど、各社対応はバラバラだったようです。
今後、東証から統計的な数字も出てくるのだと思います。
一般的な発行体の決算発表日の流れとしては、午前中に取締役会で決算内容の決議がなされ、午後14:00くらいまでに最終開示チェックを行う。
そののちに東証システムにアップし、立会終了時刻に開示。
といったものだと思います。
リソースが限られる中堅上場企業にとっては、それを早めることは至難の業かと思っています。
また、運営面の問題もありますが、上記の仲間の声にもある通り、取引時間中に重要事実を開示することに私は少々懐疑的です。
私自身も一投資家として株式取引を少々やっていますが、保有株が取引時間中に急に株価変動することが稀にあります。
多くは発行体から何らかの開示がなされたタイミングで、株価があがればラッキー！と思うのですが、一方で、急落したタイミングでは、「ずっと開示見れるわけではないのに不親切だな。」と思ってしまいます。
機関投資家はそれが仕事なので株価チェックや開示チェックはタイムリーに行えるのかもしれませんが、個人投資家は本業ではないのでそうはいきません。
なので、私としては開示を早める東証の要請はあるものの、立会終了時刻に従来通り開示することがベターだと思いますし、特に個人投資家目線においては最大限の配慮だと思っています。
みなさまはいかがお考えになられますでしょうか？
まとめ
いかがでしたか？
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