２０１７年　【武蔵中】国語記述問題　採点基準例

※採点の方法の詳細については、★採点方法の詳細★以降をご覧ください。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは１点減点。

●誤字脱字はその都度１点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは１点のみ減点する。

●句点なしは１点減点。

問三　１６点満点　文末は「から」

【解答例】おとうさんにもおばあちゃんの家に泊まりに来てもらうことで、おとうさんとおかあさんが仲直りできるかもしれないと期待したから。

【採点基準】
１（気持ち）
期待／うれしい　…③点

２（１の内容）
おとうさんとおかあさんが仲直りできるかもしれない／ケンカ中の両親を仲良くさせられる　…⑧点
※「仲直り／ケンカ中の」にあたる、いま不仲になっていることの説明がないと、３点減点。

３（２の前提）
おとうさんにもおばあちゃんの家に泊まりに来てもらう／三人でおばあちゃんの家に泊まる　…⑤点

問四　１６点満点　文末は「こと」

【解答例】急な仕事が入ったというメールが届いたことで、本当は最初からおばあちゃんの家に来る気などなかったのではないかとおとうさんを疑ったこと。

【採点基準】
Ａ（口どめの内容）
本当は最初からおばあちゃんの家に来る気などなかったのではないかとおとうさん（＝夫／田中さん）を疑った　…⑫点
※「初めからおとうさん（＝夫／田中さん）はウソをついていたと思った」という内容のみの場合は、ウソの内容について説明不足のため、８点のみ与える。
※疑った相手を、「おとうさん」（＝夫／田中さん）とはっきり書いていない場合には、２点減点。

Ｂ（Ａの理由）
急な仕事が入ったというメールが届いた／仕事でおばあちゃんの家に着くのがいつになるかわからなくなったというメールが届いた　…④点
※単に「メールが届いた／連絡があった」という内容のみの場合は、２点減点。

問五　１７点満点　文末は「から」

【解答例】さんざん悪く言っていたので、実は自分が母親を大切に思っていることが知られるのがきまり悪かったから。

【採点基準】
１（気持ち）
きまり悪い／恥ずかしい／照れくさい　…③点

２（１の理由）
自分が母親を大切に思っていることが知られる／本当は母親の意識が回復して欲しいと思っていることを見透かされた …⑩点
※「母親にもう一度、お茶をたててもらいたいと思っていることが知られた」のみの説明の場合には５点のみ与える。
※「母親」は「おばあちゃん」でも「おかあさん」でもＯＫ。

３（背景）
さんざん母親のことを悪く言っていた　…④点
※「母親」は「おばあちゃん」でも「おかあさん」でもＯＫ。

問六　１７点満点　文末は「から」

【解答例】千夏さんと協力しながら母親の介護をすることで、改めて自分たちは同じ母親を大切に思うきょうだいなのだと思うようになったから。

【採点基準】
１（きっかけ）
協力しながら母親の介護をする　…⑩点
※「協力しながら」にあたる、「一緒に／姉妹で」介護をしたことが読み取れない答案は、３点減点。

２（１の結果）
自分たちは同じ母親を大切に思うきょうだいなのだと思うようになった／自分たちは同じ母親をもつ姉妹なのだと思った
※「同じ母親を大切に思う／同じ母親をもつ／同じ母親から産まれた」という内容がないと、２は無得点。

★採点方法の詳細★

すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは１点減点。

●誤字脱字はその都度１点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは１点のみ減点する。

●句点なしは１点減点。

１つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、１点減点してください。

２つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度１点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは１回のみの減点で構いません。

３つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、１点減点してください。

次に、例を挙げながら説明していきます。

【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。（１０点満点）



ここでは、解答例を次のようにします。

【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。

採点基準は、以下の通りとします。

【採点基準】

１（きっかけ）

Ａ しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた／しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった　…②点

Ｂ　しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた／自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた　…②点

２（しずかちゃんについての説明） 好意を寄せている／好き　…③点

３（気持ち） うれしい／喜ぶ／幸せ　…③点

※全体を通して「しずかちゃん」がないと、１点減点。


大きな解答要素は１・２・３の３つで、そのうち１はＡ・Ｂから成るので、実際には１Ａ・１Ｂ・２・３の４つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に　／　で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもＯＫなのだということの参考にしてください。

では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう！

【答案例１】

しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。

【答案例２】

大好きなチョコを食べられて最高だったこと。

【答案例３】

好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。

順番に見ていきましょう。

【答案例１】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の１Ａ②点＋「うれしかった」の３③点＝５点です。

【答案例２】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので１Ａ無得点＋「最高だった」は気持ちではないので３も無得点＝０点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、０点から減点することはできないので０点のままです。

【答案例３】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の１Ａ②点＋２③点－「しずかちゃん」がないことによる１点減点＝４点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、３の得点は与えられません。

以上のような感じで採点してみてください！
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。