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2020年 【洗足学園中(第三回)】国語記述問題 採点基準例

※採点の方法の詳細については、★採点方法の詳細★以降をご覧ください。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

一 問二 7点満点

【解答例】日本語を母語にする者として、英語を使って「問い、考え、表現する」ことの中身に価値を持たせる教育。

【採点基準】
1(英語に関連する筆者の考え)
英語を使って「問い、考え、表現する」ことの中身に価値を持たせる/英語で何を問い、考え、表現するかの中身を備える …⑦点
※「英語を使って/英語で」にあたる、英語ができることを前提とする内容がない場合、問二全体から3点減点。

一 問三 7点満点 文末は「点」

【解答例】管理の対象というニュアンスの「人材」に、積極的というニュアンスを持つ「グローバル」をかぶせると、形容矛盾となる点。

【採点基準】
1(「違和感」の原因)
形容矛盾/矛盾 …①点

2(1の原因)
「人材」に「グローバル」をかぶせる/グローバルと人材をくっつける …②点

3(「グローバル」と「人材」という言葉について)
管理の対象というニュアンスの「人材」に、積極的というニュアンスを持つ「グローバル」/逆のニュアンス(=意味/意味合い) …④点

一 問五 7点満点 文末は「考え」

【解答例】これまでの「国対国」という発想ではなく、自分の主張が相手にどう受け取られるかも含めて多様性に向かい合う必要があるという考え。

【採点基準】
1(グローバルという言葉の意味)
これまでの「国対国」という発想ではなく/「国対国」という発想から踏み出す …③点

2(多様性への向き合い方)
自分の主張が相手にどう受け取られるかも含めて多様性に向かい合う …④点

二 問二 8点満点

【解答例】何とか瑞稀を部に復帰させられたら良いと考えていたが、瑞希を強く拒絶する上級生たちの予想通りの態度に困っている。

【採点基準】
1(背景)
何とか瑞稀を復帰させられたら良いと考えていた/瑞希が部員に受け入れられるか心配していた …③点

2(きっかけ)
瑞希を拒絶する上級生たちの態度/部員が瑞希のことを受け入れない/瑞希が部に戻ろうとすることに反発する部員達 …③点

3(心情)
困る/気が重い/いたたまれない …②点

二 問三 8点満点 文末は「経験」

【解答例】けがに見舞われ、ずっと大会に出られないながらも努力を重ね、高校生活の最後でやっと出場の機会を掴み取ったという苦労の経験。

【採点基準】
1(河合先輩の経験)
A ずっと大会に出られなかった/高校入学以降、駅伝に出られなかった …②点
B(1Aの理由)
けが/故障 …②点
C 努力を重ねた/頑張った …②点
D 最後の大会でやっと出場の機会を掴み取った …②点

二 問五 8点満点 文末は「考え」

【解答例】瑞希が簡単に三年生達に許してもらえるとは思えないという考え。

【採点基準】
1(稔の考え)
瑞希が三年生達に許してもらえるとは思えない …⑧点
※「瑞希」にあたる、許しを請う側の人物について明確に説明されていない場合、問五全体から2点減点。
※「三年生達/上級生/部員達」にあたる、許す側の人物について明確に説明されていない場合、問五全体から2点減点。

★採点方法の詳細★

すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。

2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。

3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。

次に、例を挙げながら説明していきます。

【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)



ここでは、解答例を次のようにします。

【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。

採点基準は、以下の通りとします。

【採点基準】

1(きっかけ)

A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点

B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点

2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点

3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点

※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。


大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。

では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!

【答案例1】

しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。

【答案例2】

大好きなチョコを食べられて最高だったこと。

【答案例3】

好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。

順番に見ていきましょう。

【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。

【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。

【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。

以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。

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