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『事業(戦略)計画は未来の意思決定に関わるものではない』(P.F.ドラッカー)

これまでいろいろな企業の「事業計画書」を拝見する機会に恵まれてきました。とても精巧で、目立った論理破綻もない、ビジュアルもスマート。

でも、ほんとうに実行されるのだろうか?そう思ったことが何度かあります。アクション・プランが具体的でない、担当者や開始日の欄が検討中になっている。大抵、そうしたケースでした。

ドラッカーは、事業(戦略)計画とは、明日何を行うかを考えることではなく、明日のために今日何を行うかを考えることであるといっています。そして、そうした計画は、適切なスタッフに具体的な仕事として割り当てることで初めて意味を持つ。計画はあくまでも行動の基盤であり、いますぐにでも実行に移せなければ意味がないということです。

加えてドラッカーは、目標達成に向け、①アクションが体系的かつ意図的であること、②昨日を破棄する(これまで無駄なやり方だと思ったことを捨て去る)ことからスタートすること、③努力の倍加よりも新しい方法の開発に注力すること、④適切な開始時期はいつなのかを考えることの4 つを計画の重要素として挙げています。

「事業計画書」作りとは、ゴールに向かって、これまでの仕事を体系化し、その延長線上に、 新しい何かを、いつ・だれが・どのように実行するのかを具体化していく作業といえそうです。


参照:Peter F. Drucker,1993 ,” Management: Tasks, Responsibilities, Practices” (上田 惇生訳,2016, 『ドラッカー名著集13 マネジメント(上)―課題、責任、実践』ダイヤモンド社)

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