Context手筋研究
前書き
contextは、ぱずぷれから派生したツールの一つであるpzprxsで遊ぶことができるパズル種の一つである。
ルールは次の通り。
1. 盤面のいくつかのマスを黒く塗ります。黒マスをタテヨコに連続させてはいけません。
2. 黒マスにならなかった数字は、そのマスとタテヨコに隣り合う黒マスの数を表します。
3. 黒マスになった数字は、そのマスとナナメに隣り合う黒マスの数を表します。
4. 黒マスで盤面を分断してはいけません。
(puzzle square jpより引用)
pzprxsには図付きのルール解説もある。
この記事ではcontextの手筋について、自身の勉強も兼ねて調べた内容をまとめる。誤りがあればtwitter:@puzzlerfffまでご連絡ください。
書式・用語について
原則、左に手筋の導出のために用いた図、右に帰結として得られる手筋、という書式を使う。
また、空中という語を、辺でも角でもない場所を指して用いる。
数字が1つの場合の手筋
数字の性質の理解も兼ねて、その数字の白黒を仮定した時に進むマスがある場合についても記載する。
0
![](https://assets.st-note.com/img/1666456814307-fCVqdW4lB8.png)
0の上下左右は必ず白になることがわかる。
1(確定マス無し)
角、辺、空中いずれにおいても確定するマスはない。
![](https://assets.st-note.com/img/1666490567331-twWp2jpQQT.png)
角の1の黒仮定および白仮定のみ、数字ヒントを活用した確定マスが発生する。また、角の1と斜めに隣接するマスは角の1と同色である。
2
2は角には現れない。
![](https://assets.st-note.com/img/1666490802775-2oNh4Yfd2m.png)
辺の2の黒仮定および白仮定では、数字ヒントを活用した確定マスが発生する。また、辺の2からみて斜めに隣接するマスと2自身は同色である。
![](https://assets.st-note.com/img/1666492459156-EnNgf4BDEa.png)
角から1マス空けの2は白が確定する。
3
3は角や辺には現れない。
![](https://assets.st-note.com/img/1666492309988-C4dXAUEzIP.png)
辺から1マス空けたところの3の仮定は確定マスが多い。
![](https://assets.st-note.com/img/1666492177544-338GbH6TMC.png)
角から1マスずつ離れたマスの3はこの形が確定する。
空中で白黒が確定するマスはない。
![](https://assets.st-note.com/img/1666490872675-KSxiW4dv6O.png)
空中の3の白仮定では、数字ヒントを活用した確定マスが発生する。また、
4
4は角や辺には現れない。
![](https://assets.st-note.com/img/1666456921880-3nqOMFye9b.png)
4は必ず黒マスになり、右図のように黒マスが5マス確定する。
空中で数字が縦横に隣接する場合の手筋
特に単体で確定マスがない1,2,3が辺を接するときについて考察する。
確定マスがない/パターンが絞れないケースについての見出しは省略する。
13
![](https://assets.st-note.com/img/1666458052370-wr4ASizqZg.png?width=1200)
3の白が確定し、図の通り白マスが確定する。
23
![](https://assets.st-note.com/img/1666458433201-2kLG2iQqi0.png)
ちょうど1マスだけ白マスが確定する。
33(確定マス無し)
![](https://assets.st-note.com/img/1666458597881-FzlMMgT6od.png)
確定マスはないものの、一方が黒であることが確定する。
空中で数字が斜めに隣接する場合の手筋
13(確定マス無し)
1黒3白のみ破綻する。
23(確定マス無し)
![](https://assets.st-note.com/img/1666459036753-Uz9Zxqq01S.png)
2黒3白のみ破綻する。2白3黒の時に大きく進むが、確定マスはない
33(確定マス無し)
![](https://assets.st-note.com/img/1666459155802-qoBqUsIWUo.png)
確定マスはないが、3が同色であることは確定する。3に沿って黒マスが斜めにつながるため、分断禁止を考慮するときには近い役割を果たす。ただし、3白3白と3黒3黒ではパリティの異なるつながり方であることは考慮が必要。
辺に沿って数字が縦横に隣接する場合の手筋
12
![](https://assets.st-note.com/img/1666490431278-eNsRxbjHii.png?width=1200)
2の白が確定する。
22
![](https://assets.st-note.com/img/1666490956991-ZIl5WtT1p4.png?width=1200)
2のいずれかが黒であることが確定し、確定白マスも複数発生する。
辺に垂直に数字が縦横に隣接する場合の手筋
辺nmで、nが辺に直接接する事を表す。
辺11
![](https://assets.st-note.com/img/1666491122178-SX6xpkgMJn.png?width=1200)
辺側1の白が確定する。
辺13
![](https://assets.st-note.com/img/1666491282429-1aLmNXHQVY.png?width=1200)
辺側1の黒、中央側3の白が確定する。
辺21
![](https://assets.st-note.com/img/1666491411940-zYi3Mrj3CF.png?width=1200)
辺側2の白が確定する。また、辺側2の白のみに由来しない白マスも2マス確定する。
辺22
![](https://assets.st-note.com/img/1666491566229-ZwEWuxf8df.png?width=1200)
中央側2の黒が確定する。
辺23
![](https://assets.st-note.com/img/1666491683866-2GFioUUMwj.png?width=1200)
2と3のいずれかが黒が確定する。また、白確定マスも一つ発生する。
辺付近で数字が斜めに隣接する場合の手筋
斜め辺13
![](https://assets.st-note.com/img/1666492038454-yqzOCvtgXw.png?width=1200)
1の白が確定する。また、少し離れたマスに白マスが確定する。
斜め辺2?
![](https://assets.st-note.com/img/1666492844383-d5C226AhBG.png)
辺の2からみて斜めの位置にあたるマスとは同色であることが確定する。
斜め辺21
![](https://assets.st-note.com/img/1666493103252-C4O12rzrw2.png?width=1200)
12が同色である。また、少し離れたマスに白マスが確定する。
斜め辺23
![](https://assets.st-note.com/img/1666493202786-fNdjouTlfw.png?width=1200)
23ともに白が確定する。
角で数字が縦横隣接する場合の手筋
角11
![](https://assets.st-note.com/img/1666508973613-NBCPjMuiTA.png)
角の1が白であることが確定する。また、少し離れたマスに白が確定する。
(RSPさんにご指摘いただきました。ありがとうございます。)
角12
![](https://assets.st-note.com/img/1666494048642-GG7kt1PlGe.png)
角1マス空きの辺2は単体で確定することに注意。詳細は2の手筋参照
角で数字が斜め隣接する場合の手筋
斜め角11
![](https://assets.st-note.com/img/1666493869327-vDGtzzwABx.png)
白マスが2マス確定する。
斜め角13
![](https://assets.st-note.com/img/1666494110080-KTZ3QJvzBM.png)
角から1マスずつ空いた空中3は単体で確定することに注意。詳細は3の手筋参照。
1が増えることによる確定マス増加はない。
未調査事項についておよび全体についての考察
3つ以上の数字がある確定パターンの探索
アースの接続に関する影響の考察、とくに同色関係に関する考察
この二点についてこの手筋研究は考察を行っていない。何かしらの大きな手筋が発見される可能性は残っていると思われる。
この検証から分かるとおり、Contextはかなり独特な確定や手筋が多い。
手筋を網羅的に記憶するのはかなりしんどそうな感触であり、数字1つでどこまで影響するかを正確に把握して単純一手仮定を突き詰める方が競技的な目線では応用が利きやすいかもしれないと思われる。
参考文献
RSPさんによるContextの手筋紹介。このnoteに掲載されていない手筋がいくつか紹介されている。
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