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2022年 【洗足学園中(第一回)】国語記述問題 採点基準例

※採点の方法の詳細については、◆採点方法の詳細◆以降をご覧ください。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

一 問一 7点満点 
難易度:★★★★☆

【解答例】機械学習型のAIは人間が正解を知る範囲内で人間の補助として役立つが、汎用型人工知能は人間が知らないことも思考でき、人間が従属的な関係になる可能性もあるという違い。

【採点基準】
1(「機械学習型のAI」の説明)
A 人間が正解を知る範囲内で役立つ/人間も知っていることについて処理する …①点
B 人間の補助/人間を助ける道具 …②点

2(「汎用型人工知能」の説明)
A 人間が知らないことも思考できる/ヒトが正解を知っているわけではないことの答えも出せる …②点
B 人間が従属的な関係になる可能性もある/ヒトが従属してしまうかもしれない/AIが主体になるかもしれない …②点

一 問二 7点満点 
文末は「から」 難易度:★★★☆☆

【解答例】AIが世代を超えて進歩するので、寿命と能力が限られた人間には理解できない存在になり、人間が従属的な関係になってしまう可能性があるから。

【採点基準】
1(AIが「死なない」ことの意味)
世代を超えて進歩する/無限にバージョンアップを繰り返す …③点

2(1が人間に与える可能性)
A 寿命が限られた人間には理解できない存在になる/一世代ごとにリセットされる私たちには理解することも難しくなる …②点
※「寿命が限られた/一世代ごとにリセットされる」にあたる内容がない場合、2Aの要素から1点減点。
B 人間が従属的な関係になる/何も考えずに人間がただ服従してしまうかもしれない …②点

一 問五 7点満点 
文末は「こと」 難易度:★★★★☆

【解答例】人間がAIに頼りすぎ、「考える」という人間の本質を失ってしまいそうな時、AIが人間本来の姿を取り戻させるために人間の前から姿を消すこと。

【採点基準】
1(「人の存在を守る」の解釈)
A 人間が考えることをしなくなった時、AIが人間本来の姿を取り戻させる/人間が考えることをやめないようにする …②点
B 人間の本質を失ってしまいそうな時、AIが人間本来の姿を取り戻させる/人間の個性を失わせないようにする …②点

2(1の前提)
人間がAIに頼りすぎる/AIに人間が従属する …①点

3(「AIが自分で自分を殺す」の解釈)
AIが人間の前から姿を消す/人間が正解を知る範囲内でAIが機能するようになる/人間の補助しかしなくなる …②点

二 問二 8点満点 
文末は「から」 難易度:★★★☆☆

【解答例】
絵を描くことが好きだから少し迷ってでも美術部に入ったということは、もはや親友だとは思っていないからしおりが「私」と距離を置いたことを意味するから。

【採点基準】
1(きっかけとなるしおりの言葉)
好きだから美術部に入った/怖くても、好きなものには手を伸ばせる …③点

2(「私」へのしおりの対応)
距離を置いた/手を伸ばそうとしなかった/近づいてこようとしなかった …②点

3(2の理由として「私」が1から察したこと)
親友とは思っていない/親友には戻れない/特別な存在とは思っていない/「私」のことが好きではない …③点

二 問四 8点満点 
難易度:★★★☆☆

【解答例】しおりが言葉を返してくれることを祈りつつも、その前に朱里に責められるのではないかと恐れている。

【採点基準】
1(しおりに対する気持ち)
A 言葉を返してほしい/呼びかけに応じてほしい …②点
B(気持ちを表す言葉)
祈る/願う …②点

2(朱里に対する気持ち)
A 責められるのではないか/何を言われるのか …②点
B(気持ちを表す言葉)
恐れ/恐怖/緊張/不安/心配 …②点

二 問五 8点満点 
文末は「から」 難易度:★★★☆☆

【解答例】二人で話しているところさえ見たことなかったのに、「私」が見下しているはずのしおりに対して急に親しそうにするので、違和感をいだいたから。

【採点基準】
1(背景)
二人で話しているところさえ見たことなかった/「私」はしおり(=瀬川さん)を見下しているはず/しおり(=瀬川さん)とは違うジャンルだ …③点

2(きっかけ)
「私」(=葉/葉子)がしおりに対して親しそうにする/「私」(=葉/葉子)がしおりと仲良さそうにする …③点
※「 「私」(=葉/葉子)がしおりを呼び捨てにする」のみの答案は、2の要素として1点のみ与える。

3(「不審そうな顔」の気持ち)
違和感/理解できない/納得できない/おかしい …②点

★採点方法の詳細★

すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。

2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。

3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。

次に、例を挙げながら説明していきます。

【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)



ここでは、解答例を次のようにします。

【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。

採点基準は、以下の通りとします。

【採点基準】

1(きっかけ)

A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点

B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点

2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点

3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点

※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。


大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。

では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!

【答案例1】

しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。

【答案例2】

大好きなチョコを食べられて最高だったこと。

【答案例3】

好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。

順番に見ていきましょう。

【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。

【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。

【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。

以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。

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