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副キャプテン#45鹿野選手インタビュー

正直言って、副キャプテンってあまりすることないですよ。宮さん(宮崎恭行キャプテン)がいないときに円陣で声を出すくらい。こんな事を言えるのは、ホントに宮さんが素晴らしいから。僕以外の選手もみんな僕と同じ副キャプテン、くらいの気持ちで自分の事としてチームに携わって欲しいと思っています。
このチームのカルチャーなのかもしれないですけど、ファミリー感がすごく強いですね。それを宮さんがリーダーシップを発揮してまとめてくれている。いい雰囲気です。非常にいい人たちが多いです。これはオフコートの話で、コートに入ったら言わなきゃいけないことってあるじゃないですか、嫌われてでも。僕は年齢的にも、そういった気付きを若い選手たちに伝えなきゃいけないのかなと考えていいます。ファミリー感というのはいい言葉だけど、悪く言うと仲良しクラブになってしまう。ここはプロの世界なのでファミリー感だけでは強くなれない。そのためには、僕自身が言うべきこと言い、やるべきことをしなければ響かないし、感じ取ってもらえないと思っています。

副キャプテンにはキャラクターで選ばれたんだと思います。宮さんは真面目です。抑えるところは抑えています。僕はふざけることもするんで、そういう意味ではいいバランスなのかなと。
キャラは素ではなくて、がんばってつくっています。バスケットボールで成り上がってやろうと20代前半から後半くらいまでがんばったんですが、日本代表やトップレベルは難しいかなと思った時に、どうやって生き残っていこうかと考えて、やっぱりキャラクターが重要だと思ったんです。だから、その時期から人がしないようなことにチャレンジしようというふうに思っていた。プレシーズンゲームでは、漫画『ドラゴンボール』のかめはめ波をしましたが、ああいうのも恥ずかしいとか思わなくなっちゃった。絶対やりたくない、恥ずかしくて無理っす、って言う選手もいますが、そういう感情なくなっちゃったんですよね。人前でしゃべることも、昔は恥ずかしくて緊張したんですけど、慣れてきちゃった。

やっぱり優勝したいですね。以前は個人にベクトルを向ける比重が大きかったんですが、チームとして結果を残したいという気持ちがどんどん強くなってきた。今年はB2で優勝したい。
個人にベクトルが向いていたのは、大学を卒業して最初に日立、今のサンロッカーズ渋谷に所属した時にまったく試合に出られなかったんですよ。社員選手で入って、プロ選手は僕が社業をしている間に練習している。1年間試合に出られなかった時に、これはどうやって挽回するんだ、やっぱり練習の時間が足らないと思って、プロを選んだ。そうなって、活躍するためにはチームのことよりも自分にベクトルを向けてホントにがんばった。それが結果的には、試合に出て評価してもらえることにつながったと思う。そういう気持ちも大事じゃないかと思います。
チームとして結果を残したい、と今になってガラッと変わったんじゃなくて、年々その気持ちは強くなっていたんです。それに上乗せして、コロナの影響もあって、いつまでバスケがやれるか分からない、となったら優勝して終わりたい、ということで、今年は特にチームに対する思いが強くなりました。今シーズン中に33歳になります。同じ年代の人たちがどんどん引退していく中で感じることもあります。

僕は筑波大の1年、2年、3年で関東大学リーグの2部でした。最近では馬場雄大選手がいたりして全国制覇もする強豪のイメージですが、僕が1年の時は2部の上位2チームが出られる1部との入れ替え戦に進んで負けて、2年生の時は3位か4位。3年生の時に入れ替え戦を2勝1敗で勝って、やっと4年生の時だけ1部でやらせてもらいました。ちなみに入れ替え戦の相手だった日体大には、今季からチームメートになった横江豊選手がいましたね。速くてうまくて、下級生なのにすごいインパクトがありました。僕はこの入れ替え戦が転機になりました。実業団の人の目にとまることができた試合だった。学生とプロでは置かれた立場が違うので、この経験は比較にはなりませんが、B2で戦う若いチームメートには似た経験をしてもらいたい気持ちもあります。B2で優勝争いをする中でいいパフォーマンスをする、っていうのは重要。チームとしていい成績を残して、その中で個人的なプレーの評価を上げる。僕自身もチームに貢献して優勝したいですし、若い選手たちも羽ばたくきっかけをつかんでもらいたい。

ここまでバスケットを続けられたのは、身長が大きかったからですかね。フォワードで190センチを超えているのは大きい方で、3ポイントシュートも打てるというのが一つの要因だと思います。細いので、体重増やしなさいとずっと言われてきたんですけど、恐らく太りにくい。体質的な問題。過去に10キロくらい増やしたことがあったんですが、動けないし、ひざ痛いし。数年間でプラス10キロみたいな中期的な計画が立てられるといいんですが、やっぱり1年1年が勝負なので。チームを渡り歩いた弊害だったかもしれない。でも、メニューはこなして、理想に近づけようとしていますよ。ただ古い考えかもしれませんが、気持ちでなんとかなります。おれOne on Oneで対峙した時に気持ちで負けなかったらたぶんプラス体重10㌔分くらいは、気持ちでカバーできると思います。フィジカルに関して言えば。トレーニングの効果って筋肉をつけて強くなるというのはもちろんですが、それに加えて自信だと思うんですよ。トレーニング自体はしっかりこなしているんで、自分自身への自信になっています。

昨シーズンが思いがけない形で終わってしまったので、またお客さんの前で試合ができることに感謝しています。しばらくできなかったことで強くなったバスケットに対する気持ちみたいなのがコートで表現できて、応援に来てくださった方に伝わったらいいなと思っています。バスケットLIVE上の画面からでもいいですし、できれば会場に来ていただいて。
あとは「らしさ」というか、ヘッドコーチが求めるバスケットというのをチームで表現して、FE名古屋はこういうチームだよねってだれからも言ってもらえるようなバスケットをして、なおかつ勝っていけたらいいなと思うので。見ている人たちが、これがFEのバスケだよね、と思えるものが確立されていけばきっと多く勝つことができると思うので。うまくいかないときにそういったものを見失わないように、と思っています。


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