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なんで勝ち星で投手を評価してはいけないのか

お久しぶりです。今回はタイトルにもあるように、「なんで勝ち星で投手を評価してはいけないのか」ということについて話していきたいと思います。自分は、小笠原選手について書いたnoteの中でも、そもそも勝ち、負けの数を書いてないですし、FIPやOPSなんかはある程度は覚えているのですが、「○○選手って今年何勝した?」と聞かれても答えることができないくらい無関心です。今回はその理由も含めて話していこうと思います。

投手の勝ち、負けの基準

まずは投手に勝ち、負けがつく時がどのような条件なのか振り返っていきましょう。公認野球規則9.17によると勝ち投手の基準は「ある投手の任務中、あるいは代打者または代走者と変わって退いた回に、自チームがリードを奪い、しかもそのリードが最後まで保たれた場合、その投手に勝投手の記録が与えられる。」「ただ、先発投手は5回投げることを条件とする」「この条件を満たす救援投手が2人いた場合は、勝利をもたらすのに最も効果的な投球を行ったと記録員が判断した1人の救援投手に、勝投手の記録を与える。」「救援投手が少しの間投げただけで、しかもその投球が効果的でなかったときに、続いて登板した救援投手の中にリードを保つのに十分に効果的な投球をした投手がいた場合は、前者に勝の記録を与えないで、続いて登板した救援投手の中で最も効果的な投球をしたと記録員が判断した記録員が判断した投手に勝を与える」となっています。とにかく重要となっているのが、リードしているときに投げているということですね。また、記録員の主観も入ることがわかります。

勝ち星、負け星の問題点

本題である、勝ち星、負け星の問題点について話していきたいと思います。前述したとおり、この指標はチームがリードしているということが非常に重要となっています。もちろんですが、1点も取れていないとリードできないため、9回を完全投球しようと勝ちがつかないということはありえる光景です。実際、4/17のZOZOマリンスタジアムでの試合で、佐々木朗希選手が8回を完全投球した際に、対戦相手の上沢直之選手も好投していて、0-0の状況で両者降板したため、どちらにも勝ち、負けがつくことがありませんでした。また、5/6のバンテリンドームナゴヤでの試合で、青柳晃洋選手が9回を0失点で投げていましたが、対戦相手の大野雄大選手が9回2/3を完全投球、10回を0失点で投げていて、青柳選手が10回に点を取られてしまったため負けがついてしまいましたが、9回までに阪神が1点でも取っていればこの負けは勝ちに変わっていたと考えると、投手の勝ち負けというものが残酷であると認識するのと同時に、改めてこの勝ち負けというものに疑問を感じる試合となりました。
ここまで具体例を挙げてきましたが、この投手の勝ち負けというものに対する問題点を抽象的にまとめると、「どれだけ素晴らしい投球をしていても打線の影響次第で勝ちがつかなかったり、負けがつく場合もある」「どれだけ打たれても打線次第で勝ちという評価を受けることができる」ことだと個人的には思っています。

なぜ自分が投手の勝ち負けを気にしていないか

最初に書いた通り、自分は投手の勝ち負けというものを一切気にしておらず、だいたい何勝何敗したかも興味がないので覚えてないです。何故かと言うと、何勝したか、何敗したかでどんな投球だったかが掴めないというところが大きいです。どれくらい点を取られたかを知りたい場合は防御率を見て、どれくらいランナーを出したか知りたいときはWHIPを見て、投手の責任となる指標のみを反映した成績はどんなものかを知りたいときはFIPを見るなど、その投手について知りたいことがあり、それに合わせた指標を見るということが普通だと思います。自分も頻繁に選手の成績を確認するのですが、特に何も考えず野球を見ていた時期を含めた13年間で、「ある投手の任務中、あるいは代打者または代走者と変わって退いた回に、自チームがリードを奪い、しかもそのリードが最後まで保たれた場合」を知りたくなったことは1回もありません。
ただ、この指標が使われる理由を考えると「勝ち」「負け」という大げさな名前が付けられているということがあると思います。ただ、名前とは裏腹に、勝ちがついた選手が勝ちに貢献していたり、負けがついた選手が負けの原因となるようなピッチングをしていたという断定ができない以上、この「勝ち」「負け」というのは名前負けしていると感じるので、廃止しろとまでは言いませんが(思ってはいます)何か別の適当な名前を付けたほうがいいんじゃないかと思っています。

まとめ

今回は投手の勝ち負けというものについて語りました。忘れがちなどんな場合につくのかの復習、問題点の具体的に起こった例と抽象的な説明、自分がこの指標を気にすることはない理由、なぜ投手の勝ち負けを重要視する人が多いのかを自分なりにまとめました。これを読んで、改めてこの投手の勝ち負けに対する認識を深めていただけるとありがたいです。拙い文で申し訳ありませんが、ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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