あれから色々考えてみた

去る7/4、NHK「ドキュメント72時間」という番組のオンラインミーティングに参加した。

以前の記事にもあるように、私はこの番組が大好きで、ついにはロケ地まとめ―都道府県別にロケ地をまとめ、その都道府県で何回ロケをやったかカウントし、多い順に並べ、これまでの年末SPのランキングやナレーションの担当回数まで算出した重すぎる愛の結晶―まで作る始末だ。

この日を楽しみに日々の残業オンパレードを乗り越え、当日には主題歌である松崎ナオさんの「川べりの家」を流しながら、買い物に行き、戻ってきて、家だというのに化粧やマニキュア(数年ぶりにした)したり、ネックレスやブレスレットを付けたりと気合いの入り方が自分でも引くぐらい強い通り越して重い。

開演前は主題歌が流れる中、チャットが大賑わいを見せていた。
私のボルテージも急上昇し、開演中のグラレコ(グラフィックレコーディングの略、文字や図・イラストで、会議やセミナー等の内容をリアルタイムに可視化する技法)に参加者が釘付けになる一幕もあった。
終了後、PCの画面を見つめたままさみしさや余韻で放心状態で動けなくなっており、それだけ改めて有意義で刺激的な、夢のような時間だったし、次の日になると、タイムマシンが私の手元にあったら戻りたいとさえ思ってしまうくらいの濃密な時間だった。

さて本題。
第2部にて行われたワークショップで、番組のキャッチコピーを考える時間があった。
私は、昨年の年末SPで山田五郎さんか鈴木おさむさんがおっしゃった「今を切り取る」という言葉が強く心に残っており、番組をキャンバスと捉えるならば、人々の言葉は番組に欠かせない「色」で、あの短編小説や映画のような濃密な雰囲気が出来るのではと感じたので、直感で「現代(イマ)を、人間(ヒト)を、描き出す。」という何とも厨二病っぽいものを出した―担当だったスタッフ様が気に入ったそうで、多数決の際に票を頂いた―訳だが、同じグループの方が出した「人生の交差点」という言葉が「まさにそれだ!!」と舌を巻いた。

あれから仕事中を主として(誤解のないように言っておくが、ちゃんと仕事はしてます)、色んなフレーズが何の前触れもなく思い付いたので、空き時間にメモ帳に書き留めていた。
誰が得するのかと聴かれれば誰も得しないと思うが、理由とともに紹介しようと思う。

 ・小さな街角の大きなドラマ
→何気ない日々の中に「日常のきらめき」が潜んでいて、それがひときわ大きく見えて、まるでドラマのようだという所から

 ・世界の片隅で3日間
→72時間は、日本の番組だが、過去には海外ロケも行っていて、今日も何処かで3日間密着しているんだろうという経緯から

 ・現実(リアル)の中の群像劇
→ドキュメンタリー=ノンフィクションなので「劇」ではないのだが、見ていると何処か1つの作品に見えてくるから

 ・現実×ドラマ=ドキュメンタリー
→色んなドキュメンタリー番組を見ていると、「現実に起きたドラマティックなこと」(暗い内容の時は少し語弊があるが)を映像にしたという印象があるが、この番組はそれを強く感じるから

 ・一期一会の3日間
→「「偶然」の出会い」で勝負するというルールを元に、スタッフと一般の方が作り上げていくという点から

 ・等身大の人間模様
→読んで字の如く。そりゃこの世に存在する人々しか登場人物、それも華やかな人生を送ってきた人や生まれながらの天才、超人ばかりじゃなく、挫折や苦労を味わって、そこから這い上がったり、その最中だったりと少し不器用で歪(いびつ)な方が大半を占めているという点から「等身大」という言葉を使った

 ・「みんな」で織り成すタペストリー
→タペストリー:風景や人物像等を織り出した華やかなつづれ織り・掛け軸。
「みんな」=番組に登場する一般の方々で、いわばこの番組の「主役」。
スタッフと一緒にインタビューを通じて番組を作り上げていくという点が色とりどりの糸を使った編み物のように感じた

 ・この世界は、十人十色。
→72時間に出てくる人々は、山あり谷ありな自分だけの人生を生きている訳だが、そのロケ地も回ごとに異なっていて、この地球にはこんな場所があって、こんなことが行われているんだと知り、行ってみたくなると思うことも多いからというのが由来


気付いたら結構考えてたが、ほぼほぼ思い付きなので、大した深い理由はない。
それでもちゃんと考えていたというか自然発生的に思い付いてしまった。

おまけ
スタッフ様「「この回はあんま良くなかった」って回はありますか?紫村さん(私)、どうでしょう?」(意訳)
「名作しかないので、そんな回は存在しません」
「あんま良くなかった」=「見る気が失せるほど、良さが分からなかった」と秒で捉えたため、半笑いで断言していたが、思い当たらないということでもなく、真面目にそんな回なんて1つとしてないのだ。
大体そんな回があったら、今日までファンをやってきてないし、燃え盛る熱い炎は氷点下まで冷め切って、鎮火しているはずだ。
従って、この問いは私にとって愚問だと決定付けた時、非の打ち所がないくらいこの番組を熱愛・溺愛していたんだと自分で驚いた。
「人間というのは、膨らみ続ける無限の宇宙のようなものだ」と私の推しが歌っていたが、だからこそ72時間の取材に応じてくれた方々がどういう半生を語ろうと、魅力的で応援したくなる、とコミュ障で口下手な私は思った。