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2022年 【聖光学院中(第一回)】国語記述問題 採点基準例

※採点の方法の詳細については、◆採点方法の詳細◆以降をご覧ください。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

三 問五 10点満点
 文末は「から」 難易度:★★★★☆

【解答例】自分もチョッキーを使って物事を考えることから逃げていたと気づき、それを一生涯続けるのかという問いかけが初めて生じたから。

【採点基準】
1(滝田徹の気づき)
自分もチョッキーを使って物事を考えることから逃げていた/自分は滝田徹として考えることから逃げていた …④点
※「自分もチョッキーを使って逃げていた/自分は逃げていた/自分にとってもチョッキーは逃げ場所として機能している」等、何から逃げていたのかについての説明がない場合、1の要素から2点減点。

2(「動揺」した直接の理由)
1を一生涯続けていくのかという問いかけが初めて生じた/1が永遠には続かないことを初めて自覚した/1をずっと続けるのかという問いかけに初めて襲われた …⑥点
※「初めて自分の内側から問いかけが生じてきた/『何か、もっと違う感覚』の正体に初めて気づいた」等、問いかけや感覚のある内容にふれていない答案は2の要素で3点のみ与える。
※「初めて」にあたる内容がない場合、2の要素から1点減点。

三 問六 6点満点
 難易度:★★★☆☆

【解答例】本音を見せない

【採点基準】
本音を見せない/我を見せてくれない …⑥点
※部分点なし

三 問八 12点満点
 文末は「こと」 難易度:★★★★★

【解答例】自分の考え方に自信が持てず、伝えられなかったせいで彼女を悲しませたのだが、自分がなぜ彼女を悲しませ、振られたのかをきちんと自分で考えることから逃げていたこと。

【採点基準】
1(滝田徹の気づき)
自分がなぜ彼女を悲しませたのかを自分で考えることから逃げていた/自分が振られた理由について自分で考えることから逃げていた …⑥点
※問八全体を通して「自分で考えることから逃げていた」ことのみ書けている場合には、全体で4点のみ与える。

2(1について「松島豊の言葉」が教えてくれたこと)
自分の考え方を伝えられなかったせいで彼女を悲しませた/自分の気持ちを言えなかったことで彼女を悲しませてしまった/本音を見せなかったせいで彼女自身をわがままな人間だと思わせた …⑥点

四 問六 8点満点
 文末は「観点」 難易度:★★★★☆

【解答例】当該社会を把握するための今日の観点。

【採点基準】
1(どのような観点)
今日の観点 …④点

2(「分析」の目的)
当該社会を把握するため/当該社会の考え方を知るため/当該社会を理解するため …④点

四 問八 10点満点
 難易度:★★★★☆

【解答例】非科学的ではあるが、妖怪は人びとの想像力を刺激することで「信仰的知識」の枠を越え、豊かな文化領域を創り出したということ。

【採点基準】
1(「『エンタテイメントとしての妖怪』を生み出した」の言いかえ)
妖怪が豊かな文化領域を創り出した/日本の妖怪に関する文化が豊かな文化をつくった …④点

2(1の過程の説明)
A 妖怪が人びとの想像力を刺激した/日本の妖怪に関する文化が人々の創造力を刺激した …③点
B 妖怪が「信仰的知識」の枠を越えた/妖怪が信仰的知識の枠を越えた知識になった …③点

◆採点方法の詳細◆

すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。

2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。

3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。

次に、例を挙げながら説明していきます。

【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)



ここでは、解答例を次のようにします。

【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。

採点基準は、以下の通りとします。

【採点基準】

1(きっかけ)

A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点

B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点

2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点

3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点

※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。


大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。

では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!

【答案例1】

しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。

【答案例2】

大好きなチョコを食べられて最高だったこと。

【答案例3】

好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。

順番に見ていきましょう。

【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。

【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。

【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。

以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。

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