マガジンのカバー画像

「ソニー技術の秘密」にまつわる話

61
ここでは、ソニー株式会社の研究技術開発の要を果たし、「ソニー創成期の基礎技術」を確立させた 木原信敏 (きはら のぶとし) の著書『ソニー技術の秘密』に記された研究開発の歴史を振…
運営しているクリエイター

#ベータマックス

ソニー創成期の基礎技術を確立した、伝説の技術者が残した名著 〜 『ソニー技術の秘密』 にまつわる話を

■ ソニー創成期の基礎技術を確立した、伝説の技術者1946年 (昭和21)年に井深大、盛田昭夫により創設され、現在では世界的な大企業としてその名を世界に轟かせている ソニー株式会社(Sony Corporation) その創業期より数々の「世界初」「日本初」の製品を誕生させ、ソニー創成期の基礎技術を確立した、伝説の技術者がかつて存在していました。 1950 (昭和25) 年に発売された、国産初のテープレコーダー『G型テープコーダー』。 1955 (昭和30)年に、ト

「ソニー手帳」サイズのカセット化を目標に開発された、家庭用カラーVTRの決定版! 〜『ベータマックス』 VTR

『ソニー技術の秘密』にまつわる話 (45) VTRがカセットの時代を迎え、高性能なマスターVTRとそのソフトを複製するダビングシステムを盛り込んだ『ソニーカラービデオカセット総合システム』が発表された直後の1971 (昭和46)年4月、ソニーの技術者・木原信敏は 本格的な家庭用VTRを開発したい との思いから、新たに『400型』と名づけたVTRシステムの構想を図面化することに取りかかります。 同時にソニー創業者の一人・井深大より 「これぐらいの大きさのカセットがいい

新しい技術がもたらす家庭娯楽の素晴らしさを訴え「タイムシフト」の概念を生み、約40年に渡り愛された 『ベータマックス』

『ソニー技術の秘密』にまつわる話 (46) 放送業界などの業務用機器として活躍する『U-matic』の後継機として、ソニー創業者・井深大の要望でソニー社員に配布されている、A6判の文庫本サイズの「ソニー手帳」サイズのカセットから開発された『ベータマックス』は、1975 (昭和50)年4月16日の経団連会館にて発表され、 いよいよ家庭用VTRの時代が到来した! と、業界の反応は上々で、「日経産業新聞」では次のように報じていました。 " ポストカラーの本命はビデオといわれ