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入管法改悪大反対〜ごちゃごちゃで茶を!茶色の朝を妨げよう〜

入管法が改定されようとしていることを知っているか?そんなことは自分の生活には何の関係もないと思えるのなら、あなたは世界のお茶のほとんどを知らないのかもしれない。

2月23日(木)東京JR上野駅の陸橋上で入管法改悪反対お茶アクションを行いました。2022年春から難民・移民フェス実行委員として集まった「ごちゃ混ぜ」メンバーたちが路上でお茶を振る舞い、入管法改悪に反対の意を表明するのがお茶アクションです。全く整然としない異様なアクション。お茶好きであってもなくても、「まあ、飲んで話そう」という、一見ゆるめの反対行動です。世界には数多くのお茶があり、淹れ方があり、飲み方があります。私たちは「色々」で、相互に尊敬したいし、されたいし、一口、ひとさじの経験で、発見できることがあるはずと信じこのアクションに私は全力投球しました。
路上で突然お茶?そんなことをして警察に叱られない?こんなことで入管法改悪反対の効果があるの?「ハテナ」はたくさんあっても私はそんなことはどうでもよいと思えます。日本での在留資格によって命の危機にさらされている具体的な知り合いを死なせたくないという悔い改めと祈りの行動をしないままではいられないからです。
その日はイランのお茶とお菓子、韓国のお茶とお菓子、ウクライナのお茶、ミャンマーミルクティが上野駅で300人ほどに振る舞われました。同時刻、同日に各所でお茶を飲んだ様子がSNSへ投稿され、その数を含めると500人以上が入管法改悪反対にまつわるお茶をその日に飲んだことになります。面白く、ゆったりした雰囲気とは裏腹に、入管法改悪案は冷酷で醜いものです。日本の外国人政策は差別であり、過去の軍事帝国主義の世界観を継承し続けています。
入管法改悪案の問題点は数えきれません。難民申請回数に制限を設け強制送還を可能とする改悪案では、帰国すれば命を奪われる人々を保護せず殺すことになるのです。入管施設収容が無期限であることや、難民認定に司法手続き不在であることも見直されていません。改定必要と説明する入管局発表には、仮放免者が日本で犯罪を犯しているとの刷り込みがあります。改定の前提が外国人=悪い人となっていることに怒りが込み上げます。しかし、それは私の内側にこびりついた偏見でもあり、こんな法案提出を許す現実を生んだのだと思います。犯罪を犯す可能性が高い人側に誰もが置かれ得る恐ろしい単一化社会の力が迫っています。排除の仕組みをつくった当事者になってはならないのです。これ以上は。
私の知人も既に3回目の難民申請をしています。この法案が通ると強制送還を免れ得なくなります。彼女たちは帰国すれば確実に迫害を受けます。黒白、赤白はっきりさせたい「力」に抗し、何色かわからないごちゃ混ぜで非力なアクションを貫いていくことが平和の取り組みなと信じ、これからも茶を入れ続け、飲み続け、話し続けたいと思います。茶色の朝を迎える前に。

今審議されている、入管法改悪案、とことん改悪案です。始まりは、入管収容が長期間になっていると文句を言われているから、それを改善するためらしいです。改善には悔い改めが必要です。2021年3月に入管収容施設で亡くなったウィシュマさんの死亡事件について真摯な態度で入管庁は向き合ってもいない。司法もこれを人権の問題として扱ってもいない。悔い改めることなく新しいものを出すことに、宗教者はもっと敏感に反応しなければならないと思います。
始まりにされているもので劣悪なものは、送還忌避者。帰らない人が犯罪を犯している⇨悪い人がいるからそれを取り締まろうという発想なのですが、そもそも、難民認定のための手続きが最悪な状況で、帰らないのは日本にいることがその人にとっての最良だと本人が判断しているからです。そしてその方々の数は約3000人。3000人の声を聞き取ることができないような行政ってなんだろうと思うのです。学校で働いていましたが、数年働いたら、余裕で3000人の学生の名前を覚えて一人一人のちょっとした事情ぐらいは把握しますよ、一人で。そうやって人とぶつかりながら、困りながらも対話を続けているのにな。人の命の問題だから、もうこのシステムを一回止めて、声を聞くことからやり直しでもいいじゃないかと思う。
声を聞くときに、ぜひお茶、どうぞ。やんわりするぜ。

この記事は、平和を実現するキリスト者ネット ニュースレター NO.235への寄稿文をもとに記しています。

[1] フランク・パヴロフ、ビンセント・ギャロ、 藤本一勇、高橋哲哉 『茶色の朝』 大月書店 2003年

 

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