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#23横江豊選手インタビュー

レギュラーシーズンは約半分が終わり、ファイティングイーグルス名古屋は18勝13敗の西地区1位で折り返した。クールな雰囲気をまとうポイントガード(PG)の横江豊選手は今季、バンビシャス奈良から加わり、全試合に先発。立ち上がりでチームのインテンシティ(強さ、激しさ)のレベルを上げ、試合のリズムを作り出している。

■優勝したいから移籍した

「移籍は難しいですね。1年間の流れってチームによってぜんぜん違いますし、新しいチームの環境にアジャスト(適応)していくという形になっちゃうので、移籍したばかりだと先があまり読めない。滋賀に7年半、奈良に2年いましたが、FE名古屋は朝と夜の2部練なのがこれまでと違います。夜に練習ということがなかったんで、最近ようやく慣れました」
 「PGでゲームメイクする立場ですが、それに関しては移籍の影響が大きいとは感じません。同じチームにいてもヘッドコーチ(HC)やメンバーが変われば、そのたびに変わるので」
 「杉本(杉本慶選手)は高校(滋賀・光泉=現校名は光泉カトリック)の後輩です。ちょうど入れ替わりでかぶっていないんですが、FE名古屋に入ってきた時にはしばらく高校の話をして盛り上がりましたね。ほかに知っている選手は洵生さん(鹿野洵生選手)しかいなかったので、後輩がいてくれて良かったなあと思っています」
 「クールぶっています(笑)。自分のことをよく知っている人に聞いてもらうと、ぜんぜんクールじゃない、ふざけた野郎だと言われます。ブースターさんとかチームメートからは、第一印象がちょっと怖いとか言われるんですけど、実際のところぜんぜん違う。ただ若い選手からはそろそろちょっとなめられてきています(笑)。ヨコさん、いじっても大丈夫みたいな感じで。自分もその方がやりやすいんですけど、このままクールのキャラで行こうかな。かっこいいし、無理やり変えることもないかなと思っています」
 「滋賀から移籍して出る時はすごく悩みました。地元のチームで(滋賀県草津市出身)、長く在籍してキャプテンもさせていただいていた。しかし、限られたプロ生活の中でどうありたいか考えた結果、移籍を決めました。今回の移籍はそれとは違います。去年、B2でフリースローのタイトルを取りました(成功率92.8%)。以前はタイトルにあまり興味がなかったんですが、スチールでもリバウンドでもシュートでもなんでもいいんですけど、タイトルは自分の価値を高めるもの。プロフェッショナルの中での1位はやっぱり特別な意味を持つ。プロで形として残るうれしさ、素晴らしさに気づかせてもらったので、今度はチームで優勝したいと思っていた。そこにちょうど、優勝できる力があるFE名古屋から声をかけてもらい、すぐに決めました」

■連勝できる力が必要

 「前半戦は(週末の節で)1勝1敗というのがすごく多かった。ここをなんとしても変えないとプレーオフも危ういし、優勝なんて絶対にできない。プレーオフを勝ち上がっていくには、連勝できる力をつけていかないといけない。チーム内の競争をもっと高めて、ポジション争いももっと高めて、チームレベルをもっと上げていく必要があります。その中で2連勝を絶対にできるような力を、クセというか、それをつけていかないといけないなと思います」
 「1日目に勝つと、2日目は相手がスカウティングをし直して、アジャストしてくる。自分たちはそのもうひとつ上を行かないといけない。アジャストされたことに対して受け身になっているという自分なりの感覚がある。そこをもうちょっと変えていかないといけない」
 「レギュラーシーズンが半分終わり、ようやくみんなチームの決まり事に共通理解ができつつあるかなという段階。シーズン後半に向けて、そのクオリティーをもっと高めていかないといけない。毎回、HCやコーチ陣に言われていることが一緒なので、それはなくさないとダメ。ボールを失うミスやディフェンスのコミュニケーションのミスなんですけど。試合に出ている選手と出ていない選手で差ができている。あまり試合に絡めていない選手も共通理解を高めないといけない。そういうところで若干遅れているかなと思います」
 「31歳なので、ベテランの域に入っているのかなあと思っています。自分より年上は宮崎さん(宮崎恭行選手)と洵生さんだけ。ほとんどが年下になります。自分が経験してきたことを同じポジションの松山(松山駿選手)とか、特別指定で入ってきている土家(土家大輝選手)とか若手にいろいろ伝えられることは伝えていく。小学校からプロまで全カテゴリーでキャプテンを任せてもらった経験があって、人に伝えるのは嫌いじゃない」

■コロナ禍で栄にまだ行けない

 「3歳と1歳の娘がいて、自宅で次に対戦する相手の直近の試合をテレビに映して見ていると、パパはどこ?とか聞かれます。3歳だと父親がバスケットをしていることをもう理解していますね。でも、スカウティングで別のチームの試合ばかりなので、パパはいま映ってないよ、と言っています」
 「名古屋に住むのは初めてで、(出身の)滋賀から意外と近いんですが、あまり来たこともなかった。住んでみてどう?って周りの人にも聞かれるんですけど、コロナでぜんぜん外に出ていないので、まだ栄のあたりとか行ったことないんです。車で通ったくらい。名古屋のことをまだぜんぜん知らない。でも、優勝したら、自分にとって忘れられない土地になるでしょうね」

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