死なないでね

二月もお疲れ様
季節の変わり目で、変に暖かくなったり、全然寒いのに風ばかり強くなって、
ただでさえいつも目に涙を湛えているのに、花粉のせいで瞼がふやけるくらいぐずぐずにされて。

俺たちにとってはさぁ、散々な季節だよね。冬の終わりから春の始まりってやつは。
体調も崩しやすいし。全然寒いし。良いことなんてない。こんな季節、なければ良いのになぁって毎年毎年思ってる。

疲れたなぁ。今日も頑張ったよね。
俺たちはいつでも全てにおいて運の悪い方向に転がってしまうから
ただでさえ、毎日毎日朝に傅いて、お迎えすることで精一杯なのに、
ちょっとでもイレギュラーなことがあったり、完璧に泥水を一滴落とされたりしたら途端に希死念慮が大群を成して襲ってくる。
今か今かと、自分が自分を殺す機会をじっと草陰から、いつも見てる。
完璧になんてなれねえよなぁ。なれないし、なるべきじゃないんだよ。
それでも、そうでもしないと。そうでもしないと。

ただ、なんの変化もなくて、刺激もなくて良いから。特別な幸福や幸運だってなくて良いから、
ただ、静かに。穏やかに暮らしているだけで良いのに。
だいぶ、謙虚な方だと思うんだけどなぁ。そう思わん?そんなことさえぎりぎりなくらい精一杯頑張らなきゃ維持できないなんて。
普通、がこんなに困難だなんて。

でも、頑張ってるよね。頑張ってるよなぁ。
いっつも頭の中には、ガムテープでしっかりと固定した懸垂台と、無表情にぶら下がった頑丈な縄が鎮座していてさ。
気を抜けばふらふらとそっちに進む足を、俺たちは抑えて、時に殴ったり、それでも言うことを聞かない時はナイフで何度も何度も刺して。
そんなふうにたくさん傷つけて、傷つけながらそれでも今日もこうしてお布団の中入ることができたんなら。
そんなのはもう、勝ちでいいだろ。

今月は気分の浮き沈みが激しかった。季節の変わり目は大体そうで、軽く躁状態なほど何でもできる頭の軽さがきたかと思えば、今はめちゃくちゃに体が重い。
ツノが生えたピエロがげらげらと笑いながら、足首に鉄球付きの枷をはめて。「時間切れです、健常者体験版は如何でしたか?続きは来世で!購入はこちらから。」
ふざけるなよ。ばかにしてさぁ。俺たちが何をしたって言うんだ。本当に、何をしたって言うんだよ。
しんどいよなぁ。

3月から4月は、自殺者が一年で一番多いんだ。
世界は、希望と期待に満ち溢れた春!みたいな顔してるけど、
俺たちにとっては絶望と諦念しかなくて。そんなギャップさえひどく身にこたえて。
せめてでも、一人ではないと。一人じゃねえぞって、ここでいうから。

死なないでね。 きっと、ここが一番しんどいから。きっと、ここさえ乗り越えたら、今年こそ俺たちは幸せになれるから。
死なないで、また三月に顔を見せてね。

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