ドキュメント72時間 歴代BEST10 After Essay

一昨日と昨日(今日)放送された「ドキュメント72時間 歴代BEST10 SP」。
今回はAfterEssayと称し、個人的雑感を徒然と綴っていく。

投票開始日は6月上旬。
「10年経つのか、何やるん?総選挙か?」と冗談交じりに笑ってたら、ホントに来た(総選挙とは明言してないがそんな感じでは?)。
約320本から3つまで選ぶ形式。これだけでもしんどいのに(毎年終了間際に投票している)、〆切が6月中旬。
私は言った。「正気か?鬼畜か?」
しかも私のようなガチ勢(クソデカ主語)は、絶対3つ選ばなきゃという使命感にあふれたであろう。
とりあえず時間がない。その日のうちに付箋1枚1枚にすべての回の書き込み作業と(これが5時間やっても8、9割しか終わらず次の日へ回す)その付箋を貼るため、B4程度の紙でフォーマットを作成。
サッカー等で選手達に動きの説明をするのに用いられるボードをイメージして頂きたい。
以下の選考基準と流れを決め選考開始。

選考基準
・「私がもし「72時間は良いぞ…!!」と人にすすめるなら」

選考の流れ
1.NHKオンデマンドに映像はあるか
ないと話にならない
2.過去の投票で15位以内に入ったか
「10位以内に入る強み」を考えた時、共通して言えるのが「過去に順位に入ってること」と考えたため。
入ってなくても結構好きな回あったので残酷なことしたなと。
3.72時間史に残る名シーンや名言、登場者がいたか
「10位以内に入るほどの感動や興奮があったか?」ということ
4.自分が好きな回か
他人の意見に左右されることのないよう、ツイート等の情報はすべて遮断

そうした段階を踏んだ上で、何度も映像見つつ選考し、厳選を重ね、(1位から順に)下記を予想順位として最終決定した(投票は上位3作)。
  1.秋田 真冬の自販機の前で
  2.大病院の小さなコンビニ
  3.恐山 死者たちの場所
  4.日本ダービー大行列
  5.伝説のゲーセン 大人たちの闘い
  6.動物たちが眠る霊園で
  7.秋田 ”いのちの温泉”に集う人々
  8.としまえん 日本最古の回転木馬の前で
  9.大阪・西成 24時間夫婦食堂
10.オン・ザ・ロード 国道16号の”幸福論”
これも好きだけど、と迷い悩んだ時は「私はこっちのが好き」と感じた方に決めていたが、最後の方だと「いつもの2、30択から倍以上の320択に増えたんだから、外れてもしゃあないな」と開き直った。
また、まぁこいつらは確定っしょと上位2作は開始時点から即決していたが、どちらを1位にするかを映像見て決定。

さて、ここから結果発表と行こう。
第1夜の一昨日は10位~6位、第2夜の昨日は5位~を発表。

歴代11位 京都 青春の鴨川デルタ

2016年7月1日放送、2016年年末投票6位。
先週、前夜祭的な位置付けで発表された11位。
事前告知はあったが、結局予想つかずに日を迎えた。
滞在時間を計っていた彼が今どうしているのか聴けて良かった。

歴代10位 恐山 死者たちの場所

2014年6月6日放送、2014年年末投票4位。予想3位。
貴様~~~~~~~!!!!!!!!!!(貴様呼ばわりすな)(作品に罪はない)
もう出ちゃったことに驚きしかなかった。
いや、10位当ててみたかったけどこんなに精神的にえぐいと思わなかった…
はじめて見た時、凄い感動したの覚えてるけど、今回の順位の中ではちょいシリアスすぎたのかな…

歴代9位 夏コミ! ”日本一”のコンビニで

2015年9月18日放送、2015年年末投票TOP10圏外。
まさかこれ来ると思わなかった。
HDDにない+ランク圏外だったので、ノーマーク、久々に見る形になった。
世界的にヲタク文化が広まりつつある昨今、サブカルチャーはメジャーなカテゴリーとなった。

歴代8位 北の大地の学生寮

2015年1月30日放送、2015年年末投票3位。
2人の大学生の寮長選挙が見所だったこの回。
選挙に懸けてたのに残念ながら負けちゃった候補者が新寮長となった対立候補者に瓶酒渡してたの凄く良いシーンだった。
また、候補者の彼らのその後も知れて良かった(けど、負けちゃった彼の消息があまりに簡素すぎてホントか~?ってなった)。

歴代7位 樹木葬 桜の下のあなたへ

2019年5月24日放送、2019年年末投票4位。
この年の年末投票で1票を投じた大好きな作品。
当時は墓入るならこんな場所が良いと思ったものだ。
「72時間史に残る感動あった?」と思って外したが、まさか入るとは。
木製の椅子とテーブルでご飯(マック)してる家族のシーンが何気好き。
「生きてる間に死んだ時のことを考えるのは良い」的な言葉に、まぁ生きてる間にしか考えらんないしな、とか酷いこと考えてすまん。

歴代6位 長崎 お盆はド派手に花火屋で

2016年9月23日放送、2016年年末投票1位。
年末投票1位になって1番驚いた作品。
お墓参りって結構厳かなイメージがあったが、こんな文化があるんだと衝撃を受け、格好良い…!!と目をきらきらさせた回。
あと爆竹えげつない。お盆のこの時季に見れて良かった。

歴代5位 日本ダービー大行列

2018年7月20日放送、2018年年末投票2位。予想4位。
最後の「川べりの家」が流れる所で猛ダッシュですよ…あれほど今までの想いを込めたような猛ダッシュは72時間史上最高のラストだった…
ただ並んで寝泊まりするだけじゃなくてシートを剥がされたり、所用で列を抜けてる間に行列の移動がはじまると後ろに行くことになったりとなかなかシビアな世界だった。
余談だが、72時間ファンであるノブコブの徳井さんが「人の好きな物に口出すな、ほっといてくれって思う」的な言葉はマジ名言。

歴代4位 阿蘇・ライダーたちの夏 10年に一度の撮影会

2019年9月27日放送、2019年年末投票1位。
最後まで予想入れるか迷った末、車に疎くあまり分からなかったので外した作品。年末SPの時、録画を忘れていたのか見ずに番協に参加したこと、五郎さんがめっちゃ推してたのを今でも覚えている。
後述する72時間の会の方が「10年20年30年と好きでいられることの熱さを感じた」というコメントに、私に欠けていた視点はそれだったな、と。

歴代3位 海が見える老人ホーム

2017年7月28日放送、2017年年末投票3位。
年末投票とこのBEST10の順位が全く一緒という珍しい回。
発表直前、おさむさんと五郎さんがそれぞれ予想したBEST3のフリップに2人とも書いてないのに話題に出て、発表されると「ほら!!」とおさむさんが声をあげたのに笑った。何なら吹石さんも笑ってたの可愛かった。
物言いがすぱっとしたおばあちゃんが亡くなっていたことをはじめ、今までで1番さみしくなった(ベイビューのくだりだけが救い)後日談。
おさむさんも言ってたけど、人、ひいては生き物は必ず天に召される。
愛別離苦はあまりに哀しい天の運命さだめだ。

歴代2位 大病院の小さなコンビニ

2014年9月19日放送、2014年年末投票1位。予想2位。
発表間際までかなりビビってたが、ドンピシャだった。
医療従事者でなくても刺さる名言を残した産婦人科医の先生が絵本作ったりとめっちゃ幅広く活動されてて本欲しくなった。
72時間の会の方は8位にしていたけど何でだったんだろう…

歴代1位 秋田 真冬の自販機の前で

2015年3月6日放送、2015年年末投票1位。予想1位。
私がはじめて見た回で物凄く思い入れが強く、この年から(録画だと思うが)年末SPも見ていたが、1位で歓喜したのを覚えている。
発表直前、決まった前提で皆話してるのに笑った。そしてホントに歴代1位取ると思わなかった。
「大病院の小さなコンビニ」と迷ったが、この回はそばとうどんのものだけじゃないやさしさやぬくもり、「居場所」のような不思議な空間のように感じたことが予想1位の要員だった。
遠出出来るようになったら、聖地巡礼したい場所の1つだ。
洋菓子職人の男性とイベント企画兼運転代行の男性のその後も知りたかった。

72時間の会

さて、今回の陰の立て役者というべき存在であろう「72時間の会」。
彼らは熊本在住で毎週欠かさず72時間を見ている熱心なファンで、医者や看護師等、会員の多くは医療従事者だ。

代表の医者の男性は、ナレーションを務める勝地涼さんが好きな1本として挙げていた「キリンが見える遊歩道」(2017年3月10日放送、2017年年間投票TOP10圏外)の企画を送った方だった。
この日は、このSPの歴代BEST10予想をまとめるため某居酒屋に集まっていた。
コピー用紙が入ってた箱を展開したものをボードとして使っていたのが面白かった。
また、居酒屋のスタッフも番組のファンで、卓上の小鉢に入ってたおつまみが「銀座 おつまみラプソディ」(2021年5月7日放送、2021年年間投票2位)のロケ地となった店舗の商品を取り寄せたもので、愛のあふれように嬉しくなった。
タイトルが読み上げられ、「あぁ~!!」と声が上がる度にファンだな~とにやついてしまった。
番組や作品の良さを語らう所や自分と違う見方してるなと気付いた時、その回に混ざりたいな~入会したいな~と羨ましそうに眺めていた。
そんな訳で誰か誘って下さい(主催しないんか)

レギュラー放送開始10周年によせて

検査入院していた病室で退屈そうにザッピングしていたあの夜、72時間を見てなかったら、私はどんな人間になっていたんだろう。
昨日(今日)の夜明けを見て、そんなことを考える。
この番組で知ったのは、今、私達が暮らす世界の何処かの日常だけじゃない。
行きたくなった所も日本の片隅にある一風変わった場所も映画や小説のようなドラマも、この世界にはあふれている。
その人が愛したり、見方が変わった物事にはそれ相応の出来事があって、傷付いたり笑ったり、文字通り色んな人がいることを教えてもらった。

レギュラー放送開始10周年、誠におめでとうございます。
街の片隅で生まれる「72時間」、ありふれた日常も心に残るドラマも全部余すことなくこれからも楽しませて頂きます。