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プロの音に酔いしれる

音楽を「官能的」と感じたのは、私の人生経験上、初めてのことだった。

脳と、心と、体が
溶けるような感覚だった。

日本を代表するするピアノ奏者、「反田恭平」さんの演奏だ。
彼の演奏に出会ったのは、YouTubeの動画。

最初は私の弾きたい「別れの曲」を、プロの方が弾いている動画を探していた。

自分が知る限りの有名なピアニストの動画を幾つか観た。興味を持ってみて初めて知ったけれど、同じ曲でも奏者によって個性がある。それぞれに違うのだ。

もっと私の思いにピッタリの演奏は...と、ネットで日本を代表するピアニストを調べていたとき、反田恭平さんにたどり着いた。

残念ながら、彼が「別れの曲」を弾いている動画は見つからなかったけれど、ある曲に私は釘付けになった。

べートーヴェンの「悲愴」第二楽章
こちらの動画の「1分15秒」辺りから始まる

彼の奏でる音色は、しっとりと柔らかく、魅惑的だ。何度も何度も1:15に戻って聴いた。どれだけでも、いつまででも浸っていたいと思った。

私が魅了されたのはその音色だけではない。ピアノを奏でる彼の指先。まるで独立した別の生き物かと思わせる、しなやかで柔らかな動き。うっとりと酔いしれてしまう。

彼の演奏は言うまでもなく別次元だ。自分と比べるべくもないけれど、彼と同じ楽器に触れていると思うだけで、なんて光栄なのだろう、とさえ思った。

動画で観ただけでトロけてしまうなんて、生演奏を聴いたらどうなってしまうのだろう。

いつか彼の生演奏を聴きたい。
できれば「悲愴」第二楽章を聴きたい。
楽しみがまた一つ、増えた。

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