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Stay Nerd / Stay Emotional -Lasting Moments- ありがとうございました。

 少し遅くなりましたが、僕個人での初企画無事に終了いたしました。今でもあの最高の瞬間は自分にとって都合のいい夢じゃないんかとは思いますが、みんなのツイートやスマホに残ってる画像や動画データ見て「ああこれ現実やったんやな」ってなってる自分がいます。2月末のがっしーと共同企画の時と違って自分のやりたいことや信念でどこまで関西のライブシーンを盛り返れるのか、キャスティングやコンセプトを自分なりに考え、イベントの成功を結実させるべく1年以上動いてきました。コロナ禍による開催中止も危ぶまれましたが、当日は多くの方に助けられたことで最高の一日になったと思います。本当にありがとうございました。

 Buried Alive同様あまり関西ではあんまり思いつく人いないような意欲的なコンセプトでしたが、多くの方に受け入れられたようで自分が目指してきたことは間違いなかったんだなと確信させる一日でした。それと同時に、コロナ禍の前では絶対に感じえなかった、ライブがあって当たり前だと思って忘れていた日常の尊さや、普段から仲良くさせていただいている方と直接会って話せること自体本当に幸せな事なんだと教えられました。

 昨日のライブで感じたこととか書き綴っていこうと思います。長くなりますが、来場していただいた方も、出演していただいた方も、配信観てくれた or これから観る人も見ていただければ幸いです。(あ、でもこれから配信観る人でネタバレとか嫌な人はここで回れ右してください。観終わった後でまた戻ってきてね。待ってます。)

配信チケット購入リンクはこちらから、12月6日(日)まで視聴可能です。



 

大丈夫かな?





Color of Thread

-Set List-
1. EVIDENCE
2. Intro (SE)
3. Towards the Sky
4. Stationary
5. Figure Me Out

 今回のイベントの軸とはまた違うんですが、結論から言うと彼らにO.A.を任せて間違いなかったと思ってます。始動直後からコロナ禍に見舞われた苦しい状況にも負けず、今年一年近く地道にライブをこなしてきてその一年の締めくくりが関西の先輩たちとの対バンだったんですが、思いきり噛みついてくれましたね。

 今回出演してくれたどのバンドよりも必死にこの1年精力的に活動してきたこと、今回の企画に関する情報を解禁した時点で速攻で取り置きして全員で観に行こうとしてくれたこと、自分の信念に賛同して「地元神戸の若手として、荒削りなバンドながらどんどん勝負していきたいので企画に出させてください」と逆オファーをしてくれたこと、僕はVo.のいつき君はじめメンバー全員のその姿勢を全て知ってるからこそ安心して任せることができたと思ってます。今回のライブに対しても先輩に負けないくらいの気迫があったし、主催の僕がとかそんなの関係なく、Color of Threadとして与えられた20分のステージを全力でやり切ってくれました。

 音楽性もダウンチューニングを用いたモダンメタルコア・ポストハードコアを軸にしながら、Twitterで紹介しているセットリスト最後の曲「Figure Me Out」のような、神戸の先輩バンドUNIONSを彷彿とさせるりゅうと君のラップパートとキャッチ―なクリーンコーラス、そしていつき君の苛烈なスクリームからも見られたBreathe My Wordsのアグレッシブさを取り入れつつも、彼らのスタイルの片鱗が見えていたかと思います。後に控える先輩たちに神戸のメタルコア・ポストハードコアの未来をしっかりと見せつけてくれました。

 また、Winsethのところで書くとそっちが長くなりそうなんで先にこちらで書くんですが、3曲目の「Asgard」、昨年末にリリースされたEPの楽曲で最もアグレッシブなブレイクパートがあるんですが、そこでColor of Threadのフロントマン二人が先輩からの当日の無茶ぶりにも対応してくれましたね。バチバチにかましてました。ちなみに事前にWinseth側からセトリをもらった時は何も聞いてなかったので、あれは本当にその場で決まったやつです(アーカイブで観れますので配信チケット買ってチェックしてください)。兵庫の先輩後輩バンドがお互い初めて一緒にライブする機会を与えることができて光栄です。

 2021年以降も精力的に活動していくと思うんで、関西のシーンの未来をこれからも要チェックでお願いします。


余日

-Set List-
1. inception (SE)
2. 追憶より
3. その虚しさは(SE)
4. 終束論 (feat. 孝弥 from Winseth)
5. ゲノム
6. 拝啓、ジュブナイル(SE、新曲)
7. YOKA(新曲)
8. anothers

 事前に上げたバンド紹介でも述べた通り、感性と感覚に静かに染み入るような美しくも激しい音楽、「それぞれの日常を思考する」のキャッチコピーの通りリスナーに語り掛けるように提示するテーマ性と解釈の余地を十分に与えるリリック、一見モノトーンで無機質なように見えて時折垣間見える激情的な雰囲気、それらのミステリアスな雰囲気を余日は持っています。実際音源を聴いた方やライブをどのような形であれ観てくれた方には一片でも伝わってくれたかと思ってます。今回の企画の出演アクトの中でも最もダークで美しいバンドです。バンド界の「魔法少女まどか☆マギカ」の暁美ほむらです。あらためて「もし人生を周回できたとしても変えられないものだってきっとある、だからこそ今の1秒が大切なんだ」と、今この瞬間に生きていることの大切さを教えてくれました。

 セットリスト4曲目「終束論」音源化されてから初めてライブで観たんですが、自分は「いつか訪れる終わりをどのように受け止めるか」というテーマをリスナーに問いかけているのだと思います。いくらでも解釈の余地はあるので是非皆さんも聴き返して考えてみてください。音源ではA Ghost Of FlareのVo. Yojiroさんがfeat.するパートがあり、過去のライブではYuzurihaのVo.夏目君やPerLeのVo.28ちゃんがfeat.していたのですが、今回はトリ前に出てもらったWinsethのVo.孝弥さんがfeat.でした。(ちなみに28ちゃんのfeat.は歌っている歌詞もフレーズも原曲と違うので聴き比べてみると面白いです、今年5月の無観客ライブの様子を下記動画からご確認ください)。「今回も28ちゃんが思い切りかましてくれるやろ~」って思ってた矢先、当日のセットリストを一週間前までに頂いていたのですが、「これ絶対カッコいいやつじゃん」って小学生並みの感想ながら感じました。生で観れた人は自慢していいと思います、実際カッコよかったし。

↑(「終束論」で28ちゃんがfeat.しているのは46:15から)

 それと、出演アクト発表からだいぶ後にバンド側から発表されたのもあったとはいえ、企画では銘打ててなくて余日のメンバーの皆様には大変申し訳なかったのですが、今回は3rd Single「YOKA」がリリースされてから最初のライブであり、オリジナルメンバーのベーシストが脱退して以降サポートを務めていたBa.のハジ君が正式加入後初のライブでした。当日はそれにちなんで7曲目で11月18日にリリースされた新曲「YOKA」を初披露してくれました。

 今まで余日が持っていたモノトーンかつ無機質なイメージは残しつつも彩りを添えたような雰囲気です。字面だけ見ると矛盾するようだけど彼らの音楽だとどこか納得してしまう説得力があります。今までよりもポップで陽性のある曲調なんですが、歌詞を読んでみるとどこか寂しさと懐かしさがあるような気持ちになれます(一部抜粋します)。

「描き続けた終わりのない作品でさえも 
 いつか褪せゆく 色彩は溶かされてゆく
 散ってしまったあの日の僕らは
 もう戻らないのだ、どれほど悔んでも」
「この苦しみこそが生きている証だから
 何度悩めど、このまま駆け抜けて行け」

まるで撮りためた写真を見返しながら、二度と戻らない瞬間を懐かしんだ後そっと胸の内にしまい込みながら前へ進んでいく感じです。また、今回正式加入したBa.ハジ君も編曲で関わっているそうですが、遊び心あるフレーズを多用しているので注意深く音源を聴いてみてください、特にアウトロが完全に悪乗りです。新曲初披露の場に、僕の企画を選んでくれて大変感謝してます。


PerLe

-Set List-
1. Gedächtnis (SE)
2. Amulette
3. Moon Drip
4. IMPERIO(新曲)
5. nocturne (feat. 旭 from 余日)
6. morte fluer(新曲)

 今回の関西4バンド+O.A.の中で一番ファンタジー要素の強いPerLe、3月の彼らの自主企画で観ることができなかったので、O.A.除くと唯一初めて生で観ました。どこのバンドとも被らない唯一無二の世界観、様々な民族音楽や伝承や物語からインスピレーションを受けた、ストーリー性の強い幻想的な楽曲で小説・ライトノベルの物語の世界にオーディエンスを連れて行ってくれましたね。「ライブで感じるラノベ作品」と僕が例えてるんですが、フェイクアイビーやステンドガラス風のフィルムを貼り付けた蛍光灯で装飾されてフロア、黒を基調とした衣装、そしてところどころに挟まれる「物語の語り手」をイメージした演出、どれもユニークで凝ってたし、バンドとしてのオリジナリティーは今回の出演者の中では断トツでした。まるで異世界の物語を追体験しているようなパフォーマンスとステージングに魅了された方も、初めてPerLeを観た人の中にはいたかと思います。

 まだ1st EPの「Anemone」をリリースして8か月しか経ってない中、未発表の新曲を2曲セットリストに入れてくれました。まずは上記ツイートから抜粋している、4曲目にやった「IMPERIO」から触れていきます。この曲PerLeのメンバー間では「エジプティ」と称してた曲らしいのですが、まさにその通りでアラビア音階をフィーチャーした、民族音楽や伝承がバックボーンにあるPerLeだからこそできる意欲的な楽曲でした。大サビ後のシンガロングパート、コロナ収束したらみんなでシンガロング必至系です。「新しい世界でこそ、生まれる物語がある。そう信じて、私たちは刻み続ける。心躍る音楽があれば、私たちは輝き続ける。」と前振りの語りのとおり、新しい世界をオーディエンスに魅せてくれました。

 また、メンバー曰くライブ前から「命がけの新曲」「血だらけで帰る」というファンタジーな雰囲気なのにさらっとサイコパスじみた怖いことをつぶやいてましたが、おそらくこの曲のことだと思ってます。この記事書くためにアーカイブを何度も見返してるんですが、この曲とにかく展開がコロコロ変わるのでだいぶ覚えるの苦戦したんだろうな~ってリスナー並みの感想ながら思いました。実際ライブ観た時もほかの曲と比べて皆必死に演奏しているのが如実に見えてます。

 それと、まだTwitterには上げてませんが、セットリストの最後にやった新曲「morte fluer」、一言で感想をまとめると「なんでこの曲がヴァイオレット・エヴァーガーデンの主題歌に収録されてないのか」ですね。この曲、語りの後に28ちゃんがマイク通さずにアカペラで歌いだすところから始まったんですが、ホント鳥肌立ちましたね。セットリストの最後を飾る壮大な3拍子のミドルテンポバラード、タイトル名はフランス語なんですが各々調べてみてください。歌詞と照らし合わせながら聴くと絶対泣くこと請け合いなんで。恐らく全バンド中この曲が一番「Stay Nerd, Stay Emotional -Lasting Moments-」のコンセプトに近いと思います。

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 ↑皆さんはもう「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」観に行きましたか?いい映画でしたよね。

 あと「Amulette」終わってからの28ちゃんの語りパートが本気で僕を泣かそうとしてて愛を感じました。 前述の配信ライブを観るを察するに、おそらく当日のイベントのコンセプトやキャスティングに合わせて一言一句彼女が前もって考えてくれてたんだと思いますが、僕の今回の企画「Stay Nerd, Stay Emotional -Lasting Moments-」の「観てくれる人の心と記憶にいつまでも残る最高の瞬間を刻んでいきたい」というコンセプトとフライヤーのデザインを拾ってこんな語りをしてくれました。

「どんなに長い間読まれない物語があっても、いつかはあなたのもとに届くと、そう信じています。
 時は必ず一秒一秒進んでいます。すべての時はもう後には戻らないから、私たちはここに物語として、今を刻みます。
 刻んだ物語は、少しずつ海に流れ出していく。でも、誰かの記憶に残り続けるものだから。。。」

 改めて字に起こしてみると、彼女が今回の企画のテーマを的確にとらえてくれていたのか、わかっていただけると思います。「海」は僕の今回の企画のフライヤーデザインから取ってくれました。ちなみにあのフライヤーの背景は僕がこの夏休みに「Summer Pockets」聖地巡礼で直島に行ったときに撮ったやつです。恐らく出演アクト第一弾発表時に更新したnote記事でも触れたかと思いますが、せっかくなんで再掲しときます。

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 ↑実写とゲームの背景が完全に一致。しろはちゃんかわいいですよね。

「生で初めてPerLe観ます」なんていう人間の企画にも関わらず、当日まで積極的にSNSでの告知をしていただいたり、未発表の新曲を引っ提げてライブしていただいたり、とにかく今回の企画のコンセプトに真正面から向き合ってくれた、PerLeがもっと好きになりました。元々「Squall Of Screamと対バンさせたいから企画に出てもらいたい」という気持ちから始まったんですが、本当に呼んでよかったです。出演していただきありがとうございました。

 あ、余談ですがこの記事書いている最中に公式アカウントから意味ありげな画像がツイートされてますが、来年以降はもっと心がワクワクするような新しい世界へ連れてってくれるんで今後ともチェックしといてくださいね。


Unvision

-Set List-
1. Brighter
2. Deadfall
3. RESTRICTION OF FLAGS(ライブ初披露)
4. In the Bloom
5. Utopia

 今回の企画にて僕が最初に声を掛けている関西勢4バンド(余日、PerLe、Unvision、Winseth)に関しては、「界隈でよく言われる【叙情】とはまた異質な、どこかミステリアスでエモーショナルな音楽を奏でるユニークなバンド」を軸にしてます。正直関西勢は最初にこの企画を立案したときからこの4バンド以外考えられない(逆オファーが来たColor of Threadは除く)と思っていて、その軸を固めてくれたのは彼らUnvisionです。今回の企画も一番最初の段階で声を掛けたんですが、即日で出演を快諾してくれました。

 彼らのアルバムツアーファイナル以降なかなか機会に恵まれなかったのもあって、当時はサポートだったVo.テル君が正式加入してから初めて生で観たんですが、昨年以上にもう一人のVo.ケンジ君と息の合ったパフォーマンスを披露してくれたなって感じました。それは曲中だけではなく合間の軽快なノリで進んでいくMCにも現れてるんじゃないか改めて思います。もちろん楽器隊のステージングとパフォーマンスもいつも通りバチバチにこなしながら、「Unvision」としか形容できないハイレベルで個性の強い楽曲をプレイしてくれてました。

 今回のセットリスト、楽曲を聴いてみるとわかると思うんですがいつもよりもハイペースな楽曲が多くて、最初にテル君からメールでセット表もらった時最初に思ったのが「これ全力でやりすぎて終わった後で皆燃え尽きひん(特にDr.のかいちゃんが)?」でした。それが如実に表れたのが上記ツイートのとおり彼らがライブで初披露した、テル君正式加入後初の音源「GUARDIAN」から「RESTRICTION OF FLAGS」です。聴けばわかる通りこの曲とにかくハイペースで弦楽器隊は刻んでいくし、ドラムもバスドラ踏みっぱなしの「みんな大好き大堂メタルコア」な楽曲です。こんなハイレベルな楽曲をさらっと演奏する楽器隊、やっぱりとんでもないですね。。。

 今回のライブでUnvisionにとっては大きな節目を迎えたのですが、それが始動からバンドを支えてきたオリジナルメンバーのGt.マサト君の卒業です。実は6月の時点でバンドの公式アカウントではすでに脱退はアナウンスされていたんですが(上記)、その時コロナ禍でなかなか最後のライブが出来ない中、今回の企画の中でサポートメンバーという形で出演して最後を飾っていただきました。本当に今までお疲れ様でした。

 また、僕はUnvisionを「劇場版ポケモン系ポストハードコア」と例えてるし、変幻自在な音楽性と彼らのほとんどがポケモントレーナーだからそういってるわけですが(彼ら自身はもはやポケモンとすら言っていましたが)、企画当日も彼らのポケモン好きが伺える場面が結構ありました。ポケモンのフィギュアが並べられている物販テーブルはいつもの通りで、Gt./Main Composerのくろちゃんのアンプの上にはラッキーのフィギュアが置いてあったり、くろちゃんがミスタードーナツのポケモンドーナツを本番前に購入してPerLeメンバーに振舞っていたりしていました。

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 ↑ミスタードーナツのポケモンドーナツ(ラッキー)。期間限定らしい。

 さらに一番印象深かったのが4曲目「In The Bloom」に入る前のMC、実はこの日Dr.のかいちゃんが誕生日で、Unvisionメンバー各位がサプライズでかいちゃんがプレゼントを渡したんですが、その中身は「ポケットモンスターシールド エキスパンションパス付」というポケモン好きなかいちゃんにうってつけのプレゼントでした。「さすがポケモンバンドやな」ってテル君が言ってましたがほんとその通りだと思います。言い出したの僕だけど、この日は全力でノってくれて嬉しかったですね。

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 ↑Unvisionメンバーからかいちゃんへのサプライズプレゼント (ポケモン)

 そして、ライブの後にテル君に言われたのが未だに印象に残ってます。「久しく忘れていた(ステージに立つこと = 自分が生きている意味)感覚を取り戻せたような1日だった」と。おそらく口に出さずとも、今回出演してくれた各バンドの皆同じように感じているだろうとは思っているんですが、改めて面と向かって言われたことで、コロナ禍の最中でもこの企画を決行したのは大変意義のあることだと再認識させられました。Unvisionの皆様、出演していただきありがとうございました。

 

Winseth

-Set List-
1. -petunia- (SE)
2. メアン
3. Asgard (Feat. Itsuki & Ryuto from Color of Thread)
4. 宿木 (SE)
5. 白銀に淀む
6. 桔梗と鴉(新曲)
7. その灰を纏う

 今回の企画でWinsethに声を掛けたのは2つ大きな理由があるんですが、一つ目は以前も述べた通り、彼らのイベントに対する真摯な姿勢に僕が多大な影響を受けてきたからです。Winsethのメンバーが携わる自主企画の多くは「ローカルのライブシーンをもっと盛り上げていきたい」ところをコンセプトにおいているからこそ、同じように考えている僕も彼らの力が必要だと思って声を掛けさせていただきました。昨年の自主企画で観た時と同じKINGSXでスケールアップした姿を見ると感慨深いです。

 二つ目は形容しづらいんですが、今まで彼らがあまり意識しなかった感じの「界隈でよく言われる【叙情】とはまた異質な、ミステリアスでエモーショナルな音楽を奏でるユニークなバンド」を集めた、明確なコンセプトあるキャスティングの一片として呼びたかったからです(個人的には3月の余日レコ発のキャスティングの方向性が近いと思います)。バンド紹介でも散々ふざけ倒した通り、三ノ輪銀の生き様に感銘を受けた「結城友奈は勇者である」(通称:ゆゆゆ)シリーズ大好きマンなVo.孝弥さんが、その作品を題材にした二次創作的な楽曲を作ってるわけですが、今まで話題にされなかったので敢えてその一面に着目してみました。この側面は後述のSquall Of Screamにも似通った部分があるのですが、終わった後でお互いのフロントマン同士が良い刺激を受けてたのが素直にうれしかったですね。僕もがゆゆゆが好きになった以上、以前からWinsethの曲を聴いているリスナーにも別の側面を見てもらいたいと思ったので呼びました(絶対大きなお世話やと思われてそうやけど)。

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 ↑三ノ輪銀の勇姿を忘れてはいけない(戒め)って孝弥さんが教えてくれました。

 そして6曲目でライブ初披露された未発表の新曲「桔梗と鴉」いかがでしたでしょうか? 僕は間違いなく今までのWinsethの楽曲の中で最高傑作だと思ってますし、生で観たとき号泣しました(マジ)。というかアーカイブ観返す度泣きそうになります。メロディやバックで流れるストリングスがこれまで以上に儚く美しいものになったり、「各メンバーから不平不満が出る」くらい皆忙しいことやってたり、同じパートは二つとしてない約6分弱の大作なんですが、この曲最大の見どころはツイートの通り中盤の1分強にわたる孝弥さんのポエトリーパートです。本当にこの部分から後半の盛り上がりまでの展開が神がかってるので一部抜粋するんですが、歌詞はアーカイブからの聴き取りなのでご容赦ください。

「花を結い続ける日々があった。
 友を信じた朝があった。
『この手向けはこれで最後となる』、
 最期を看取った時にそう誓った。
 全ては救われるべきものだと信じた。
 全ては報われるべきものだと信じた。
 この命をここまで燃やして、全てを捨てた。」

 これも実は過去作同様元ネタがあり、今回は「結城友奈は勇者である」シリーズのひとつ「乃木若葉は勇者である」なんですが(参考画像下記、もはや曲名の時点で絶対そうやろって思ってました)、知らない人でもこの一節だけでどれだけ儚くて悲壮感あふれるフレーズなのかわかっていただけるかと思います。元ネタの内容はここでは触れないので気になる人はチェックしてみてください(ダイレクトマーケティング)。メンバーがポロっと言ってましたが、この曲音源化の予定があるので楽しみにしときましょう。余談ですが過去作「白銀に淀む」「その灰を纏う」と世界観を共有しているらしいので、気になる人は孝弥さんが酒が入って饒舌な時に聞いてみてください。多分1時間くらいは熱く語ってくれると思います。打ち上げで彼に話を聞いてみたんですが、僕の想定の100倍くらい緻密に考えてこまれててついていける気がしないです。

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 ↑ゆゆゆシリーズの中で一番心が痛むんで覚悟して読んだほうがいいと思います。タイトルの周りの花は...各自調べてみてください。

Vo. ふじぽん君のMC、観た方にはもう伝わってるかと思いますが過去最大の熱量をオーディエンスにぶつけてくれました。特に「宿木」の時のMC、多くの方に支えてもらってこそこの企画が成り立っていることを再認識させられました。そして彼らも8か月何もできずにずっと歯がゆい思いをしていたことも。流石に「昨年の俺らの企画(新体制での音源リリース後初企画『SOUL-STIRRING』)のほうが大成功だった」「そりゃキャパシティ制限で50名しか入れないからね」って心の中で突っ込みましたが、「君なら絶対まだまだ大きいことやれる」って意味の裏返しってことで好意的に解釈しときます。

 まとめると今まで観た中で一番最高のライブやってくれたなって思ってます。その溢れんばかりの熱量でトリ前の「お役目」を果たしてアンカーのSquall Of Screamにバトンを繋いでくれたし、僕も今まで以上に彼らを好きになりました。今後も一緒に関西を盛り上げていきたいと改めて感じました。力を貸してくれて本当にありがとうございました。


Squall of Scream

-Set List-
1. Everlasting Sky
(SE)
2. 彼岸にて泡沫は咲き(ライブ初披露)
3. 少女は一人、その風景とともに
4. Lost Fantasia
5. 舞い散る花は幻想のようで(ライブ初披露)
6. True End

 彼らに関しては何から話したらいいのか、これ書いている今でもいろいろ思い出しながらなんですが、最初に思い浮かんだのは、自分の初個人企画は絶対にSquall Of Screamを呼びたかったし、彼らが「レコーディングバンド」「架空のバンド」という枠を飛び出してライブ活動を本格的に始めた時から絶対に声を掛けようと思ってました。それは前回でも触れた通り、一昨年の冬の秋葉原HUBでのあの『君は絶対個人でイベント企画した方が良いよ‼︎その情熱があれば上手くいくよ‼︎』という後押しが無かったらこの最高の一日は絶対に生まれなかったと思います。「僕じゃなかったら関西には来なかった」っていう自負が全くないわけではないですが、それ以上にメンバーの環境の変化やコロナ禍の中、東京から力を貸してくれて感謝しかありません。本当にありがとうございました。

 今回のセットリスト、ファンの方ならさすがにわかってると思いますが、今回のS.O.Sで一番エモーショナルなセットリストだったんじゃないでしょうか(まだライブして3回目だけど)?ライブ初披露の曲が2曲あるんですが、どちらもバンドにとって思い入れの強い曲なのは間違いないと思います。まず一番最初にやった「彼岸にて泡沫は咲き」、Vo.のタクトさんにとってかなり思い入れのある曲です。「彼岸に逝った大切な人への曲」と言及しておりますが、この楽曲がリリースされる前(2018年の9月)の年に祖父を亡くし、その日がちょうど11月22日だったとのこと。ちなみに僕が11月22日に企画をやろうと決めたのとは全く関係なく、本当にただの偶然なのですが(準備期間、出演者のスケジュール的に一番都合が良さそうだと思ったので)、浅からぬ縁を感じました。だからこそ今回のライブでこの曲を生演奏で初披露してくれたのはすごい嬉しかったです。東方アレンジサークルが放つ世界観は多岐にわたりますが、Squall Of Screamはその中でも原作の東方の世界とメンバーたちの内面のバランスを薄氷の上を渡るような危ういバランスで両立させているんじゃないかと思っています。

 もう一つのライブ初披露曲「舞い散る花は幻想のようで」、この曲は皆ノーマークだったと思いますが、個人的には今回のライブで一番生で観たかった曲です、本人たちには直接言ってないけど。上記の通りこの曲は昨年の春例大祭で「東方ラウドは終わった」と否を突きつけるために彼らが主催になってリリースしたコンピレーションアルバム「Let's Change The World's End」に収録している最後の楽曲で、現在女性Vo.のユイさんが正式加入してから初めて公開された楽曲なんですが、この曲が一番コンピレーションアルバムの意図に近いと思っていて、サークル/バンドとして最も影響を受けたDraw The EmotionalやForeground Eclipseへの気持ちをぶつけていると考えております。当時彼らの活動が止まった時に感じた悲しみ、時代が移りすぎていくことの儚さを花に例えているところ、そして彼らが帰ってきた時に東方ラウドが「面白い遊び場」として盛り上がっているようにという決意を表しているからお気に入りです。他の楽曲もすごい良いので下記リンクから、時間があるときに僕が以前書いたレビュー記事も是非読んでみてください。ステージからダイブしたい気持ちを必死に抑えましたね。。。(コロナ禍による制約が無かったらぜったいにやってた)。

 流石に僕が今回の出演アクトの中で一番思い入れがあるとはいえ、アウェーの地で大トリやらせたのは若干申し訳なく思ってます。。。が、それ以上に今回出てくれた関西の出演者やオーディエンスの皆様の琴線にも刺さったんじゃないかな?って思って感動してます。今回正直彼らが関西のバンド達と馴染めるか正直不安もわずかながらあったんですが、もともとS.O.Sと対バンありきで声を掛けていたPerLeのメンバー(28ちゃん、ユイさん達と女子会やるみたいなこと聞いていたのですが、あれどんな感じだったのか気になります)、タクトさんと誕生日が一緒で一緒に打ち上げで関係者に祝ってもらったUnvisionのDr.かいちゃんや、作品のベースは違えど二次創作を題材にした楽曲を作っているWinsethのVo.孝弥さんとタクトさんがアニメ語りしているのを観てその心配は杞憂だったと感じました。しかし、僕が用意していた二人へのバースデーケーキを出したときに、卒業式の定番曲である「旅立ちの日に」なぜ皆が大合唱したのは今でも謎です。

 あと、この日の初遠征の様子をタイムラプスを使って動画にしてくれてます。一ファンでここまでやってくれるSquall Of Screamメンバーに愛しか感じません。是非観てみてください。

 そして、今回出演してくれたSquall Of Screamですが、現在制作中のオリジナルEPすごい楽しみですね。先行公開された「花の名」をヘビロテしながらEPのリリースを期待して待ちましょう。「花の名」は「あの夏アニメ(言うのは野暮なので明言しませんが)」が元ネタですが、ここだけの話、今年僕がドはまりして号泣した某ゲームも題材になるとかならないとか。

 あと東京でライブが何本か決まっています。今回の企画に来れなかった首都圏在住のオタクは遊びに行くことをお勧めします。特に1月30日(土)は配信もあるらしいので今回の企画に遊びに行った関西のオタクも配信から一緒に楽しみましょう。もちろん今回で最初で最後の関西でのライブにさせる気はさらさらないので、また彼らと一緒に最高の日を作れるように頑張ります。

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御礼

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 まず企画をさせてくれた神戸KINGSXスタッフの皆様、事前準備から当日までご相談させていただき本当にありがとうございました。営業終了前に関西でトップクラスに思い入れのある神戸KINGSXで自分の企画を開催できたことを誇りに思います。

 Color of Thread、余日、PerLe、Unvision、Winseth、Squall Of Screamの皆様、コロナ禍で大変な状況の中出演していただき本当にありがとうございました。各バンド表現の仕方はそれぞれ違えど、今までで一番良いライブをしたんじゃないか?って観てくれた方も僕も思ってます。「最高の1日」「素敵な企画」と皆口を揃えて言ってくれましたが、皆様の尽力なしには成しえなかったと思ってます。最高の一日を一緒に作れたことを誇りに思います。

 そしてどのような形であれライブを観てくれた皆様、本当にありがとうございました。公演の一番最後に僕が言ったとおり、この日にあなたが目に焼き付けた最高の瞬間を、ずっと心と頭に刻んで忘れないようにしっかりと覚えていてほしいです。それは今この苦しい状況下でも希望を持って生きていくための思い出として胸の内にしまっていてくれればと思ってますし、コロナ禍が終息して前と変わらない「いつもどおり」の日常が帰ってきたときに、またライブハウスで僕たちと一緒に一生記憶に残る最高の瞬間を刻んでいきましょう。僕もその頃には県外からもバンドを呼んで、そこら辺にあるようなただ「カッコいいバンド集めました」で終わらない、血の通った信念のある企画をやると思うんで是非遊びに来てください。

 長くなりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。Twitterでも何でもいいんで #SNSE のタグ付けて感想とかもらえると嬉しいです。

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