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#016 『鞄談義3』 古山浩一さんのイラスト画

 『鞄談義3』を製作するにあたって、画家の古山浩一さんに鞄のイラストを依頼した。『鞄談義2』は写真で構成したので、『鞄談義3』は絵で構成しようということになったのだ。その後、古山さんは自身の制作活動の合間を縫って、一枚一枚イラスト画を描いてくれた。古山さん個人の作品であれば、それは制作であるから、創造性のあるものでよい。しかし、書籍『鞄談義3』のイラストとしての絵となると話は違ってくる。
 特に、巻頭のエースのカバン博物館に展示してある鞄の絵となると、これは神経を使う。正確さが求められ、創造性は入り込むことはできない。形・色・質感・雰囲気など、どれも限りなく現物に近くなるよう求められる。
 しかし、写真ではなく絵である以上、多少のデフォルメはされている。画家が感じる、鞄の特徴・魅力・美しさが表現されていて、なるほど…と思わされた。
 私は、古山さんの描いた絵の鞄の現物を何度も見た。写真も撮ってきた。それが絵になるとこうなる。
 う〜ん、なるほどねえ〜。こうくるか。

 絵画とは何か。
 書籍『鞄談義3』を作りながら、絵画についても多く考えたことを、いま思い出す。
                    

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