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2022年 【海城中(②)】国語記述問題 採点基準例

※採点の方法の詳細については、◆採点方法の詳細◆以降をご覧ください。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

一 問十 12点満点
 文末は「から」 難易度:★★★☆☆

【解答例】自らの力で立ち、意思を自分で先生に伝える幹について、まるで「俺」の支えを必要としている弱い人間だと、決めつけているかのようになるから。

【採点基準】
1(幹について)
A 自らの力で立つ/自分の足で立っている …③点
B 意思を自分で先生に伝える/思いを本気で訴えている …③点
※「意思をもつ」のみの場合には、1Bの要素として1点のみ与える。

2(「決めつける」の内容)
(幹は)「俺」の支えを必要としている/自分の力で立っていられない/味方を必要としている …⑥点

※「決めつける」(活用も含む)がない場合、問十全体が無得点。使い方を間違えていても減点はしない。

二 問八 14点満点
 難易度:★★★★☆

【解答例】(彼女の文章は、ただの作文ではなく、)読み手が誰なのかや、読み手に自分がどう思われるかにしばられず、彼女の頭の中に存在した、それまで言葉にならずにいた彼女特有の思いが言葉になってあふれたものだ(という点で、小説の本質的なあり方を表したものだと思ったから。)

【採点基準】
1(筆者が考える「小説」と、彼女の文章の共通点A)
ⅰ 読み手が誰なのかにしばられない/誰に読まれるかを考えない …③点
ⅱ 読み手に自分がどう思われるかにしばられない/読む人にどう思われるかを考えない …③点

2(筆者が考える「小説」と、彼女の文章の共通点B)
彼女特有の思いがあふれたものだ/彼女固有の考えが素直に表れている …⑧点
※「特有の/固有の」にあたる内容がない場合、要素2から2点減点。
※「あふれた/素直に」にあたる、-線部7の四文後の「むき出し」のニュアンスが表現できていない場合、要素2から2点減点。
→例)彼女の思いが書かれている
は要素2として4点のみ与える。

◆採点方法の詳細◆

すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。

2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。

3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。

次に、例を挙げながら説明していきます。

【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)



ここでは、解答例を次のようにします。

【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。

採点基準は、以下の通りとします。

【採点基準】

1(きっかけ)

A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点

B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点

2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点

3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点

※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。


大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。

では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!

【答案例1】

しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。

【答案例2】

大好きなチョコを食べられて最高だったこと。

【答案例3】

好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。

順番に見ていきましょう。

【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。

【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。

【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。

以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。

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