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「ソニー技術の秘密」にまつわる話

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ここでは、ソニー株式会社の研究技術開発の要を果たし、「ソニー創成期の基礎技術」を確立させた 木原信敏 (きはら のぶとし) の著書『ソニー技術の秘密』に記された研究開発の歴史を振…
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ソニー創成期の基礎技術を確立した、伝説の技術者が残した名著 〜 『ソニー技術の秘密』 にまつわる話を

■ ソニー創成期の基礎技術を確立した、伝説の技術者1946年 (昭和21)年に井深大、盛田昭夫により創設され、現在では世界的な大企業としてその名を世界に轟かせている ソニー株式会社(Sony Corporation) その創業期より数々の「世界初」「日本初」の製品を誕生させ、ソニー創成期の基礎技術を確立した、伝説の技術者がかつて存在していました。 1950 (昭和25) 年に発売された、国産初のテープレコーダー『G型テープコーダー』。 1955 (昭和30)年に、ト

アメリカと同じやり方では満足いくものはできない! 肩がけ可能で「街頭インタビュー」に最適、日本初のポータブル第一号機 〜 『M型』テープレコーダー試作機

『ソニー技術の秘密』にまつわる話 (16) 教育機関での予算に合わせたコストダウンを実現し、音質や音量も向上した『P型』テープレコーダーは、「視聴覚教育機材」として最適なものとなり、1952 (昭和27) 年頃の、学校をはじめとする教育分野を中心に、大きく普及することに成功していました。 しかし、『P型』テープレコーダーは小型で軽量となったとはいえ、使用できる場所はAC電源のある場所のみと限られていました。 1951 (昭和26) 年頃には既にNHKでもスタンシル・ホフ

元祖ウォークマン? 「街の声を聞こう!」街頭録音ブームを先駆け 〜 横山隆一の4コマ漫画『デンスケ』

『ソニー技術の秘密』にまつわる話 (17) 1949 (昭和24) 年から1955 (昭和30) 年にかけて毎日新聞で連載された、漫画家・横山隆一 の4コマ漫画『デンスケ』で、主人公の デンスケ が肩がけのテープレコーダーを使って、街頭録音を行う話が掲載されていました。 1951 (昭和26) 年4月、日本初の民間放送としてラジオ16社が予備免許を受け、9月には中部日本放送 (現CBCラジオ) と新日本放送 (現毎日放送) がラジオ放送を開始したことを皮切りに、全国で民間

火事で効果満点の製品紹介?!ニューヨークの新聞記者達を驚かせた 〜 ビデオ・デンスケ 『DV-2400』

『ソニー技術の秘密』にまつわる話 (42) 1964 (昭和39) 年、ソニーの技術者・木原信敏ら開発チームによって、革命的な小型化とコストダウンを果たし、世界初の家庭用ビデオテープレコーダーとして誕生した『CV-2000』が家庭や学校へ普及していくにつれ、テレビ番組を録画するだけではなく、自身でも撮影するという需要が高まり、 自分でも撮影してもらおう と、ポータブル式小型VTRとビデオカメラの開発がスタートします。 しかし、画期的に小型軽量化されたとは言え『CV-2