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宮崎にワイナリー? 都農(つの)ワイン

先日、日之影町の大根ステーキを紹介しましたが、あの小旅行の本当の目的は、宮崎県の延岡市と宮崎市のちょうど中間あたりにある都農(つの)町のワイナリーを訪ねることでした。

妻が先々月に小倉にあるワインバーの醸造家を招くイベントに出席した際、そのお話が面白くて楽しかったらしく、「都農ワイナリーに行きたい」と言ってたのがきっかけでした。

北九州から途中休憩を入れながら車で4時間近く。少し雲がかかる天気でしたが、さすがは南国宮崎。海にはサーファーの姿も。
海沿いの国道から少し山に登ったところに都農ワイナリーはあります。

毎年台風の影響に悩まされ、いつも海風にさらされ、気温も高く花崗岩が風化した土壌が表層を覆っている、そんなワインぶどう栽培には過酷な条件下で熱い思いをもった方々が美味しいワインを作っています。

事前に醸造家の方にメールで連絡を取っていたのですが、到着するなり車に乗せられ、ガタゴトガタゴト
・・・なんと、ぶどう畑を案内してくれたのでした。
ワイナリーの工場見学ルートくらいを見せてくれるのかと思っていたのですが、お忙しい中で本当に有難かったです。

「ここがピノノワールです」「この圃場のシャルドネは最高です」
「畝には東西向きと南北向きがあります。違いが分かりますか?」
「朝採れって、樹が養分を吸い上げて、日が昇る前に採ることなんですよ」
「醸造家の一番の仕事は、ぶどうを採る日を決めることなんです」
などなど、
ワイナリーに帰ってきても、絞る機械やステンレスタンク、オーク樽での熟成場所
などなど、
2時間くらいお付き合いいただきました。いやぁ本当に有難い。

こちらも熱くなってきまして、ぶどうの枝の高さや白赤用ぶどうの土壌の違い、ステンレスタンクのディンプルの意味、樽熟成の有無による味の違い
などなど、たくさんの質問をぶつけてしまいました。それらにもひとつずつ丁寧に教えていただいたのです。中身の濃いフルボディのような時間でした。

でも、醸造家の方が言われていた言葉で一番心に残ったのが
「ワインは地酒です」
都農の気候、土壌では、フランスのようなどっしりした赤ワインは作れないのだそうです。その土地にあった品種と作り方を研究して、美味しくいただけるように、たゆみない努力を続けていらっしゃいます。
それと、同じ地域で育った野菜、同じ地域の草を食べて育った牛など、地域に由来した食べ物と一緒に飲むのが一番美味しくなる。
これを「マリアージュ」って呼ぶらしいです。しゃれおつ。

なんか、豊かな心にしていただいたなぁと感激しながらワイナリーを後にしたのです。もちろん、ワインをたくさん買いました。兄弟やお友達にも飲んで欲しいと思うとついつい。
店員さんが車まで台車でワインを運んでくれました。もはや「仕入れ」!

そんなに高価なものでなくても良いと思います。地酒ですから。
肩肘張らずに食卓を楽しくしてくれる、そんなワインとの付き合い方が良いですね。
皆様もどうぞ。

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