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2019年 【聖光学院中(第一回)】国語記述問題 採点基準例

※採点の方法の詳細については、★採点方法の詳細★以降をご覧ください。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

三 問二 8点満点 文末は「気持ち」

【解答例】犬への愛情を語りながら、クロを身勝手にあつかう瀬戸口優花に反発する気持ち。

【採点基準】
1(気持ち)
(瀬戸口優花に対する)反発/不快/不満 …③点

2(1の理由となる、瀬戸口優花の態度)
クロを身勝手にあつかう/自分の都合でクロを振り回す/クロを軽んじる …⑤点

三 問六 10点満点 文末は「から」

【解答例】麻耶子に初めて怒られたことで悲しく思ったが、麻耶子も瀬戸口優花を身勝手だと思っていることを知り、安心したから。

【採点基準】
1(「泣きそうな気持ち」について)
A(きっかけ)麻耶子に初めて怒られた/初めて麻耶子に叱責された …③点
※「麻耶子と初めて正面衝突した」は比喩表現を含むため、1の要素から1点減点。
※「初めて」にあたる内容がない場合、1の要素から1点減点。
B(気持ち)
悲しい/つらい/落ち込む …②点

2(「少し笑った」について)
A(きっかけ)
麻耶子も瀬戸口優花を身勝手だと思っている …③点
B(気持ち)
安心 …②点
※ 「うれしい」は不可。

四 問二 10点満点 文末は「こと」

【解答例】自分の行動と感情が一致しないとき、とった行動に沿って感情を変更することで両者を一致させようとすること。

【採点基準】
1(「心の不協和」とは)
自分の行動と感情が一致しない/行動と感情が矛盾する …③点

2(「解決する」とは)
1を一致させようとする/1の矛盾をなくす …③点

3(2の方法)
行動に沿って感情を変更する/行動に合わせて感情内容を変更する/行動のほうに感情を変える …④点
※「行動に沿って/行動に合わせて/行動のほうに」にあたる内容がない場合、3の要素から2点減点。

四 問七 10点満点

【解答例】相対価値だけでなく、大局的な見地から大切なものを選り抜くのに必要な、絶対価値も評価できると発見され、うれしく思っている。

【採点基準】
1(「意外な」のニュアンス)
相対価値だけではない/「相対価値」専用の脳部位だと思われていた/相対価値のみ評価できると思われていた …②点

2(「発見」の内容)
大局的な見地から大切なものを選り抜くのに必要な、絶対価値も評価できる/大局的な見地から大切なものを選り抜くのに必要な、「絶対価値」を評価する脳回路が存在する …⑤点
※「大局的な見地から大切なものを選り抜くのに必要」という内容がない場合、2の要素から2点減点。

3(筆者のとらえ方)
うれしい …③点

★採点方法の詳細★

すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。

2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。

3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。

次に、例を挙げながら説明していきます。

【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)



ここでは、解答例を次のようにします。

【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。

採点基準は、以下の通りとします。

【採点基準】

1(きっかけ)

A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点

B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点

2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点

3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点

※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。


大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。

では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!

【答案例1】

しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。

【答案例2】

大好きなチョコを食べられて最高だったこと。

【答案例3】

好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。

順番に見ていきましょう。

【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。

【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。

【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。

以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。

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