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やさしい日本語シンポジウムに行ってきました!

3月11日の15時から毎日新聞主催の「やさしい日本語シンポジウム」に行ってきました!

今回のプレゼンターは、この方々!
山脇啓造 教授(明治大学国際日本学部)
田中宝紀 さん(YSCグローバル・スクール責任者)
吉開  章  さん(やさしい日本語ツーリズム研究会 事務局長)
坂本信博さん(西日本新聞編集局) 

各プレゼンターの方々のやさしい日本語への取り組みについて、
多文化社会への思い、現状などについて話されました。
その後に、参加者の質問に答えていただく、パネルディスカッションがありました。

1. 山脇教授 :山脇ゼミでのやさしい日本語の取り組み

山脇教授のゼミでは、中野区と連携してやさしい日本語を商店街で広めようと活動している。
中野区にある商店街で学生と商店街の人とでツアーを行った。
そのツアーの参加者は、外国人である。
商店街の人たちは「やさしい日本語」を使いながら、外国人に商品説明をしたり、
実際に買い物をしてもらうツアーである。
このツアーをするために、やさしい日本語ツーリズム研究会と勉強会を行ったり、パンフレットやバッジ、シールなども学生たちが作ったそうです。
そして、学生たちは、やさしい日本語を広めるために動画も作ってました!
バッジやマスコットも見せてもらいましたが、すてきで可愛らしかったです✨
動画も工夫が見られました。

実際にツアーで訪れた商店街の人からは、
「オリンピックのために多言語を勉強したりしているがどうしても大変だった。
やさしい日本語でコミュニケーションがとれることがわかって、よかった。」
「もっとやってほしい。」
などたくさんのお話があったと言っていました。
多言語を学ぶのが大変なのは学習者も変わりません。
「日本語」が共通言語として使えるのは非常にいい気づきなのではないか
と思います。

2.田中宝紀さん:海外ルーツの子供とその保護者にやさしい日本語を

海外ルーツを持った子供たちに専門的日本語教育を支援している田中さん。
実は前からお会いしたかった方の一人です。

日本の公立の学校に日本語がわからないまま在籍している子供たちは
4万4千人もいるとのことです。
そのうち、1万人以上は学校の中で日本語の支援がない
状態。
以前は、日本語の支援の対象は「日系人」だったが、
今は日本国籍を持ってる子供たちへの日本語支援が
増えてきている。

子供だからといって、放っておけば日本語が上達するわけじゃない
年齢が高い子供に関しては、第二言語としてしっかりとした
日本語教育が必要である。
日本語がわからず、授業ができない、友達ができないとして不登校につながる学生もいる。

そして、そういった子供の保護者も困っている。
学校の先生方から
「外国人保護者はお便りが読めなくて困っている」
ということをよく聞く。
保護者がお便りを読めないと何が困るのか。
子供のために必要なことをしてあげられなくなるのです。
例えば、文字だけのお便りを出します。
保護者がわからない。=子供の教育に支障が出る。
こうゆうことをどうしたら打破できるのか。
イラストをつけるのです!そして、やさしい日本語にする!
お便りを読んでもらいやすくすることで、読むことに対する
ハードルを下げて上げることが大切だ
と田中さんは言っていました。

今は子供だけでなく、
外国人保護者の日本語支援も大切である。
我が子のためにしっかりとした教育を受けさせたい!という気持ちはどこの親も変わらないと改めて思った。

3.吉開章さん:やさしい日本語は万能じゃない!

吉開さんの話で1番衝撃だったのは 日本人の「英語ネイティブ信仰」である。
カナダのブリティッシュコロンビア大学の久保田竜子教授は
著者である「英語教育幻想」で
「アメリカ・イギリス英語こそが正統な英語である」といった日本人の考え方を批判している。
このことから吉開さんは、
日本人は英語を話す外国人を尊敬し
非ネイティブの英語をバカにしたり、
英語ができない外国人をバカにする
というネイティブ信仰をしていると語った。

これが外国人の日本語に対しても行われているという。
それを「日本語オレ様体質」と吉開さんは言っていた!
①違う発音や間違った日本語をバカにする。
②日本語のできない外国人をバカにする。
③ただし英語を話す外国人なら受け入れる
この三つのことをしているという。
この話を聞いて、何回も「そうだ!」と思った!
日本語を話す外国人がいるにも関わらず、
「外国人=英語ができる」という考えがなくならないんじゃないかなと思った。
グローバル化が進む中、ネイティブ並みの日本語や英語を求めるよりも日本人が「外国人が話す日本語」を
理解することも大切だと思った。

英語は国際共通語となっている。
しかし、日本国内では「日本語」が共通語としてなることを日本人に知ってほしいと感じた。

そして、「やさしい日本語」は確かに国内で共通語になるが、緊急性のあるもの
命に関わるものに関しては、専門家に通訳や翻訳を頼むべきであると言っていた。
やさしい日本語は緊急性のあるものには、やさしすぎて緊急性が感じられなくなったりもする。私の経験上もそうだ。
「早急に高台に避難してください。」をやさしい日本語にすると
「早く高いところに行ってください。」となる。
「早急に」や「避難」といった言葉をやさしくするのは至難の技である。
緊急性のあるシチュエーションのものを予想し、準備ができるように
多言語で翻訳したものを配る方が確かにやさしいと思う。

4.坂本信博さん:「やさしい西日本新聞」はじめました。 

西日本新聞さんはWed新聞で「やさしい日本語」で書かれた新聞を発信し始めました。
実際に西日本新聞の記者さんが日本語教師の方にやさしい日本語を教えてもらいながら、書いているそうです!

なんと!この新聞記事はだれでも「やさしい日本語」に翻訳できるんです!
全国にいる日本人の方にやさしい日本語を知ってもらい、やさしい日本語を使ってもらうために、みなさんの手を借りよう!となったそうです。
みなさんも、西日本新聞の記事をやさしい日本語に翻訳できます!

記事を読んでいくと下に投稿フォームが出てきます。 

ただ、やさしい日本語を学ぶだけでなく、実際にやってみることができるって
すてきだな〜と思いました。

このシンポジウムでこんな本を購入しました。 

2018年2月17日・18日の二日間に学習院大学で開催されたシンポジウムが本になりました!
やさしい日本語の可能性について、たくさんのプレゼンターの方の話が載っています。


まとめ

今回、参加して本当によかったと思いました。
やさしい日本語の必要性、課題点だけでなく、欠点も話が聞けたこと。
そして、日本人にやさしい日本語だけでなく外国人の現状を
知ってもらうべきだと感じました。
来月もやさしい日本語講座をします。
その時には、ただ使えるようになるだけでなく
外国人の現状も伝えていこうと思いました。

私ができることを
私のスタンスでやっていこうと思います。


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