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2022年 【栄東中(東大特待Ⅰ)】国語記述問題 採点基準例

※採点の方法の詳細については、◆採点方法の詳細◆以降をご覧ください。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

三 問四 7点満点
 難易度:★★★★☆

【解答例】自分自身を問いに結びつけたり、問いの内容に関連した問いを重ねたりすること。

【採点基準】
1(ー線部3直前「こうすれば」の内容)
A 自分自身を問いに結びつける/問いを自分に結びつける …④点
B 問いの内容に関連した問いを重ねる/問いに沿って問いを積み重ねる/問いに関連していろいろ問う …③点
※1Bの表現の仕方はさまざまだが、ー線部3直前の段落「そこからさらに〜といった具合に。」について、まとめられていればOK。

※全体を通して、問題文が求めている「何をどのようにする」の形式になっていない場合、問四全体が無得点。

三 問七 7点満点
 文末は「から」 難易度:★★★☆☆

【解答例】問いについての予備知識がなければ、思考は方向性を見失い、対話が深まらないから。

【採点基準】
1(前提)
予備知識が必要/調べれば分かることは明らかにしなければならない/知識もなしに問うばかりではいけない …④点

2(1の理由)
(1がないと)対話が深まらない/問いについて深く考えられない/問いが発展しない …③点
※「(1によって)対話を深められる」という書き方や、「対話を深めるためには(1が必要だ)」という書き方もOK。

四 問三 8点満点
 難易度:★★★☆☆

【解答例】花音たちのことを気にするあまり、乃木くんの思いをふみにじってしまい、申し訳なく思うとともに、自らを情けなく思っている。

【採点基準】
1(心情)
A(乃木くんに対して)
申し訳ない/罪悪感 …②点
B(自分に対して)
情けない/後悔/つらい …②点

2(きっかけ)
乃木くんの思いをふみにじった/乃木くんにひどいことを言った/乃木くんに冷たくあたった …④点

3(2の理由)
花音たちのことを気にした/花音たちの反応に気兼ねした …②点

四 問九 10点満点
 難易度:★★★☆☆

【解答例】
《行動の軸》未来の自分にほめてもらうにはどうすれば良いか

未来の自分は現在の自分次第だからだ。六年生になった時、それまで楽しめずにいた卓球部からソフトボール部にクラブを変えたことで今の私は活動日を楽しめている。周囲の説得に折れなかったあの時の自分をほめたい。

【採点基準】
1(行動の軸) …②点
※伝わることが書けていれば2点与える。
※2の要素が白紙でも、1の要素が書けていれば2点与える。

2(具体的な理由と体験)
A(理由) …④点
※「未来の自分は現在の自分次第だから」にあたる、1のように考える説得力のある理由がある程度書けていれば4点与える。1のように考える理由とは到底結びつかない場合は2Aの要素が無得点。
B(体験) …④点
※「六年生になった時、それまで楽しめずにいた卓球部からソフトボール部にクラブを変えたことで今の私は活動日を楽しめている」にあたる、2Aを裏付ける自身の体験が書けていれば4点与える。2Aを裏付ける体験とは到底結びつかない場合は2Bの要素が無得点。

◆採点方法の詳細◆

すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。

2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。

3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。

次に、例を挙げながら説明していきます。

【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)



ここでは、解答例を次のようにします。

【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。

採点基準は、以下の通りとします。

【採点基準】

1(きっかけ)

A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点

B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点

2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点

3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点

※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。


大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。

では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!

【答案例1】

しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。

【答案例2】

大好きなチョコを食べられて最高だったこと。

【答案例3】

好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。

順番に見ていきましょう。

【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。

【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。

【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。

以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。

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