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束の間の約束

10/29

高校の友達と初めて遊んだ日。
何も無い私を慕って、
優しくしてくれて、すきって
言ってくれる子。

6月にあった、宿泊学習で初めて話してそこから
体育祭で距離が急激に縮まったように思えた。

お互いに初めて。高校の友達と遊ぶ。
そんな日に寝坊をぶちかます私。寝起きそのままに
慌てて電話をかけ、朝ごはんもおざなりに家を出た。

もう、その場で土下座ぐらいの勢いで謝りました。
1時間ぐらい待たされたのに、いつもと変わらない笑顔で。私の謝罪を受け取るよりも先に
「今日のコーデ可愛い!」ってくれた彼女には
頭が上がりません。ありがとう。
プリクラを撮ったり、いろんなことをして迎えた遅めの昼。
すこし遅くにフードコートに行ったからか混み具合はそこそこ。彼女が好きだというラーメン、久しぶりに私も食べてみた。

そこで告げられた、真実。ごめんねと好き。
頭がついていかなくて、
周りに人がいるのにも関わらず気がつけば叫んでた。
だけど私の叫びは周囲の雑踏に消されていった。

「ごめんね」
今でも残ってるんだ。
そんなこと、聴きたくなかった。けど、大切なこと。私に言ってくれてありがとう。

泳ぐ視線に寂しさをみた。
橋を止めるその手にやるせなさをみた。

「ありがとう」

私のほうこそ、だよ。
いつも私といっしょに居てくれてありがと。
微笑むその安らかさに安堵した。
私を見据える茶色の凪いだ瞳に憶えるはずのない。
そう誓ったすきをみた。

繋いだ手の感触、暖かさを忘れずにいたい。
お揃いのネックレス、大切にするね。

手を繋ぎ合える、その訪れる最期の時までふたり
いっしょにいよう。
一年の終わりには旅行。
ディズニー、シー、ユニバ………
いろんなとこに行きたいし、まだ私貴方のこと何も知らないし、もっと話したいことだっていっぱいある。
毎日電話してね。私のことは忘れちゃってもいいからさ?

最後まで、いっしょにいよう。
もっとこれからの日々を濃く彩ろう。

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