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【NO COAL FOR OUR FUTURE】ベトナムにとってどうなの?_ブンアン2って結局何がいけないの? Vol.3

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ブンアン2に問題があるということは明白です。

引き続き、FoEJapanの深草さんに、ブンアン2問題についてインスタライブにてお話を伺いました。【聞き手 酒井功雄/FFFTokyo】

Q ベトナム政府は気候変動対策ついてどういった方針を掲げているんですか?

A 石炭火力を減らして再エネを増やしていくという方針は去年から明確に打ち出されています。ブンアン2は進んでいますが、2020年から2030年まで石炭火力を新設しないという方針も掲げています。石炭火力がなければいけないというスタンスからは変わってきています。

Q 石炭火力は安いから発展途上国には必要なんですか?

A 安さだけで決めていいのかということと、発展のために石炭が必要なのかということは考えなくてはいけません。先進国は被害を受けている途上国に対して支援をする義務があると気候変動枠組み条約に書いてある通り、もしベトナムに石炭しか選択肢がないのであれば選択肢を増やすための支援をするべきだと思います。先進国は脱炭素の支援をしていかなくてはなりません。JBICは国際協力銀行であるのに、ベトナムは安い電源しか使えないからと石炭火力発電を融資していいのでしょうか。

Q ベトナムは石炭が取れるから、それを使うため安くすむのですか?

A ブンアン2に使う石炭は、インドネシアとオーストラリアから輸入したものを使うことになっています。だから、取れるから安いという理由は通用しません。ベトナム国内の石炭は国内で使うわけではなく、質が良かったりして輸出することが多いです。しかし、その石炭も取れなくなっている地域があるようです。

Q ベトナムでは再生可能エネルギーのコストはどうなんですか?

A 再生可能エネルギーのコストが下がっているというレポートや研究は多くあります。特に風力は高いポテンシャルを持っています。

Q 再エネのベトナムでの安定供給は可能なんですか?

A ベトナムは北と南で電力網が別れているため、再エネを供給する電力送電網を強化していく必要があります。しかし、ベトナム政府の去年の政策で電力送電網強化も含めた方針が出されているため対策は進んでいくと思います。
また、風力や太陽光についても調査が進んでいるので、安定供給は可能であると思います。重要なことは、気候変動を止めるために石炭ではなく、再エネを使う方向性で進めていくことです。日本政府も石炭で支援するのではなく、再エネを一緒に進めていく道を探したほうがいいと思います。

Q 経済的な発展をするために発電所は必要なんですか?   

A 石炭火力発電所を作ることで、気候変動が深刻化したらむしろ成長や発展を阻害させることになる可能性があります。持続可能な未来に向かった成長や開発から今を見返して、エネルギーの計画や開発の計画を立てていけたら良いと思います。

Q 投資家からの石炭火力に対しての反応はどういったものになってきているんですか?

A ダイベストメント(投資撤退)は進んできていると思います。投資家の気候変動への動きは結構早いのではないでしょうか。ブンアン2に対しては、ノルディア・アセット・マネジメントなどの北欧系の機関投資家が中心となってJBICや三菱商事などにレターを出しました。案件名まで出したレターは珍しいのではないかと思います。エンゲージメントのレベルはだいぶ踏み込んでいっているのではないかと思います。

Q 石炭火力は座礁資産になるんですか?

A 気候変動の観点でリスクが高くなり、石炭を使えなくなって資産価値がなくなり座礁資産になる可能性があります。実際、住友商事が出資していたオーストラリアのブルーウォーターズ石炭火力発電所は、石炭のリスクにより融資の借り換えがうまく行かず10年しか動かしていないのに損失計上しています。


やはりベトナム側にさえ、メリットはほとんどないように思えますね。

日本の責任は、科学の声をきいて、石炭ではなく再エネを使う方針で支援していくことではないでしょうか。


次回はいよいよ最終回!一番重要な「私たちにできる事」です!!

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