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眼科診療における感染対策について  お話しました

11月13日(日)に千寿製薬株式会社主催の2022WEB眼科ICT研究会で、「眼科領域における感染対策と看護師の役割」というテーマでお話をさせていただきました。 

私は感染症看護専門看護師と感染管理認定看護師の資格を持ち、急性期病院で院内の感染対策業務に従事していました。感染対策は、全ての患者さんとそのご家族、面会者(今はコロナ禍で多くの病院で面会が制限されていると思います)、病院に出入りする全ての人々と私たち医療従事者を医療関連感染から守るために実施が求められています。
今回、感染対策の中でも、眼科診療に必要な感染対策についてお話したいと思います。

眼科診療で感染対策が必要なわけは?


まず、人が感染する経路は、大きく分けて、接触感染、飛沫感染、空気感染の3つの経路があります。そのうち、接触感染は手に付着した病原微生物が、粘膜に触れることで感染し、飛沫感染は咳やくしゃみの飛沫に含まれる病原微生物が、近くにいる人の眼や鼻、口の粘膜に付着することで感染します。

「眼」は、結膜(粘膜)に覆われており、眼科診療はこの眼を触らなければ診察や処置ができませんので、私たち医療従事者の手指や診療に使用する医療器具が汚染していれば、すぐに感染症を引き起こしてしまいます。また、診察室や待合室などの環境が汚染されていると、医療従事者や患者が汚染している環境に触れる機会が増え、感染のリスクが高くなります。そのため、眼科診療にたずさわる医療従事者や職員は、手指衛生の遵守や、医療器具の適切な洗浄・消毒・滅菌、そして環境の衛生管理といった感染対策が必要になります。次回から具体的な感染対策についてお話したいと思います。